○ジュリーニ指揮フィルハーモニア管弦楽団(EMI)1956/9・CD
荒れ狂うというか、響きを締め上げ剛速球を飛ばしていく壮年期のジュリーニのまるでトスカニーニな芸風が往年の技巧派オケによって楽しめる録音。音はそれぞれ端正に整えられているが、スピードがまず速いのと、オケの集中力と力感が並じゃない。後年のジュリーニには求めるべくもない娯楽スポーツ的な速さであり、どちらかというとカンテルリに近い感じもあるが、もっとギチギチ締め上げてやっている。オケも必死だが巧い。ライヴに近いくらいの迫力の聴感はやはり同時期のカラヤン録音といいレッグの趣味に他ならないだろう。ステレオ初期にしても録音はかなりいいと思う。ドイツ系の演奏、イタリア系の演奏を想像したら裏切られる。これは国どうこうではなく、曲の本質としての祝祭的娯楽性をまじめに追及したものとして、「小ロシア」の古典的録音として価値が高い。ジュリーニのオケコントロールに拍手。◎に近い○(汗の飛び散る感じはなかった)。
荒れ狂うというか、響きを締め上げ剛速球を飛ばしていく壮年期のジュリーニのまるでトスカニーニな芸風が往年の技巧派オケによって楽しめる録音。音はそれぞれ端正に整えられているが、スピードがまず速いのと、オケの集中力と力感が並じゃない。後年のジュリーニには求めるべくもない娯楽スポーツ的な速さであり、どちらかというとカンテルリに近い感じもあるが、もっとギチギチ締め上げてやっている。オケも必死だが巧い。ライヴに近いくらいの迫力の聴感はやはり同時期のカラヤン録音といいレッグの趣味に他ならないだろう。ステレオ初期にしても録音はかなりいいと思う。ドイツ系の演奏、イタリア系の演奏を想像したら裏切られる。これは国どうこうではなく、曲の本質としての祝祭的娯楽性をまじめに追及したものとして、「小ロシア」の古典的録音として価値が高い。ジュリーニのオケコントロールに拍手。◎に近い○(汗の飛び散る感じはなかった)。