湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆シベリウス:交響曲第7番

2017年06月30日 | シベリウス
○ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(DA:CD-R)1965/7/30LIVE

良好なステレオ。完全にロマンティックなシベリウスになってしまっているが、まるでクーセヴィツキーが蘇ったような迫力、力感で希有壮大にひたすら歌い、内声細部の難しいパセージやアンサンブルはとうぜんそんな方法ではがちゃがちゃ崩れたりもするわけだけれども、同傾向の曲であるRVW8番のときと似たような、どこか強くひきつけるもののある解釈の説得力が発揮されている。RVWよりはやりやすいというかオケにも要領がわかっているというか、ガラグリあたりに似ているというか、初期シベリウスとして聴けば感銘は受ける。没入のあまり最後近くの溜めで大きな力みを声に出しているミュンシュだが、盛り上がりのわりに聴衆は冷静な拍手ぶりにもかんじた。聞きごたえは保証。○。今思えばRVWもなかなかの力演で悪くはなかった、録音が悪かったんだなあ。

※2008/11/22の記事です

Comments (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ラヴェル:弦楽四重奏曲 | TOP | ☆サン・サーンス:アルジェリ... »
最新の画像もっと見る

2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (サンセバスチャン)
2008-11-25 13:38:29
シベリウス、エン・サガの録音がヘルシンキのライヴでありますが、トゥネラの白鳥なんか異様なうねりがあって聴かせました。
それにしてもライヴ録音は拍手も演奏の一つだと思いますね。
返信する
ライヴの真実を知っているのは立会い者のみ (管理人)
2008-11-25 14:03:55
>ライヴ録音は拍手も演奏の一つだと思いますね。

そう思います。結局、録音技術や再生操作によっていくらでも音って変えられるんですよね。慣れたリスナー相手でも違った印象を与えるように操作することなど現代なら簡単でしょう。だから拍手など聴衆の反応は、もちろん演奏会の背景や環境、聴衆構成も考慮しなければならないけれども、「その場に居合わせた者のみが知りえる真実」に対する率直な反応として、実に重要だと思うのです。

ストコやカラヤンが録音に凝ったのも(ともにすぐれた指揮者だとは思いますが)ライヴで聴衆に与えるものとは「違う」自分の完全統制下にある自分の音楽を残したいという別の目論見があり、特に前者は録音とライヴ記録ではかなり違ったものもあります。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | シベリウス