虹はポケットの中に

再スタート
何度でも生まれ変わる
自分の音を探す旅

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世界はラヴとピースでできている32

2011-12-24 20:13:36 | 世界はラヴとピースでできている
そして、ボクはクスリを投薬され、ずっとぼんやりとしたままで、
眠るように毎日を過ごしていっただから、そのあたりのことは
あまり記憶に無いんだ
頭の中の真っ白になった空白の部分は、毎日、ミカが少しづつ埋めていってくれた
そうしてボクはボクに戻っていった、そして、いよいよミカと家に戻ったんだ
これで何もかもうまくゆくと思っていたさ、でもね、頭を打っていたし、クスリの副作用も
あったのかもしれない
ボクは少し別人のようになっていた
そのせいで、二人の間には小さな諍いが多くなっていった
日々の暮らしは元通りなはずなのに二人は元通りではなかった
ボクは日毎に精神的にまいっていた
ボクがまいるぐらいだから
ミカはもっと辛かったんだろう

ある日、ボクたちはまた、なんでもないことで喧嘩をした
たぶん・・そこが、限界だったんだろう・・・
ミカは泣きながら「なこ、ごめんね、あたし、もうだめかも」
出て行ってしまった まるで予告された結末のようだった

何故だろう、ボクはその時、ミカを探すことはしなかった
いつまで待っても、もう、
ミカは帰ってこなかった
なんとなくボクはそれが、わかっていた気がしていた

ミカのいない、日々、自分の半分を失ったような時間が
欠けたまま、のろのろと過ぎて行った

耐えられないな、っておもった
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世界はラヴとピースでできている31

2011-12-22 16:45:52 | 世界はラヴとピースでできている
ぼやけた頭でボクが出した結論、あの時ボクはミカとの日々を思い返していたんだった・・・
そしてミカがいなくなって・・・もう、どこからが現実なのか、夢なのか、わからなかった
きっと・・・思い出せることはみんな、夢だったのかもしれないな
夢なら夢でいい、ボクはベッドの上だけどミカは確かに目の前にいる、
それでいいじゃないか、記憶を手繰ると、あのあとボクは・・・あれ?・・・・変だ
おかしいぞ、頭の中の一部分がぽっかりと空白になっているみたいだ
ボク?ボクは誰だ? 記憶が・・・無い
突然記憶が無くなっていたらあなたはどうしますか?
「思い出せ、思い出せ・・・と、半ば祈るように唱えた
「なこ?どしたの?」その声で我に返ったボクの頭の中で
「カチリ」と何かのスイッチが入った
途端に記憶たちが所々、鮮明に見えてきた、ボクは「アタマを整理しなくちゃ」
って思って順番に記憶をたぐってみたけれど、やっぱり、所々まるで
消しゴムで消したように空白があった
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世界はラヴとピースでできている30

2011-12-21 16:26:08 | 世界はラヴとピースでできている
よろよろと、ふらつきながらもなんとかヴェスパを停めた、あの、行きつけのバーまでたどりつけた
そこには、置いて行かれたヴェスパがボクに「今までなにやってたんだよ」って怒っていた
とにかく、家に戻らなくちゃ・・・・ミカは?きっと家に向かっている
張りつめていたボクはそろそろ限界だった、ヴェスパにまたがってエンジンをかけようとしたが
そのままヴェスパごと倒れてしまった
ガシャ~ンって大きな音で、人だかりができていた「だいじょうぶ?」なんて声がしていたけれど
どうやら頭を打ってしまったらしい、頭の中がぐぁんぐぁんしている
意識を保っていられなかった
どれぐらい時間が過ぎたんだろう・・・まだ目が回ってる
「あれ?」ちょっと待って、かすかに、ほんのかすかにずっと遠くから声がしていた
なんだか懐かしさを憶える声・・・・・ミカだーっ!!
「なこ?」「なこ?」
・・・・ボクはゆっくりと眼をあけてみた
ん?明るいぞ、白い部屋、ここは何処だろう?
側でミカが眼を真っ赤にしてイスに座っていた
ここは・・・・・あの病室だ
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世界はラヴとピースでできている29

2011-12-20 20:52:12 | 世界はラヴとピースでできている
ボクは息を切らして、ミカを追いかけた
飲み屋街なので人でごったがえしてなかなか
ミカに追いつけない
それでも人をかきわけて、やっとミカの背中に手が届きそうなところで
ボクは叫んだ「ミカー!」
「な・こ?」ミカは驚いたような、安心したような顔でボクを見た
でも、追いつけなかった
振り向いたミカは必死にボクの方へ駆け寄ろうとしているのだが、
人の波がどんどんボクらを引き離していった
「ミカー!」叫ぶたびに周りの人たちが不審そうな顔で
ボクを見ていた
時計を見るともう、1時を周っていた、時間を見た途端に
急激に疲労と不安が襲ってきた
ボクはその場にしゃがみこんでしまった
何人かの知り合いに声をかけられたけれど
答える元気がなかった
ミカのことだけが気がかりだった
ゆっくりと頭を振ってボクは考えた
そうだ、ヴェスパ・・・
ボクはよろよろと立ちあがり、あの、
バーへ向かった

帰らなくちゃ・・・きっと・・ミカが
帰ってくる・・・・
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世界はラヴとピースでできている28

2011-12-19 21:47:24 | 世界はラヴとピースでできている
別れは、突然やってきたんだ
ある日、いつものようにヴェスパで走り回って
家に帰り着くと、ミカは消えていた
どんなに待っても帰ってこなかった
真夜中に、いてもたってもいられなくなって
ボクはヴェスパのエンジンをかけて、
坂を大急ぎで下って駅前の繁華街まで
ぶっ飛ばしていった
探すあてなんてなかったけれど、
とりあえずいつも二人で飲みに行ったバーの、
店先にバイクを停めて、ミカを探し始めた
いちおう、バーの中も覗くと・・・いない・・・
マスターが「よう、なこ、どうした?」なんて
声をかけてくれる
「今日は・・・飲みに来たんじゃないんだ・・・・」
「そうなのか?もう、ライム切っちゃったんだぞ」
マスターはボクの顔を見た途端に、ボクがいつも飲む
モヒートを作り始めていた
「マスター、ごめん、また来るね」
「なこ、大丈夫か?顔が青いぞ」
「あぁ、だいじょうぶ」
そしてボクは繁華街を当てもなく
ミカを探して歩き回っていた
何度も、何度もミカの携帯にかけてみたけど
全然出なかった
半ばあきらめかけてとぼとぼとメインストリートの
交差点で信号待ちしていたら向かい側の歩道に
見間違うはずのないシルエット、ミカだ
ボクは飛び上がって喜んだ、でもそれより
ミカが無事であることへの安心感のほうが大きくて
泣きそうだった

信号が青に変わった
ボクは心臓が破裂しそうになって
走って交差点を渡った
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世界はラヴとピースでできている27

2011-12-17 17:40:52 | 世界はラヴとピースでできている
食べ終わったボクたちはくつろいでいた
テーブルには直火のモカ・エキスプレスで淹れた、
エスプレッソが湯気を立てていた
ボクたちは、マシンを使わず(もちろん持ってなどいないのだが)
直火で淹れたエスプレッソが大好きだった
小さなカップを持って、ボクとミカは向かい合って座っていた

パスタを食べながらボクは思っていたんだ
ボクたちは一緒にいる、ミカはいつもボクに「愛」をうたってくれる
そして、二人の間には何の諍いもない、こうして二人でパスタを作って
二人で食べることができる
つまり、これこそが「平和」(ピース)であるからこそ実現できることだということを
ボクは噛み締めるように思ったんだ
この時、この時間のボクたちの、二人の世界は「愛」と「平和」、
ラヴとピースでできていたってことは
間違いないんだ

ミカ、ミカのうた、エスプレッソ、パスタ・・・・・ボクたちを
取り巻くもの全て、何が欠けても成立しない世界にボクたちは住んでいた
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世界はラヴとピースでできている26

2011-12-16 20:33:50 | 世界はラヴとピースでできている
アンチョヴィを炒めたら、いよいよキャベツ投入だ
「だんだん本格的になってきたね、なこ」
ったく、なめてんのか・・・・
本格的も何もボクは本職だ
その頃ボクはコックとして
イタリアンレストランで働いていたのだ
「ねえ、なこぉ、タイマー鳴ってるよぉ」
「えーっ!!!!」
大変だ、パスタをあげなくちゃ
しかたないのでボクがパスタをフライパンに移した
ゆで汁を少し入れてあとは、塩だけで味を決める
キャベツ、ソースとからめて
「ミカ~っパスタ皿二枚もってきてー」
「おまたせぇ~」ミカにしちゃ早いな
ボクはパスタを盛り付けた
「最後にヴァージンオイルかけるんだよね?」と、ミカ
「うん、持ってきて」
「はい、お待たせぇ~」「・・・・・・」
「ミカ、ちが~う」「え?え?、なんでなんで?」
最後は香り付けだからいちばんおいしいやつ
「どれ?」
ボクはオイルのボトルをミカに見せた
「これだよ、この、ギリシャカラマタ産のオイルが
最高なんだ」
「ふぅ~ん」気のない返事がした
ボクたちはたっぷりとオイルをまわしかけ
一緒に「いっただっきま~す」と言って
食べ始めた
はむはむと美味しそうにミカは言う
「ね、なこ、美味しいね」
「あたりまえ」
「もぉ」でも半分はミカが作ったからな
ミカの腕もあるぞ
「ほんと~?」「うん」
「やった、やったやった」
すごい喜びよう
ボクたちはパスタを堪能した
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世界はラヴとピースでできている25

2011-12-16 12:53:56 | 世界はラヴとピースでできている
「どのフライパン?」ってミカが言う
「う~ん、二人分だからなぁ21㎝で間に合うと思うよ」
よいしょ、よいしょってミカは重ねてあるフライパンの中から一枚取り出して
「これでしょ?」「そう、それ」 ん?ミカが渋い顔をしているぞ
「どうしたの?ミカ」「うん・・・これ、けっこう重いね・・・
あぁ、それじゃなくてアルミのパンがあるだろ?
そっちのほうが軽いはず
ミカはまたごそごそとフライパンを探り出している
「さ、作るぞ~」まず、フライパンに鷹の爪とオイルとガーリックを
入れろ」「は~い」ここまではまだ素直だな
ミカはオリーヴオイルをフライパンに注ごうとした
「ちが~う、そっちじゃない」「え?、なんで?」
「だってそれ、ヴァージンオイルだろ?
加熱するときは、こっちのピュアオイルを使うんだよ
ヴァージンオイルだと、香りが飛んじゃうからな」
「ふぅ~ん、そうかぁ難しいんだね」
「基本だぞ」「き・ほ・ん」
「なこ、なんだかいぢわるぅ」「先生だからな」
少し説明するぞ
オイルが冷たいうちにガーリックを入れて、
それから火を点けること 「なんでぇ?」
にんにくの香りが移る前に焦げちゃうからだよ
ゆっくりとオイルに香りを移すんだ
充分香りが出たら、にんにくを取り出しておく
そして、アンチョヴィを入れるんだけど
一人前一枚ぐらいだな 塩気をみて調節すること
アンチョヴィは木べらで粉々に崩すように炒める
「どうして?」「うん、これがダシみたいな役割だからね、
味に深みを出す」でも入れ過ぎると美味しくない
ここも、ちゅうも~く
「なこ、やっぱり口調が変」「うるせ、じゃあ教えてやんない」
「え~っ、・・・・なこ・・・・ごめんね」
上目づかいでミカがあやまってくる「よぉ~しゆるしてやろうじゃぁないか」
「だから変だってば」
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世界はラヴとピースでできている24

2011-12-15 21:41:35 | 世界はラヴとピースでできている
そしてボクは、ミカにパスタの作り方を説明し始めた
まず、材料を準備するんだよ

にんにくは、薄くスライスして、うん、そうだな、3~4枚でいいや
キャベツは適当な大きさで切っておく
次にアンチョヴィ、これ、要注意
絶対にイタリア産のを使うこと
シチリアので美味しいのがあるんだ
ちょっと高いけどな
お湯には3%の塩をいれておく
・・・ミカ?聴いてる?
う、うんだいじょぶよ
ほんとかぁ?
じゃあここから先はミカにやってもらうからな
「え~っ、なこ、作ってぇ お願いちゃん」
かわいいふりしてもだぁ~めっ
さ、フライパン出して
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世界はラヴとピースでできている23

2011-12-12 18:46:41 | 世界はラヴとピースでできている
ボクはキッチンへ向かった
すると、ミカがエプロンをして(普段は見たことが無いのだが)にこにこ
して立っていた
ミカは何か言いたそうな眼をしてボクを見ていた
そして言った
「あたしもパスタ作ってみたい」「ね、教えて、なこ」
「驚いたがボクは言う
「いいよ~教えてやるからやってみなよ、あ、パスタ計っておいて
一人100gね
ボクは自分のエプロンをして、またキッチンに戻った
「ね、ね、次は?」ミカの眼がキラキラしているぞそんなにうれしいのか?
そしてボクは「よぉ~くきけぇ」「これから、せんせいがぁ」
「パスタの作り方を説明しようじゃぁないか」
「なこ、何言ってんの? ばっかみたいだよ」
「おしえるひとがせんせいだろ?
ミカは渋々「・・・・うん」
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