湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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プロコフィエフ:交響曲第1番

2005年02月23日 | プロコフィエフ
○チェリビダッケ指揮ミュンヒェン・フィル(EMI)1988/3/26live・CD

手垢のついた曲にびっくりするほど新しい解釈をあたえるのがチェリの音楽だ。この演奏はひょっとすると既出かもしれないがこの高音質で聞けるというのはまったく驚きだし、チェリの真価を知るには絶対的な価値を持つと言っていい。確かチェリは戦後ベルリン・フィルとこの曲を録音していたと思うが、全然違うものである。重厚壮大な「古典」はしかし決してドイツ式の重苦しさはない。驚嘆すべき構築性を備えた斬新な作品であることに改めて気付かされるし、その構造の面白さが音楽の面白さと結びついて、大交響曲のフィナーレのような最後まで耳を惹きつけて離さない。20分に及ぼうという演奏時間も物凄いが、古典の演奏としては余りに特異であり決して万人受けしないと思うものの、推薦する気持ちを抑えられない。この曲を聞き飽きた人にこそ聞いて欲しい、興味深い演奏です。雪崩れ込むような感興はないけれども、凄く大きなものを聞いた、という感慨がゆっくり湧いてくる、そんな感じでブラヴォーも後から叫ばれる。○。
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