湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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2019/12/5日誌:昼の徘徊・ザ・東京温泉ウォーキンズ18(綱島温泉:日吉駅→金蔵寺→日吉湯→鶴見川→ラジウム泉採掘碑→太平館→大倉山駅)追記

2020年02月17日 | 東京温泉

綱島温泉が非常に心細い状態にあると。一度も行ったことがないので、万一に備えて残る湯をまわることにした。さすがにこうも連日の東京温泉めぐりで風邪をひきそうだが、まだ興味を惹かれる黒湯がある限り腰を上げる所存です。




出発は日吉駅。南口。


慶応ね。







金蔵寺






















偶然通りかかり驚く、二十年余りぶりの日吉の大寺。道も宅地開発も山林混じりのイメージの風景をかなり変えている。ここだけ山寺風情。堂宇に紅葉と夕景が似合う。


日吉の名の由来、日吉山王権現






































なぜパンダ















昔は知られざるサイケ寺をみつけたと喜んだ、各パーツを覆う東照宮ふうの彩色もいい具合に落ち着いている。

今日は時間がないので急いで回ったが、古風な門や鐘楼(徳川2代ゆかりの鐘、これをめあてに来た覚えがある)や本堂の堂々とした構えと、付加された彩色構造のギャップはやはり楽しい。左脇の弁天堂がサイケの中心となり、ミニ舞台のように上がることができるが、そのまま裏山の、おそらく「やぐら」転用の石仏窟群へ上がれる。昔は上まで行ったが今日はこのまま引き返す。中世の青石板碑もある。六地蔵の豪華な彩色堂も良い。今でもおすすめ。

先へ。






日吉湯












二階に上がるとあるスーパー銭湯。かなり平面積の大きいマンション銭湯で共有座敷スペースもベンチスペースもすべて同じフロアにある。

天然温泉は透明度50センチ以上、少しヌルヌル(褐色透明)。バブルが噴出していないエリアには泡や灰汁のようなものは漂わない。すっきりして他の東京温泉と同じ薄目の黒湯のように見える。綱島温泉郷のイメージとは少しずれるが、もともと綱島温泉郷は大正位からの開発で拡がったもので、温泉そのもの以上に東京近郊歓楽街、花街の側面が強く(多摩川園も大正時代はリゾートとして温泉と冠されていた、東急東横線の両駅は娯楽施設先行だった)、ラジウムの名も近年ほぼ閉じた東京園などの掲げた古い調査によるもののようだ。綱島のラジウムは赤い化石水(古代閉じ込められた海水に地底岩盤から染み出した)だったが、今は普通の黒湯と思われる(こちらは分析結果を掲示してある)。味はある模様(黒湯は見た目に現れない部分として塩分含有するかしないかで効用が大きく異なる。東京に限らず黒湯に湯水以外のものを混ぜて効能を加えることもある)。

全体と比べれば黒湯風呂はやや狭い。その他内湯は白湯か水だがバリエーション多く広い。でも何と言っても空が大きく見える露天風呂(白湯)が最高!晴れた日の昼間に是非 白い雲が流れる空を眺めてカラー照明の埋められたジャグジーを楽しめる。夜より昼の方がよさげだが、別にそうでなくても早い時間なのにわりと混んでる(滞在時間短い)。地元だけではなさげ。後で知ったが男女入れ替えのようで、でも露天風呂の無いときは来たことがない。。じゃばらジュースを飲む。シークワーサー(ひらみれもん)に似てますね。








ここからは数値以上に遠く感じました。

















夜は距離を感じる。いい道だがもともとこのへんはオケラが鳴き池沼が点在した田舎で、今も綱島市民の森が黒く迫り元旧家の屋敷、溜池が深々と口をあけ、開いているのか閉じているのかわからない小堂があるなど、川崎の市街地よりも山を感じさせる(横浜市)。ただ細い道も車通りが激しいのはちょっといただけない。まるで茨城の田舎道である(茨城の人ごめんなさい)。交通の便を考えると仕方ないのだが。














そのうち綱島の幹線に入りまだ歓楽街の頃の雰囲気を残す大構えの店や建物がえんえんと続く。建物はともかく当時からある店はもうあまりなさそうだ。東横線をくぐり鶴見川に行きつき、すっかり闇の中人と自転車がわんさと通る。渡ると綱島温泉のラジウム泉採掘記念碑が移築されている(昭和初め)。




ここから線路と並行して走るまっすぐの道、これも行くうちに商店街の様相を呈してくる。大曽根商店街だ。途中鉄塔を左に見ていくと古い風情がある。












遠いように感じるが、これは大倉山からだと造作ない距離だ。やがて唐突に左に現れる。温泉本の表紙を飾ることもある太平館である。

太平館(共立湯)












とにかく迫力のある日本の銭湯で、門前は狭いが、中は広々している。門前店?に囲まれ銭湯本体の建物がよく見えないのだが、横に回ってみると結構敷地も広くて煙突の場所からかなり大きなことがわかる。

夏は涼むのに良さそうな風情ある木造脱衣場、番台のご主人と地元の人の交流、いたわりあい、浴場には定番の富士山が女湯とつながり巨大にそびえる。

黒湯は東京温泉の白眉だろう。こんなところに温泉郷だったころから受け継がれる大浴槽がなみなみと黒湯をたたえている。このときで透明度2センチ以下(すごい広い方の浴槽)、狭い方でも3センチくらい(後日3時半の開始直後に来たら4センチ均一で黒湯特有の石鹸のような泡が)。多分後者がヌル湯だが、空いてるせいか熱さは同じ。※深さが違うとのこと。狭いほうが深い。

こんなに濃くて広々とした黒湯の浴槽は初だ。地下81メートルからの湧出というのはかなり浅い。銭湯の神様もいる。白湯ゾーンは狭くジェットバブル2基がある。

黒湯はタイル床を豪快に茶色に染め、飛沫を食らったタオルも茶色くなる。これはすごい。少しヌルヌル、バブルないところがざらざらしている(タイル底)。砂の匂い?これは嗅いだことがない。身体の温まり方は黒湯の温まり方で、数時間持続した。

宮造りの大きな古い銭湯、黒湯色に磨かれた年季の入った木造、これが本来の伝統文化としての銭湯だ。残すべき。空きすぎ(時間のせいか)。綱島温泉これにあり、というもので、かつては同じような温泉が綱島や大倉山にあったんだなあと感慨をおぼえた。今は営業中天然温泉は本日の2軒含め4軒だと思う。










大倉山駅まではすぐ。おしまい。





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