昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
アンティークなラジオを中心とした、自由でお洒落な、なんちゃってワールド♪

孤島で過ごすプチ・バカンス?&グアムのKUAM 630kHzを聴く♪

2007-08-09 | 三流オトコの二流品図鑑
 瀬戸内海の孤島に、この7月にオープンしたばかりのリゾートホテルで、1泊2日のプチ・バカンスを過ごした。
村上春樹か田中康夫になった気分で、その様子を綴る・・・ (;^_^A アセアセ・・・
 

その日、同行者の運転するBMW120iの助手席に座った僕は、メイナード・ファーガソンの「スター・ウォーズ」を聴きながら、運転席の彼女から手渡されたスタバのアイス・コーヒーに口を運んだ。
Maynard Ferguson という人はもともとジャズの人で、このベストCDもジャズコーナーで売っていたし、選曲も「ロッキーのテーマ」「スター・トレックのテーマ(アメリカに行きたいかー!!)」と「星影のステラ」「枯葉」「Airegin」が仲良く混在し、曲の途中でぶったまげるくらいのハイ・ノートが聴ける。
        

 BMW120iは、大伴旅人などにより万葉集に詠まれた、古(いにしえ)の港町に到着。

迎えへ来てくれたクルーザーは、 貸切状態。
瀬戸の島々を眺めながら、約50分でこの島ただ一つの小さな桟橋に接岸した。
        

南北へのびる島の斜面に沿って、山の緑に映える自然の木々に囲まれた4棟の建物が建つ。
日を受けて輝く弁柄の柱と漆喰の壁が醸し出す絶妙なコントラスト。
瀬戸内海のはるか沖合いの離島にたたずむ格調あるアンビバレントに、驚かされる。
        

出迎えのコンシェルジェのエスコートで案内されたロビーのパノラマウインドに広がる景色に
思わず二人は足をとめた。
同行者がチェックインをすませるあいだ、窓際の椅子に座りウェルカム・ドリンクを喉に流し込み、
からっぽの頭で、ただ潮風だけを感じていた。
        

案内された部屋はデザイナーズ・マンションを思わせる広いリビング
  シンプルで清潔感溢れるダブルベット
    オーシャンビューの広々とした窓に映る森の木立と青い海

「どう、気に入った?」
  彼女は自分の気持ちに賛同を求めるように訊ねてくる
    答える代わりに彼女を軽く引き寄せ、二人の心を重ねた時空が流れる
        

海にせり出したウッドデッキに設けてある檜のジャグジーにつかりながら、
自然と同化する時間が過ぎる
波の音と木々のざわめき、小鳥のさえずり以外は何も聞こえない。
        

瀬戸内海から採れる食材にこだわった、シェフ心づくしの夕食を味わうため、
隣接するレストラン棟に向かった。
ほどよく冷えたシチリア産ワインが、乾いた喉を潤してくれる。
信楽、有田、京焼の器にとけこむ、決して奇をてらわない天然食材の料理が
自然と人間の営みの絆を語りかけてくれているようだ。
        

夜中の2時、ベットを抜け出し、オーシャンビューのウッドデッキから、ぼんやりと真っ暗な海を眺める

月に照らされた島影と満天の星空、遠く揺れる漁船の漁火
  何百年も変わらないままだったであろう この幻想的な空間に身をゆだねる

愛用のセブンスターに火をつけ、その煙の行方を追いながら、さまざまな思いを馳せる。
       

部屋に戻り、ソファーに腰掛け、ソニーICF-SW7600GRのスイッチを入れてみた。
国内民放ラジオの停波した都市ノイズのまったくないクリアな中波をゆっくり探る。
IDは確認できなかったが、英語をまくしたてPOPミュージックを流すグアムのKUAM(630kHz)が聞こえてきた。
グアムからの民放ラジオ放送の弱い電波を瀬戸内海の孤島で聴くのも、おつである。
タガログ語のフィリピン局も数局聞こえる。
夏枯れのこの時期、TP(トランス・パシフィック)は期待できないが、晩秋なら多くの成果があげられそうだ。
         

「何してたの?」
いつのまにか目を覚ましていた彼女は、ベットに入った僕に子供っぽい表情で尋ねる。
鳥が美しい音色を競いはじめ、それに潮騒、梢の葉擦れの音がシンフォニーを奏でる夜明け前、再び眠りについた。

数時間後、部屋に備え付けのミルで挽くコーヒーの香ばしい匂いに、深い眠りから目覚めた。

朝のやさしい光を浴びながら入るジャグジーは、昨日とはまったく違った趣がある。 
小鳥のさえずりと波の音が心地よい。

散歩がてら、コテージ下の水際で、磯の蟹や小魚と戯れる。
        

朝食を済ませ、昼前にチェックアウト。
クルーザーに乗り込み、デッキで潮風のコロンを浴びながら芸予諸島の水軍の足跡を巡る。
       

明治27年に建築された造船所所有の迎賓館を、全面改築したホテルのレストランでランチ・タイムだ。
かっては世界各国の船主を迎えていた、和洋折衷建築ともてなしの細やかさは今も定評がある。

日常から開放してくれた二日間の終わりを告げるように、スパークリングワインの泡末が、グラスの中ではじけた。

予算は、1泊2食で一人¥60,000弱。(2日目のクルーズとランチは別料金らしい)
支払いは同行者任が済ませてくれたため、費用は未だ謎である。