虹はポケットの中に

再スタート
何度でも生まれ変わる
自分の音を探す旅

ライク・ア・サブタレイニアンズ25

2012-02-19 21:46:59 | ライク・ア・サブタレイニアンズ1
「ああ、これで終わっちゃうのかな」って思っていたんだ
ボクが実家に帰ることになった翌日、雪音がボクに
「ねぇ、鍵、返してほしいの・・・・」って言った
当然だよね、部屋を引き払うのだし、ボクもこの街から去る
頭では、良く解っているんだけど雪音にそう言われた時は
全てが終わってしまうような気がしたんだボクの心が
何故か音を立てて崩れていくようだった
もう、帰ってくる場所は無いのだ、ボクはそう思って
奥歯を噛み締めた
何をすれば良いのだろう?残された時間は5日しかなかった
ボクにはなす術もなく、黙々と準備を重ねていくことしか
できなかった
出発の日はすぐにやってきた
高速バスのターミナルは待合客でいっぱいだった
ボクは何度も何度もチケットと時計を交互に見ていた
落ち着けるわけなんてなかった
発車時刻が迫り、改札が始まったのでボクも
荷物を持って並んだ
列は、のろのろと進んでいた
「ミノルさん!」名前を呼ばれて振り向くと
雪音が立っていた

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