虹はポケットの中に

再スタート
何度でも生まれ変わる
自分の音を探す旅

ライク・ア・サブタレイニアンズ12

2012-01-31 20:57:02 | ライク・ア・サブタレイニアンズ1
ボクたちは、雪音のマンションからそう遠くない中華料理屋に入った
夕方で、まだ時間も早かったせいか、客はボクたちの他には二組しかいなかった
席を、小上がり(当然だよな)に決めて、雪音と向かい合ってメニューを広げた
思ったよりも小奇麗な店内だった
でも、やっぱり、三国志のコミックは全巻揃っていた・・・お約束・・・
まず、ビールだよねってことで 青島ビールをオーダーして
とりあえずかんぱ~い
「何食べる?」中華おこげ、青梗菜の炒め物、なんかを注文した
雪音が、「中国唐辛子と骨付き鶏肉の炒め」が食べたいと言ったので
とりあえずそんな感じで二人の宴は始まった
、「中国唐辛子と骨付き鶏肉の炒め」が絶品だったけど、めっちゃ辛かった
食べきれないので、お持ち帰りのパックをお店からもらって
残りは持ち帰った
飲み倒すような感じでもなかったので、お腹が満たされたところで
お店を出た、それでもけっこう飲んだので、お会計したら
ボクの財布はかなり軽くなった
雪音と一緒にいれるから、そんなことは気にならなかった

ライク・ア・サブタレイニアンズ11

2012-01-30 21:05:14 | ライク・ア・サブタレイニアンズ1
ある日、雪音の部屋へ行くと、雪音はベッドに寝転がって
ボクがあげた本を読んでいた
「雪音、おもしろいかい?」「うん、でもさ」
「何?」 「これって、あたしたちみたいなところがあるね
だから・・・っていう訳じゃないけど、おもしろいよ」
「地下街の人びと」はパワフルな物語だと思う、
ケルアック独特の文体で、主人公の恋愛が、リアル感を持って
伝わってくるよな
哀しくも鮮やかで、それでいて少しほの暗い、ビートジェネレーションの
日々が語られている、
「ミノルさんの感想?」
「うん、おれは読んでいてそう思った」
雪音がポツリと「やっぱりあたしたちみたいだよ」
本が一区切りついたらしく、雪音は「夕飯何食べよっか?」
なんて訊いてくる
無難なところで中華食べに行こうぜと提案
「あたし、行きたい連れて行って」即答だった
ボクたちはいそいそとお出かけした

ライク・ア・サブタレイニアンズ10

2012-01-28 21:50:27 | ライク・ア・サブタレイニアンズ1
ビールを飲みながら雪音が言った「ミノルさん、あたし何か本が読みたい」
「ん~、ちょうど持ってるよ、これ」「面白い?」「おれは大好き」
「じゃあ貸してくれる?」「いいよ、文庫本だし、あげるよ」
「ほんとぉ?」「やった、やった」雪音流の最高の喜び方らしかった
「何て本?」「地下街の人々」ケルアックだよ原題は「サブタレイニアンズ」
って言うんだけど「ふぅ~ん、読んでみていい?」
ボクは文庫本を雪音に渡したポケットに突っこんでたからボロボロに近かった
それでも、雪音は嬉しそうだった
こんなに喜んでくれるなんて、ボクも良い気分だった
大好きな作家の本だったし、好きなことを共有できると思ったから
なんだか、秘密を共有したみたいだろ?

今日のお買いもの(笑)

2012-01-28 21:46:30 | 日記
ボクはアコギ、エレキにかかわらずカポを多用します
ローコードが好きなのと、開放弦を使いたいって思うので
カポは欠かせないアイテムなのですが
今まではクリップ式ではなく、ゴムのバンドを伸ばして穴に引っ掛ける
昔ながらのやつを使ってました がっ、今日、楽器屋さんに行くと・・・
な、なんとクリップ式のカポにチューナーが付いているではないか!
即買いです(笑)時代にちょっと追いついた気分(笑)
便利です


ライク・ア・サブタレイニアンズ9

2012-01-27 21:05:54 | ライク・ア・サブタレイニアンズ1
お昼休みになって、雪音の持たせてくれたお弁当をどきどきしながら開いた
中身は、雪音お手製の小さなパンが二個入っていた
自販機で買った缶コーヒーを飲みながらパンをひとくちちぎって口にした、
うまいな、これ 
雪音は「うまくできなかったの、ごめんね」なんて言っていたけれど」
最高に美味しかったんだ
そして、おかず(らしい)ランチボックスを開けてみると思わず言っちゃった
「うわぁ、ハンバーグだぁっ」・・・・子供のような喜びようである
ハンバーグの横にはイチゴが3粒入っていたボクは嬉々としてハンバーグに手を付けた
贔屓目だろうが、絶品だった
全部ぺろりとたいらげてからボクはポケットから文庫本を取り出した「地下街の人々」
ジャック・ケルアックの本・・ボクはアランシリトーなど、ピカレスク的な話が好きだったので
いつもジーンズのポケットに入れていた雪音のお弁当が美味しかったので、
「缶コーヒーってやっぱりあんまり美味しくない・・・」
そんな気持ちが妙に残った昼休みだった
でも、大満足の昼食を終えて、午後の仕事をこなし、ぼくはまっすぐに雪音のマンションへ
車を走らせた
ボクが帰ると、雪音は冷蔵庫から冷えた缶ビールを渡してくれた「はい、飲むでしょ?」
プシュっと開けてボクらはまず、「かんぱ~い」日も沈まないうちから
上機嫌な二人であった

ライク・ア・サブタレイニアンズ8

2012-01-26 20:50:08 | ライク・ア・サブタレイニアンズ1
とても自然だった、ボクたちはまるでそれが決まっていたかのように
唇を合わせた
ボクが引き寄せるのと同時にゆきねは眼を閉じたし、ボクもごく、自然に
顔を近づけていった
お互いに抱き締め合いながら、唇は離さずに、長い、長いキス
ゆきねの唇はとても柔らかくて、ボクはゆきねに包みこまれるような錯覚を憶えた
唇を離しては触れ、何度も繰り返した
これがボクの一生忘れられないキスのうちのひとつになった
ただ、キスと抱きしめることを繰り返してボクたちは眠った

「ねえ、ゆきねってどんな字書くの?」
「雪の音って書くの」静かに雪音が言った
「すてきな名前」そう言いながらボクは雪音の髪を撫でた
「ほんとぉ?そう言ってくれるのミノルさんだけだよ」
「うれしい・・・ありがとう」雪音が照れている
朝になってボクが仕事に行こうとすると
雪音はボクより早く起きていて、あったかいコーヒーを淹れてくれた
寒い冬の朝にそれはとってもうれしかった
「じゃ、そろそろ行くね」と靴を履きかけた時に雪音が「これ、作ったの」
って包みをボクに持たせた「お弁当なの」「ほんとに?すごいうれしいよ」
幸せ絶好調になった「いってきま~す」
その日は昼休みが待ち遠しくてにやにやしながら上機嫌で仕事をしたのは
言うまでもない

ライク・ア・サブタレイニアンズ7

2012-01-24 19:47:32 | ライク・ア・サブタレイニアンズ1
「あたし、眠くなっちゃった」
「おれ、まだ飲んでるから寝ていいよー」
「う~ん」と言いながら、ゆきねはベッドにあがったものの寝ようとしない
「おれのことは気にしないで寝なよ」「いや」「寝なさいっ」「いやだ」
と、変な押し問答が続いた、そしてボクはゆきねを寝せようと、ベッドの縁に腰かけて、
ゆきねはいつのまにかベッドの脇の床にじかに座ってボクを見上げるようなかたちになっていたんだ
押し問答が続いた後で、ゆきねが突然言った「あたし、ミノルさんのこと好きですよ」
言ったあとすぐに、ゆきねは顔を真っ赤にして「あ、言っちゃった・・・」と、うつむいてしまった
聴こえていたけれど、ボクはわざと「何て言ったの?」って訊き返してみた
ゆきねはボクを見上げて「あたし、ミノルさんのこと好きですよ・・・知らなかったでしょ」
ちょっといたずらっぽい目でそう言った
ボクはゆきねの頬を両手で引き寄せた

ライク・ア・サブタレイニアンズ6

2012-01-23 22:29:58 | ライク・ア・サブタレイニアンズ1
そうして、ゆきねに案内されて、雪のしんしんと降りしきる中をゆきねのマンションまで行ったんだ
着くころには二人とも雪で真っ白だった
初めて入る女のコの部屋ってどきどきするよね?
とりあえず腰を下ろしてボクたちはまず、缶ビールで乾杯した
ゆきねがキッチンに立ち、まるでフレンチの前菜のようなオードブルを
作ってくれた、見た目以上の美味しさだった、
ビールを一缶飲み終えそうになったところで
いよいよシャンパーニュの登場!
ゆきねがワイングラスを用意してくれた
「何か手伝おうか?」「ううん、ミノルさんは座ってて」
キッチンに立つ、ゆきねの背中は何故か楽しそうだ
この時点ではボクは何も気付けなかった
そして二人で一本空けてしまった頃に
ゆきねが言った
「眠くなってきちゃった」

少し煮詰まっていますが

2012-01-19 21:48:26 | 日記
ライク・ア・サブタレイニアンですが
少々、展開に行き詰っています

ネタはあるんだけどね
あまり、ありきたりのお話には
したくないのでちょっと熟考
今は頭の中が混沌としてます
もうすぐ、出口が見えるはず

明けない夜はないのだし
物事には
いつかは終わりが来るのだから

とにかく、あと一歩進みます

ライク・ア・サブタレイニアンズ5

2012-01-16 15:05:16 | ライク・ア・サブタレイニアンズ1
あれは冬の日だった
ボクはバンドの練習スタジオからの帰り道だった
雪がしんしんと降っていたっけ
ボクのバンドの練習はいつも、夜遅くだったからその日も日付が変わりそうな時間だった
車を走らせていると携帯が鳴った あわてて車を路肩に停めた「は~いミノルでっす」
「ゆきねです・・・」「ん?、今?、バンドの練習帰りだよ」
「もう、帰っちゃうの?」「どした?」
「なんか、あそびたいなぁって思って・・・・」
これは、誘われているんだろうか
あまりにも突然でアタマ少しパニックだ
「まだ帰らなくてもいいよ」(これがボクの悪いところだ)
「何処であそぼうか?」
「ウチにシャンパーニュが一本あるんだけどな、一緒に
飲まないかと思ったの」「でもさ、おれ、車だから飲んだら帰れなくなるよ」
「・・・そっか、ちょっと待って、」しばし無言の後ゆきねが言った
「ウチに泊まっていいよ、一緒に飲みたいし」
ボクはゆきねのことをまだあんまり知らなかったので、ゆきねの家の場所を訊き、
その近くのコンビニで待ち合わせることにした
そこからはもう、舞い上がってしまい
どういうふうにそこまでたどり着けたかは覚えていない
ボクのほうが先に着いた
車を停めて、雑誌を立ち読みして待った
相変わらず雪は降り続いている
しばらくして、入口のドアが開き、外の冷気と一緒にゆきねが入ってきた
「お待たせ、」心なしか頬が紅潮している・・寒かったんだね
「ビール買っていこ、ミノルさん何が好き?」
「おれ、モルツが好きだな」「じゃ、それにしよ」
ビールを抱えてゆきねの部屋へ向かった