湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ドビュッシー:古代のエピグラフ

2018年09月16日 | ドビュッシー
ゴールド&フィッツデール(P)(columbia/sony)1953/1・CD

前奏曲集を彷彿とさせる人好きしそうな神秘的な曲集なのにあまり聴かない。このコンビは全く危なげなく、やや強めに弾ききっているが残響が多いので冷えた幻想味がよくつたわる。後半強くなるスペイン風のメロディや、ゴリウォーグのケークウォークを思わせるリズムはオリエンタル(死語か)な情緒を醸すための装置で、それらを彩るハーモニーや動きは全てを石化させるように、蒼く輝いている。この異化作業を否定してミヨーやサティが(一時期)アイデンティティを確立したことを考えると、たしかにこのやり方は袋小路でマンネリになりそうではあるが、とにかくドビュッシーこそコレ、というそのもので、このコンビは過不足なくドビュッシーを提示することに成功している。これはマッチしている。
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