湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

シベリウス:交響曲第1番

2018年07月18日 | シベリウス
○バルビローリ指揮ヘルシンキ・フィル(SLS)1965/9/13ロイヤルフェスティヴァルホールlive

inta grioからヴァイオリン協奏曲と7番は出ていたが(データ記載は不明瞭だが同じだろう)同時に演奏されたこれは初出か。モノラルで録音が悪くノイズが気になるが内容は良い。オケは不安をかんじさせるのはパワーがもっと欲しい最初のほうだけで、技巧的にも、雄渾なスタイルでドライヴしていくバルビの特訓の成果的にも素晴らしく結果を出している。圧倒される音表現、細部まで解釈され尽くしたさまを弛緩なく明確に、弦の細かい動きにすらミスの一つもあらわさず、これはバルビがニューヨーク時代に残した秘蔵音源と言っても通用するくらいの一流ぶりだ。凡百の指揮者がギクシャクさせるであろうメロディの揺れ、音圧の強弱の激しさを、バルビはまるでそう書かれているからやっただけ、とばかりにあまりに自然に描く。刻々の気まぐれでやっているのでは決してない。このオケのまさに北方的な熱を帯びない色のない音がロマンの生臭さを払拭しているのも大きい。その音だからの音響バランスのすこぶる良いところは四楽章で認識できる。ドラマティックなほうのバルビローリであり、同時期の様々なスタジオ録音のような客観性は無い。客席反応は良いようだがよく聞き取れない。
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 | TOP | ウェーベルン:5つの楽章op.5 »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | シベリウス