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湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ(遺作)

2012年12月12日 | ラヴェル
◎ジェラール・プーレ(Vn)ノエル・リー(P)(ARION)CD

近現代作品を網羅的に録音したうちのフランスソナタ集。なんかの賞をとっていて(いーかげん)一時期国内でも1000円で投げ売りされるほど聴かれた?盤の、目玉トラックだ。このフランス派の名手二人の演奏に◎以外つけるわけにはいかない(ちなみに今はプレミア盤化しMP3配信でも1800円する)と思う私はプーレの自然に変化するヴィヴラートのかけかたに痺れ、リーは言うまでもなく安心して聴ける、新進気鋭やらビルトーゾやらという押し付けがましさのない純粋な美しさ、その上でこの珍品が聴けるのである。譜面持ってるような持ってないような気がするが「え、こんな新しい曲が初期の習作だって?!」という曲で、初期ドビュッシーを遥かに越える技巧的な新しさを提示している。フォーレを吸い付くし独自の先鋭な書法を確立しつつある、ただやや長すぎる。そのためディーリアスの習作ソナタに近いロマンチックさが出てしまっている(共に単一楽章)。何故か陳腐な和声に走ったり。。でもこれだけは言える。習作と言うには惜しい。個人的にはこれに比べれば併録のピエルネなんて屑。演奏はこれしかいらない。
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ラヴェル:弦楽四重奏曲

2012年12月12日 | ラヴェル
○ロンドン四重奏団(M&A)1950/1/27live・CD

かなりの熱演なのだが1楽章がだめだ。最初からスピードが速すぎて、個人はおろか全部がずれるというアンサンブルミスまで聴かれる。個性のない団体だからそういうところがすごく気になる。
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ラヴェル:序奏とアレグロ

2012年12月03日 | ラヴェル
○ベルクハウト(Hrp)ムジカ・ダ・カメラ(decca)LP

とにかくハープが素晴らしい。ニュアンスに富みアーティキュレーション付けがじつに細かく、音は細すぎも太すぎもせずしっかりしているが押しつけがましさは無く、それは楽団も一緒でニュートラルという悪い印象を与えるコトバを使いたくは無いのだが、いい意味でのニュートラルさがある。フランス往年の楽団がソリストに艶めかしい表現をさせたりひっくり返ったような「色彩的」な表現をとっていた、そういうものとは違うけれども、近現代の団体の透明で精緻な演奏ともぜんぜん違う。○。
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ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

2012年12月02日 | ラヴェル
アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団(DECCA)CD

この王女たぶん死んでない。
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ラヴェル:クープランの墓

2012年11月18日 | ラヴェル
◎ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(WHRA)1953/10/17LIVE・CD

上手い!細かい動きが多いピアノ曲編曲作品にあってなかなかぴしっと合った演奏はすくないのだが、木管ソリストたちの上手さのみならず弦楽セクションの明晰なアンサンブル、水際立った表現の素晴らしさ、そこにしっかり板に付いたミュンシュらしい推進力、力強さ、リズム感が加わり、緩急の場面の描き分けもエキセントリックなまでに明瞭で、完成度の高さに感動すら覚える。テンポはやや性急かもしれないがフランス的な名演だ。
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ラヴェル:スペイン狂詩曲

2012年11月08日 | ラヴェル
○マデルナ指揮フランス国立管弦楽団(arkadia)1971/3/9live・CD

重ったるくドイツ的ですらある始まり方をするがマデルナらしい歌謡性がすぐに浮き立ってきてラテンの香りがふんぷんとしてくる。面白い。ラヴェルはそれではいけないとは思うが実に個性的で、のせてくれる。響きは厚く充実しておりオケの持ち味と相乗効果でなかなかに飽きさせない。ただ一人おおきくブラヴォを叫ぶ他は異様な雰囲気の客席にまたほくそ笑んでしまう。いい演奏だ。
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ラヴェル:序奏とアレグロ(管弦楽編)

2012年10月29日 | ラヴェル
○セル指揮クリーヴランド管弦楽団(DA:CD-R)1963/10/3live

このハーピストは誰だろう、力強く確かな発音で管弦楽とわたりあっている。素晴らしい。録音状態こそやや悪いもののステレオでしっかり音楽として聴ける。管弦楽編曲でやると不格好な音楽、とくに弦楽器が分厚く奇妙に響くことが多いのだが、セルはさすが抑制的にバランスを取って楽曲を成立させている。溌剌と流れ良く、透明感がある。だがやはりここはハーピストの素晴らしさに尽きる。○。
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ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲

2012年10月25日 | ラヴェル
○アンダ(P)ロスバウト指揮バーデンバーデン南西ドイツ放送交響楽団(hanssler)1952/3/15放送用セッション・CD

ミスタッチが目立ち響きには重みがなく、にも関わらず魅力的なのはケレン味溢れ尚乱れぬテンポ取り、細かいニュアンスの美しさ、清潔で透明な音に尽きるだろう。若きアンダのマスターピースではないが特徴的な演奏である。スピードが無いにもかかわらずダレないのは、これはバックオケの影響かもしれないがフォルムがしっかりしており、そのうえで正確なリズムにのっとった発音が極めて明瞭なためだろう。録音のせいかオケが引っ込み過ぎであり、ブラスなどもっと前に出て欲しい。ロスバウトの職人性が裏目か。アンサンブルは完璧。録音状態はよい。モノラル。○。
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ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」抜粋

2012年08月19日 | ラヴェル
○サバータ指揮聖チェチリア音楽院管弦楽団(SCO)1945/6/15live・CD

NYPとのライブが唯一のものだったのでこれはサバータの新発掘音源と言える。ただ、NYP盤同様音が悪すぎる。40年代なので仕方ないのだがノイジーで雑然としている。演奏はラヴェルが好んだ演奏家だけあって素晴らしく揺り動かされるものがあり、オケもNYPより曲にあっている。○。
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ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

2012年08月10日 | ラヴェル
トゥーシュ指揮コンセール・トゥーシュ管弦楽団(pathe/hindenburg:CD-R)1919

古い録音というものはまず酷いノイズ、これは避けて通れないし、分離の悪さ、音の埋没、これも仕方ない。そこを想像力で埋めるしかないとなるとかなり主観的な印象しか書けなくなる。トゥーシュは比較的無個性な感じがする指揮者で、コッポラがのちにやったような直線的で速い演奏に似ている。盤の収録時間の制約の問題もあるのかもしれない。この演奏は悪くは無いが、印象には残りづらい。
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ラヴェル:弦楽四重奏曲

2012年07月30日 | ラヴェル
○ルーマニア放送四重奏団(ardmore:CD-R/electrecord)1950年代後半・LP

すっきりしたラヴェルだ。まだ初期の扇情的な部分の残っている作品だが、デフォルメがなく、音も綺麗。ニュートラルという言い方にはネガティブな意味が含まれるような気もするのでそうは言わない。前時代的なロマンティックな面白みは無いが同じく前時代的な即物主義の感じも無い、万人が納得できる演奏だろう。○。
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ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲

2012年03月21日 | ラヴェル
アース(P)ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(tahra)1960/11/11live・CD

これはいただけない。ソリストにもオケにもミスが頻発し、その原因は異常な遅さにあると思われる。第一部ではペットソロが派手に先走るところをはじめとして、ソリストのたどたどしいテンポ取りなど信じられないような演奏ぶりが展開される。ミュンシュはかつてはラヴェル振りとしてならした指揮者であるしアースも極めて著名なラヴェル弾きだが、これは重なる演奏会で疲労が出たとか何か事件があったとかそういったことを思わせるほどにひどい。第二部ではまともなテンポになるが決して速くは無く、これでもアースはテンポ取りに苦労している。もっと速ければ指が回ったろう。さすがにカデンツでは堂々たる演奏を披露してくれるし、終演後の拍手も盛大だが、この妙に重くてぼろぼろな演奏は、単独復刻に値したのかどうかtahraに問いたい。無印。
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ラヴェル:ボレロ

2012年03月19日 | ラヴェル
○チェリビダッケ指揮デンマーク放送交響楽団(放送)1971live

確かCDで出ていたと思われるが最近webで出回っている映像。まだ精力的に棒を振り回し長い髪の先から汗を飛び散らかして音楽をドライブしていく若きチェリの勇姿が見られる。神経質に細かい指示を与えていく晩年のスタイルの萌芽はみえるがまだまだフルベンスタイルに近いと言えるだろう。ソリストのピッチがあわず、一部珍妙な歌い回しを厳密なリズムの中に押し込んでいく者もいて面白い。イタリアオケを振っていた頃を思い出させる。過渡期の演奏ではあるがわりと満足げな表情で終わるところをみるとそれなりに納得はいっていたのだろう。○。
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ラヴェル:マ・メール・ロア組曲

2012年03月04日 | ラヴェル
○シェルヒェン指揮RIAS交響楽団(TAHRA)1949/1/31・CD

思えばこのレーベルはシェルヘン財団ないし娘さんからの蔵出し音源を抱え折しもシェルへン再評価の波に乗って鳴り物入りで登場したのであった。しかし中堅指揮者の秘蔵音源などそう沢山あるものではなく、ここ十年は様々な音源発掘に奔走した揚句廉価再発や端物抱き合わせ商法、リマスタリング商法に手を出して群小レーベルに成り下がった感は否めない。ここにきてこの二枚組発売は朗報と言わずして何と言おうか。端物詰め合わせではある。しかし曲がいい。聴いたことのないような曲、シェルヒェンがやることに意味がある曲、そしてこのマ・メール・ロアと二枚目収録の遊戯という、シェルヒェンの隠れた得意分野フランス近代のド名曲二曲の演奏発掘である。

オケに難があるがいかにもシェルヒェンの演奏だ。隈取りが濃くはっきりした表現は幻想を排してなお曲のリリシズムを強く打ち出したものだ。終曲の妖精の園、これはシェルヒェンそのもの、強引なアゴーギグ、心を鷲づかみにして直に揺さぶるようなテンポ設定、これに比べればストコやスベトラなど生易しい。久しぶりにこんな特徴的な演奏を聴いた。シェルヒェンファンならぜひ。木管がたどたどしいのには目をつぶろう。録音復刻もわりとよい。○。
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ラヴェル:ラ・ヴァルス

2012年03月01日 | ラヴェル
○カンテルリ指揮NBC交響楽団(?)1949/2/5放送live

この音源、どこから持ってきたのか忘れてしまったのでデータ不備ごめんなさい。フランクの交響曲のアンコールとして組まれたもので、トスカニーニに招かれてのNBC交響楽団ファーストシーズンの記録になる。ノイズが酷くおすすめできる代物ではないが、直線的な中にもアゴーギグをきかせた表現の瑞々しさはトスカニーニそのものを思わせる。カンテルリは意外と音源があるので比較してどうこうというのは全てをちゃんと聴き直さないかぎり難しいが、これは腕のある指揮者のものであることは確かなもののトスカニーニの影響を脱していない(オケの性向がそうなのかもしれない)というくらいのことは言えるか。まあオケはうまいです。ちょっと鄙びた音もするけれど。○。
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