○ストコフスキ指揮フィラデルフィア管弦楽団(SCC:CD-R)1962/3/16live
ストコフスキにこの曲は珍しいか。さまざまな解釈のなされてきた詩的な交響曲だが、ストコフスキ・フィラデルフィアらしい拡散的な響きの中にも終楽章冒頭の重くねっとりした伸縮する弦楽合奏に象徴される、ロマンチシズムとダイナミズムの独特のバランス感覚に支えられた演奏。きほんは主旋律を追うような線的な演奏ではあるものの、迫力を出すためにブラスを強く弦楽器は雄渾にハーモニーの重心を低く、厚みがあるので聞き応えがある。小虫がうごめくような細かい動きこそ雑でまとまらない感があるが、前期交響曲のフォーマットに沿うような劇的なメリハリがつけられているので気にはならない。かといってありがちな、楽曲を単純化した即物的演奏よりも多彩な仕掛けを一応漏らさず奏でているので面白い。悪い録音ではあるがそれでもスケール感が伝わってくるストコフスキらしい演奏。○。
ストコフスキにこの曲は珍しいか。さまざまな解釈のなされてきた詩的な交響曲だが、ストコフスキ・フィラデルフィアらしい拡散的な響きの中にも終楽章冒頭の重くねっとりした伸縮する弦楽合奏に象徴される、ロマンチシズムとダイナミズムの独特のバランス感覚に支えられた演奏。きほんは主旋律を追うような線的な演奏ではあるものの、迫力を出すためにブラスを強く弦楽器は雄渾にハーモニーの重心を低く、厚みがあるので聞き応えがある。小虫がうごめくような細かい動きこそ雑でまとまらない感があるが、前期交響曲のフォーマットに沿うような劇的なメリハリがつけられているので気にはならない。かといってありがちな、楽曲を単純化した即物的演奏よりも多彩な仕掛けを一応漏らさず奏でているので面白い。悪い録音ではあるがそれでもスケール感が伝わってくるストコフスキらしい演奏。○。