湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ヴァレーズ:インテグラル

2005年02月23日 | アメリカ
バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル(NYP)1966/10/8LIVE・CD

どこがインテグラルなんだか。騒々しい打楽器主義・バーバリズムで知られるヴァレーズの代表作のひとつである。ストラヴィンスキーがアメリカの作曲家のもので唯一認めて好きだったと言われるヴァレーズの音楽(ヴァレーズはアメリカ出身じゃないが)、リズムの複雑さ、音響の派手だが硬質なところ、あるていど計算ずくのプロ受けする書法、余計な楽器を入れない理知的で斬新な感性、そしてジャズ風味がストラヴィンスキーの興味を惹かないわけがない。凄い作家というのではなく、ストラヴィンスキーと相性があったというだけだ。そして、インテグラルでもハルサイを彷彿とさせる呪術的主題がちらりと顔を出したりして、この作家の逆に受けた影響も指摘できる。この曲のごちゃまぜスタイルはエシュパイなどに引き継がれるわけだが、エシュパイが娯楽性と洗練性をもって大衆受けする形に磨き上げたのに対して、こちらヴァレーズは剥き出しの暴力性を決して減衰させることなくこれでもかと打ち付けてくる。疲れる。正直バンスタの演奏でも厳しかった。耳痛い。面白くない。むしろ昔聴いたクラフトの演奏のほうが透明感があり見通しがよかった気がする。無印。
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