ラクッコピコりんの紙芝居

毎日人形を作ってます。日々の製作や活動を主に記してます。

ノボの昔話「小さな喜び」

2008年11月19日 19時20分20秒 | ノボの昔話

「小さな喜び」

ノボタンは少し大きくなったが、兄弟が多いから食料難は慢性化。
何も食べられない日は無くなったが、魚を手に入れると毎日魚。
野菜を手に入れると毎日野菜。

ノボタンの家にはニワトリがいた。
ペットなんて言葉は無い。
勿論食用。ニワトリは食用で飼うのが当たり前。
卵はオマケ。

ノボタンは学校に弁当を持って行くが麦飯と卵焼き。
毎日毎日卵焼き。
卵焼きは好きだけど、毎日食べると飽きてくる。
他におかずは無く卵焼きは2切れは味気ない。

そんな時、友達が声をかけてきた。
「おお~うまそうだな~。卵焼きなんてしばらく食ってないよ。少しくれよ。」
その友達の弁当にはうまそうな鮭の昆布巻きがたっぷり。
ノボタンは昆布巻きはご馳走だ。
ノボタンは喉から手が出るほど欲しい昆布巻きを我慢し
「いやぁ~。俺は、卵焼きがすきなんだよ。」と言った。

その友達は漁師の息子。
家では毎日、魚ばかり食べて飽きているはずだ。
当然、友達は卵焼を諦めきれない。
「一切れていいから。これとばくってくれ」
案の定、友達は鮭の昆布巻きを全部差し出した。

「ちぃっ、しかたねぇなぁ」
渋々あげるような演技。
小さな卵焼き一切れとたっぷりの昆布巻きの交換が成立。

ノボタンは昆布巻きをたっぷり食べて満腹。
友達からは感謝され、しばらく笑いが止まらなかった。



おわり

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ノボ「あいつ、卵焼き半切れでもばくったぞ。失敗したな~。」
ピコ「小さい取引だなぁ・・・」
ノボ「いやいや、当時は卵も鮭も高級品だったんだぞ!!昆布巻きなんて正月の食い物だ。」
ピコ「高級品?ホントかなぁ?」
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「ばくった」とは北海道の方言で「交換した」という意味
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2 コメント

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おはよう(●^o^●) (ゆきのガコちゃん)
2008-11-20 09:53:11
どっちも高級品だったと思うよ~!
ガコが子供の頃は卵、ばら売りしてた。
「10個下さい」って言ったら5個ずつ2列にして新聞紙で上手に包んでくれるの。
懐かしいなぁ。

玉子焼きも昆布巻きも美味しそうに描けているな~
昆布巻き、自分ちで作れるって知ったの、大人になってから。
それまでプロしか作れないと思ってた~
まぁ、今でも自分じゃ作らないんだけどね

それにしてもノボタン、すごく駆け引きが上手だね~(^O^)
商才があるんだよ!
返信する
ありがとうございます!! (ラクッコピコりん)
2008-11-20 12:11:25
卵は新聞紙で包んで売っていたんですか・・・。
その時代は知らない・・・・。
年齢は離れていないはずなのに・・・・。

昆布巻きは家で作らなかったんですか。
昆布獲れない地域だったのかな?
まぁ、現代は自分で作る人は少ないですね。
返信する

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