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湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆サティ:パラード

2017年07月04日 | サティ
○マルケヴィッチ指揮NDR交響楽団(EMI)1960/2/15LIVE・CD

サティ天才!!ストラヴィンスキーはサティのオーケストレーションを無茶苦茶けなしたが、この極限まで削ぎ落とされた剥き出しの和音とリズムからなる骨の音楽はストラヴィンスキーの一連の小規模作品を思い浮かべずにはいられない。もっとも時代的にはほぼ同時期の作品であり、一方的にサティが新しいとも言えないのだが。序奏の静寂はもうそれだけでまったく清澄でかつ斬新な響きにより新しい次元を示している。マルケがバレエ指揮者としての技量を大いに発揮したといえる主部では騒々しいと言うには余りに音楽的な起伏が耳を飽きさせない。パラードの中心主題がやや冷静にすぎる気もするが、それよりこの半ばパロディな世俗的音楽が、演奏によってはここまで美質を引き出され、高貴な響きを産み出すことも可能なのだ、ということにはっとさせられる。変な冷静さがなければ◎をつけるに異論はないが、逆に冷静さがあるがゆえに(チェリビダッケの手法のように)この斬新な音楽の一つの本質を抉り出すことができたとも言えるし、そのあたりは好き好きかもしれない。とにかくパラードの印象をかなり変える可能性の有る演奏なので、この曲を知らない人が聞くと他が聞けなくなる危険性もある。○。モノラルだがかなりクリア。

※2005/2/23の記事です
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