○テンシュテット指揮フィラデルフィア管弦楽団(EnLarme:CD-R)1979/3/29
前半楽章の録音が酷すぎて何とも言えない。ステレオがアダとなり音場が不安定で、私のプレイヤーだと1楽章の途中で音飛びするのも含め聴いていられない。オケは豊潤でミスやアバウトさはあるものの重厚でフォルムがはっきりした、なおかつしなやかなマーラーを演じているだけに勿体ない。アダージエットあたりから安定してがぜん聴けるようになってくるが終楽章末尾で音が落ちるのはまたもやがくり。盛大なブラヴォも拍子抜けした。でも、やっぱりこんな緻密で盛大な終楽章を聴かせられると○をつけざるをえない。テンシュテットはマーラー指揮者かというと私はそうでもないように思う。マーラー特有の丸裸のソリストが技巧的な走句を突出させたりとかそういうところでちゃんと背後の音を整えてそこに丸くおさめてしまうような、ワルターが聴かせたマーラーそのものというような特殊な響きが無くなってしまう。オケに強いる緊張感というものもそのバランス感覚を保つためのもののような気がして、とくにニュートラルな曲であろう5番あたりを聴くと、単品では充実したよい演奏だったと思うものの、マーラーに通底する奇怪な精神性のようなものは無かった、と感じてしまう。個人的な部分なので異論はあると思います。○。
前半楽章の録音が酷すぎて何とも言えない。ステレオがアダとなり音場が不安定で、私のプレイヤーだと1楽章の途中で音飛びするのも含め聴いていられない。オケは豊潤でミスやアバウトさはあるものの重厚でフォルムがはっきりした、なおかつしなやかなマーラーを演じているだけに勿体ない。アダージエットあたりから安定してがぜん聴けるようになってくるが終楽章末尾で音が落ちるのはまたもやがくり。盛大なブラヴォも拍子抜けした。でも、やっぱりこんな緻密で盛大な終楽章を聴かせられると○をつけざるをえない。テンシュテットはマーラー指揮者かというと私はそうでもないように思う。マーラー特有の丸裸のソリストが技巧的な走句を突出させたりとかそういうところでちゃんと背後の音を整えてそこに丸くおさめてしまうような、ワルターが聴かせたマーラーそのものというような特殊な響きが無くなってしまう。オケに強いる緊張感というものもそのバランス感覚を保つためのもののような気がして、とくにニュートラルな曲であろう5番あたりを聴くと、単品では充実したよい演奏だったと思うものの、マーラーに通底する奇怪な精神性のようなものは無かった、と感じてしまう。個人的な部分なので異論はあると思います。○。