◎カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団(EMI)CD
旧いモノラル録音ゆえ迷ったが余りの美しさに◎をつけざるを得ない。この曲はどうやっても譜面通りに弾かせれば出来上がってしまうたぐいの名曲なだけに純粋に指揮者がオケをどれだけ磨き上げられたかで完成度が決まってしまう。カラヤンにフィルハーモニアの弦というだけで成功しないわけがないのだ。過度にロマンティックでも客観主義でもないところのバランスが素晴らしい。欠点は録音の弱さだけに尽きる。心掻きむしられるようなヴァイオリン強奏部のヴィブラート、カラヤン壮年期の力強いフレージングに感銘を受ける。強い個性や感情の爆発こそないものの細部まで行き届いた配慮にカラヤンがレッグの要請のまま振り散らかした雑曲の一つとは言い棄てられないものを感じる。発音の強さはトスカニーニふうではあるが音色はイギリスオケの柔らかな感傷を帯びて優しくあきらかに違う雰囲気を醸している。復刻CDの音は更に遠すぎる感じ。
旧いモノラル録音ゆえ迷ったが余りの美しさに◎をつけざるを得ない。この曲はどうやっても譜面通りに弾かせれば出来上がってしまうたぐいの名曲なだけに純粋に指揮者がオケをどれだけ磨き上げられたかで完成度が決まってしまう。カラヤンにフィルハーモニアの弦というだけで成功しないわけがないのだ。過度にロマンティックでも客観主義でもないところのバランスが素晴らしい。欠点は録音の弱さだけに尽きる。心掻きむしられるようなヴァイオリン強奏部のヴィブラート、カラヤン壮年期の力強いフレージングに感銘を受ける。強い個性や感情の爆発こそないものの細部まで行き届いた配慮にカラヤンがレッグの要請のまま振り散らかした雑曲の一つとは言い棄てられないものを感じる。発音の強さはトスカニーニふうではあるが音色はイギリスオケの柔らかな感傷を帯びて優しくあきらかに違う雰囲気を醸している。復刻CDの音は更に遠すぎる感じ。