昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
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フラッシュメモリタイプ携帯型オーディオプレーヤー東芝『gigabeat Pシリーズ』

2007-07-07 | 三流オトコの二流品図鑑

 出張の時は、2月に店員からプレゼントしてもらったCDウォークマンD-NE920を愛用のTUMI社製ビジネスバッグのサイドポケットに入れ、新幹線の移動時間にお気に入りの音楽を聞いていたのだが、iPodの大ブレイクにより、携帯型音楽プレーヤーは一気にメモリータイプへとシフトしてしまった。
        
 その人気を裏付けるように、ウォークマンもメモリータイプが主流となり、デジタルオーディオプレーヤーも多くのメーカーからバリエーションに富んだものが次々と登場してきている。少し前まではHDDタイプするか、メモリータイプするかが選択基準だったが、昨今は動画、ワンセグ、Bluetoothなど多機能化により、今まで以上に「欲しかった機能を搭載したデジタルプレーヤー」が選べるようになっているようだ。
        

        
 一方、アナログ/デジタルの境界線上をうろつき、どちらかと言えば『アナログ派』である我ら世代にとっては、多様化したデジタルプレーヤーの機能・性能を実体験することから始めることが必要と感じ、友人である音響の匠氏と一緒に東芝『gigabeat Pシリーズ』をAmazonにて格安で購入した。
東芝のgigabeatといえば、HDDオーディオプレーヤーの先駆け的な存在。初代(MEG50JS)の登場はiPodより早い2002年6月である。
 今回購入した「gigabeat P10K」は、現行のgigabeatシリーズ中で唯一ストレージにフラッシュメモリを採用。6万5536色表示の1.1インチ有機ELディスプレーを搭載し、本体サイズは幅31.9×奥行き13.2×高さ82.0mm、重量が約50gの1Gフラッシュメモリタイプの携帯型オーディオプレーヤーだ。
        
 FMチューナーのマニュアルスキャン機能、時計表示機能に“アナログ時計”、省電力のためのオートパワーオフ機能を追加したモデル。基本機能こそ既存モデルと変わらないが、「2色のフェースパッド」が同梱されており、その日の気分でスタイルが変更できる。本体カラーとしては、ピンクとホワイトが用意されている。基本機能は従来機種のものを継承しており、FM放送の聴取/録音やボイスレコーディング(モノラル)が行なえるほか、ステレオライン入力端子を備えており、ダイレクトレコーディング(MP3、44.1kHz、192k/128k/96kbps)も行なえる。
        
 収録曲数は512MBあたり125曲/約8.3時間(WMA/MP3、128kbps、1曲4分の場合)。対応オーディオ形式は WMA/MP3/WAV(PCM)で、ビットレートは16k~320kbps。著作権保護技術は“Windows Media DRM 10”に対応している。インターフェースはUSB 2.0/1.1を搭載し、対応機種はPentium II-300MHz以上(Pentium III-1GHz以上推奨)を搭載したPC/AT互換機、対応OSはWindows XP。再生可能なファイル形式はMP3/WMA/WAVの3種類。Windows DRMにも対応する。また電源はリチウムイオンバッテリーを内蔵し、約14時間の連続再生が可能とのことだ。

 ところがアナログ店長、さっそく充電方法でズッコケてしまった。
本機の充電や音楽の転送はMedia Player 10をインストールし、USBケーブルを使ってパソコンから行なうのだが、準備を整え、gigabeatとパソコンを繋いでもELディスプレイには「充電準備中」の表示が、無機質に点灯し、ピクリとも動かない。ケーブルを抜いたり挿したり、gigabeatのキーを押したり離したり・・・ ヽ(  ̄д ̄;)ノ オテアゲー 状態、僕自身がフリーズしてしまった。
        
この窮状を見かねた後輩が「このくらいは調べないと!http://www.gigabeat.net/mobileav/audio/download/gbp_mtp.htm」との憎らしいコメント付で、ドライバのインストール方法の示されたURLを送ってくれ、無事、本体画面に「充電中・・・」とアニメーション表示されていることを確認できた。
        
 最初の時点でつまづいた操作方法も実は簡単で、電源を入れた後に現れるメインメニューから「オーディオ」を選択し、アルバム/アーティスト/プレイリストのいずれかから聴きたい楽曲を選択するだけ。「プラスボタンで項目を選択し、決定ボタンで選択決定」というインタフェースは直感的な操作を可能にしており、戸惑いを感じることはない。
 再生中にはプラスボタンの上下で音量調整、左右で早戻し/早送りが行え、決定ボタンを押せば再生/一時停止となる。プラスボタンをはじめとしたボタン類はクリック感もしっかりしており、快適な操作が行える。ボタン入力に対する反応も機敏だ。
 再生中でも側面のMENUボタンを押せばメインメニューの呼び出しが可能で、イコライザーの適用や再生モードの変更はここに用意されている「設定」から行う。プリセットイコライザーはFLAT/ROCK/JAZZ/CLASSIC/POP/USERの6項目あり、かなり強力に効くので、慎重に適用したい。再生モードは通常再生のほか、1曲リピートやシャッフル再生など合計5つのモードを備えている。
        
 パッケージに付属するヘッドフォンと組み合わせて試聴してみたところ、ベースもしっかり響き、全体的なバランスも悪くないのだが、高域部分がこもるような印象を受ける。人によっては「ヌケが悪い」と感じるかもしれない。これをゼンハイザーの「MX400」やソニーの「MDR-EX71SL」などと組み合わせると、ヌケの悪さは改善されるという。ただボクの場合は広域部分をある程度カットした音の方が、遠距離出張などで長時間聴くには疲れなくて快適だ。録音可能なFMラジオやダイレクトエンコーディング、ボイスレコーディングの機能も備えている。
        
 ディスプレイにはJPEGの画像データを表示させることもできる。表示させるには、まずPC上で「Photo」というフォルダを作成して本体メモリ内の「メディア」フォルダにドラッグ&ドロップした後に、そのPhotoフォルダへ画像データをコピーしてやればよい。ディスプレイサイズは1.1インチと小さく、解像度もそこそこ(96×96ピクセル)なので、迫力ある画像を楽しめるとまでは行かないが、CDジャケットを表示させるなどオマケ的な機能として楽しむこともできる。
        
 本製品のスタイルとカラーリングは意見の分かれるところかもしれない。フラッシュメモリプレーヤーはUSBメモリのような無味乾燥なデザインの製品も数多いが、iPodをやや意識したフォルムとカラーリングは、メイク・パレットのようなカラーリングをまとったかってのgigabeatシリーズのデザインにおける独自性を失った。
ただiPodの数分の1の値段で購入でき、十分に小型軽量であり、操作性もシンプルで好感の持てるデジタルオーディオプレーヤーであることは間違いなさそうだ。
        
 このところ毎週、関西あるいは九州方面へ出張しており、移動中の退屈しのぎに実際どうなのか、また4月に買ったiPodを常に持ち歩き自慢している店員が、この「gigabeat P10K」を見てどんな反応を示したか、次回レポートする。