湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ルーセル:バッカスとアリアーヌ第二組曲

2006年06月12日 | フランス
◎ミュンシュ指揮フランス国立管弦楽団(LIVING STAGE/DISQUE MONTAGNE)1962/6/5LIVE・CD

LIVINGSTAGEの盤で評価。録音雑音が消された冷たいリマスタリング効果に異論ある人もいるかもしれないが、ルーセルにもっとも適性のあった指揮者の、これは最大の遺産といってもいい演奏の、最も音の良い記録と言っていいだろう。演奏の集中力、何より現代バレエ音楽としての強烈なリズム表現においてこの演奏の右に出る者はいない。耳をつんざくと思うくらいに激しく固い音は毅然として響き、この日の演目のどれよりも熱狂を呼んでいる(どれも呼んでいるのだが)。しばしばないがしろにされがちな(録音も含め)音響への配慮も、リマスタリングを経て明確に明瞭になった音楽からはいささかの陰りも聞こえないから(ルーセルはやや複雑でくぐもった響きを使うので(ドビュッシーと異なり)冷たい音に加工されると美質がより浮き立つ作家だが)、これは雑味の多い演奏を行うこの指揮者にとっても満足いく出来だったのではないか。ルーセルの決して晩年の作品でもないところ、特にワグナー的なくぐもったボリュームが残っている曲なだけに、その部分のスクリアビン張りの恍惚感も非常に面白い。ミュンシュの特質もうまく浮き立っている。◎。ディスク・モンターニュの再発まとめ盤でお得。
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