湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆グラズノフ:交響曲第8番

2017年09月13日 | グラズノフ
○朝比奈隆指揮新星日響(tobu他)1992/1/18live・CD

演奏当時自主制作盤として販売されていたものを東武トレーディングが発掘再発したものでうれしい値段である。朝比奈氏はアマチュアだらけのロシア国民楽派の中ではグラズノフを「ましなもの」程度と評価していたといい、中でもこの最後の8番に興味を持っていたようだ。それはマーラーの千人を演奏したころなどと一致し、世紀末音楽の流行という世間の雰囲気も後押ししてのものだったのかもしれない。2楽章の深層まで切り込みあまやかに歌う印象的な表現はショスタコーヴィチが唯一評価した曲だという伝説と一致する。1楽章冒頭からはしょうじき重くてダレた雰囲気が「国内オケだなあ・・・」という感じなのだが、2楽章が俄然、3楽章の軽妙なスケルツォは朝比奈式にはやや重いが、4楽章のはからずもグラズノフの最後の(正式な)交響曲楽章となった偉大な変奏曲において、重々しく格調高い表現を演じており秀逸だ。これは朝比奈世界だろう。この作曲家にはきちんとしたドイツ式の演奏記録というものが少なく、中でもここまで西欧的に振れた作品にもかかわらず演奏自体されないというのは残念であり、朝比奈氏が一回であってもやったというのは記録として価値がある。○。

※2011/11/18の記事です

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