虹はポケットの中に

再スタート
何度でも生まれ変わる
自分の音を探す旅

ライク・ア・サブタレイニアンズ28

2012-02-21 14:16:31 | ライク・ア・サブタレイニアンズ1
ボクは15年ぶりぐらいに、生まれた街に帰ってきた
何も無い、田舎町での生活は淡々と過ぎて行った
始めは、雪音に会えないことが淋しくて淋しくてたまらなかった
でも、雪音もがんばっているはずだ、って思いながら
遠方からの応援団のような気持ちで雪音を想っていた
きっとこれが、最後の恋かもしれないな
そんなふうに思っていた
ミラボーの言葉を思い出した
「長い不在は恋を滅ぼす」
漠然とした不安をいつも抱えながら暮らしていた

それは、12月半ば そろそろクリスマスが近くなって街が浮足立つ季節だった
雪音から電話がかかってきた
心のどこかで何かを期待しながら嬉々として電話に出た
「ミノルさん・・あたしミノルさんを好きな気持ちが無くなっちゃった」「え゛」
当然、ボクは「どうして?」と、食い下がった
そして雪音はその理由を電話口でゆっくりと説明してくれたのだが
ボクは気が動転してしまっていたらしく、電話を切った瞬間に
自分の頭の中が真っ白になっていることに気が付いた
断片的に「あたしの好きになったミノルさんじゃない」とか
「今のミノルさんはカッコ悪い」とか
言われたように憶えていた
電話を切った後、気持ちが落ち着いてからも、ボクには
すぐに、なす術はなかった
雪音はS市、この街からバスで5時間の距離だすぐにでも飛んで行きたかったが、
ボクは事情があって帰ってきたのだから
ここを離れる訳にはいかないんだ

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