湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆アイヴズ:交響曲第4番~Ⅲ、Ⅳ、Ⅰリハーサル

2018年01月14日 | アイヴズ
○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1970/11/14リンカーンセンター放送live

リハではあるが最晩年の非常に緩慢なテンポの上に展開される拡散的な世界が垣間見られる演奏。3楽章の途中からリハは始まる。このリハでは3、4楽章通してストコフスキがいかに弦楽器の表現、とくに高弦のアーティキュレーションに細心を払っていたかがわかる。ストコの弦楽アンサンブルはとにかく、どんな曲でも美しい。3楽章は初期の弦楽四重奏曲を原型とした弦楽アンサンブルが主体ゆえ、旧来のロマン的な音楽を表現するように、基本的にはゆっくり美しく、アタックは強め、といった感じで普通のリハである。4楽章はアイヴズが得意とした、長大なクレッシェンドと収束のディミヌエンドだけで成り立っている音楽だが、初演盤に聴かれるのと同様、音量的な変化がそれほど聞き取れないものになっている。そのせいかストコは音量指示をかなり多く出しており、カオス的な音の奔流の中に変化をつけようとしているが、基本的にかなり慣れた様子もあり、リハゆえ大人しくなってしまっている可能性もあるが、基本解釈は初演から余り変わっていないのだなあと思わせるところもある。部分を除いて音は比較的良好なので、後半執拗に繰り返される結部でのヴァイオリンソロの下降音形(ソロではなく合奏?)がそれまでの流れの延長上で非常にゆっくりレガートで表現するように指示されていることがわかる。アイヴズの弦楽器の書法が、ここまできちんと美しく表現しようと努力されないと効果的に響かないようにできているのか、とも思った(盤や演奏によっては弦にまったくやる気のないものもままある、そうなるとどうも締まらない)。緩慢なインテンポで音量変化(音質変化)も結局それほど感じられないのが気になったが、実演では違うのかもしれない。最後に1楽章の合唱を少し齧って終わる。○。

※2008-01-10 21:43:50の記事です

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