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湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

アルベニス:組曲イベリアより四つの印象(アルボス管弦楽編)

2012年12月27日 | その他ラテン諸国
○アルボス指揮マドリード交響楽団(columbia,verso)1928・CD

CDは終曲のみ復刻状態が違い不可解。極端にノイズリダクションをかけたのか、そもそも音源がSPではないのか???ノイズが無い分ちんまりしている。また全曲ではなく3曲のみ復刻した音源がduttonより出ており、録音時期がバラバラである可能性もある。さて、編曲者による演奏は曲にもよるがリズム、歌い方に独特の癖があり、スペイン情緒を盛り上げる。CDは残響過多でかつ高音のノイズを除去しているせいか細部の聞き取りづらい音だが、そこを通して聴こえてくるのは民族的かつ「レトロな」音楽。解釈としてはそういう細部にこだわらなければ落ち着いたもので、スタイルとしても音楽の前進性に引きずられ前に流れていくこともなく、しかしそれなりに力強い。いかんせん音がイマイチなので細かくはよくわからないというのが正直なところだ。○。
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アルベニス:ナヴァーラ(アルボス管弦楽編)

2012年12月26日 | その他ラテン諸国
○ロジンスキ指揮ロイヤル・フィル(discover)CD

元はwestminster録音か。ロジンスキらしい力感が最初から音楽を強く引っ張り、ステレオの良好な録音とあいまって楽しく、またアルベニス・アルボス両者の作曲・編曲技術の巧みさに目を見張る。◎にしてもいいくらい。ガストン・プーレのイベリアとのカップリングだがこれもよい。
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アルベニス:ナヴァーラ(アルボス管弦楽編)

2012年12月26日 | その他ラテン諸国
○アルボス指揮マドリード交響楽団(columbia/verso/dutton)1928・CD

CDは残響過多で実体が見えにくいが、ぐいぐい引っ張っていくというより徐々に大きく盛り上がりを作っていく編曲者アルボスの指揮者としての力量が垣間見える演奏となっている。オケもローカリズムに陥ることなく、あくまで民族音楽ではなくクラシカルな音楽としてきっちりやっているように聴こえる。巧い。
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カゼッラ:シチリアーナとブルレスカ

2012年12月12日 | その他ラテン諸国
○作曲家(P)ポルトロニエリ(Vn)ボヌッチ(Vc)(columbia)1931・SP

これはCDになっていたのではないか?達者な三名、とくにピアニストとしても活躍したカゼッラの洒脱な表現ににやりとさせられる。ちょっとジャズっぽいというかモダンさも前衛まではいかない聴き易さのあるシチリアーナがおすすめ。いい曲、いい演奏。webで聴ける。カゼッラは二つほど協奏曲も一部録音している。そちらでもイタリア往年の名手ポルトロニエリの華麗な音も聴けるのが嬉しい。
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ニーノ・ロータ:愛のカンツォーネに由来するシンフォニア(交響曲第4番)

2012年11月28日 | その他ラテン諸国
○児玉宏指揮大阪交響楽団(KING)2011/3/17日本初演live・CD

言葉が見つからない。名映画音楽作家は純音楽に向かないという見本のような凡曲である。一楽章からしてイタリアどころかロシア国民楽派だ。オーケストレーションも和声も平凡で、100年遡っている。高音打楽器やリズム、甘ったるい旋律(自作映画音楽の引用だ)の一部にはイタリア的なものは認められるが、ロシア国民楽派が中欧古典から周辺国それ以外のオリエンタルな素材まで取り込んだ貪欲さの範疇に余裕でおさまる程度の冒険である。タネーエフとカップリングされたのは道理に適ったことだ。二楽章以降のほうがまだましで、名作映画「山猫」から素材が取られているからと言えば身も蓋も無いが、じじつその通り魅力が増し、三楽章など浮き立つように楽しい(オケが非常にうまい)。いや、それでもとてもストラヴィンスキーと親交があったとは思えない半端な作風、交響曲としてできのいい代物ではないが、指揮者とオケに○ひとつつけておく。よくやる気になったものだ。
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スカルコッタス:弦楽のための小組曲

2012年10月07日 | その他ラテン諸国
○ルーカス・フォス指揮ジンブラー・シンフォニエッタ(TURNABOUT/UNICORN)LP

ギリシャの前衛作曲家スカルコッタスの小品だが、バルトークを薄めて抽象度を高めたような曲で好きな人は好きだろう。演奏は気合いが入っている。
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ファリャ:バレエ音楽「恋は魔術師」

2012年09月11日 | その他ラテン諸国
○ストコフスキ指揮レニングラード・フィル、アルヒポーワ(msp)(venezia)live・CD

なかなかの凄演。ストコのロシア公演は外しが無いが、レニフィルの技術と迫力が存分に引き出され、またストコ特有の拡散的な響きがここでは目立たず、求心的で聴きごたえのある音楽に仕上がっている。歌唱も迫力があり、チェロソロもよいが、ヴァイオリンソロは少し音程があやふや。これもまたロシアか。録音が悪いので○。
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ファリャ:「三角帽子」第二組曲

2012年08月10日 | その他ラテン諸国
○マルケヴィッチ指揮ORTF(eternities:CD-R)1958/9/25

オケのせいもあってやや壮麗すぎた感もあるがマルケ的な三角帽子。音色に艶がすくなくラテンの雰囲気は余り無いが、ORTFがその技術力を発揮して(じつはいらないのかもしれないけれど)精度のある演奏を繰り広げる。私は余り惹かれなかったが、○はつけていいだろう。
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ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」第二組曲

2012年07月25日 | その他ラテン諸国
○マルケヴィッチ指揮聖チェチリア音楽院交響楽団(eternities:CD-R)1952/5/29live

冒頭からいきなりなし崩しのバラバラでがっくりするが、音の雰囲気はよくイタリアオケのいい部分が次第に出てくる。主題が再現されるころにはしっかりアンサンブルになっている。それほどテンポは上がらないが二楽章のリズムの切れもいいかんじだ。ねっとりした三楽章も壮麗な広がりを見せていて、高弦や管楽ソロにはやや稚拙さを感じさせるところもあるが、後半は派手な盛り上がりが出来る。モノラルだがカラフルで、トスカニーニを思わせる勢いが楽しい。とにかく技術的にはかなり問題はあるが、楽しめてしまったので○。客席反応はいい。
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レスピーギ:ローマの噴水

2012年07月10日 | その他ラテン諸国
○バルビローリ指揮NYP(artone他)1939/2/21・CD

バルビの噴水はデータが混乱しているが一録音しかないのでご注意。artoneなど近年の復刻は物凄くリマスタリングされていてノイズがカットされ音は人工的に整形されてほとんど最近の録音のような印象を受けるが、バルビに人工的な音は合わないのでそこをどう捉えるかは一つ問題としてあるだろう。だが鑑賞に堪えうる音としてこういうやり方はありだろう。実際リマスター音源だと瑞々しく溌剌とした壮年期バルビの芸風がいちだんと引き立って聴こえ、ノイズ塗れの音では味わえないレスピーギ的な絢爛豪華さをちゃんと認識できる。オケの技巧もしっかりしていることがわかるし、バルビは決してグズグズにする指揮者じゃなかったことが再認識できる。いろんなレーベルから出ているSP音源だが、敬遠せずこってりリマスタリングされた盤も試していただきたい。あっという間に聞き終えた。○。
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ヴィラ・ロボス:ハープ五重奏曲

2012年03月28日 | その他ラテン諸国
○リノス・ハープ五重奏団(X5 Music Group)2009・CD

ミヨーふうの軽い曲でチェロを中心に響きを作るところなどヴィラロボらしい書き方だなあと思った。とても耳心地がよく、演奏も典雅でやさしい。ヴィラロボの尖鋭な部分が無いので万人にすすめられる小品。○。
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レスピーギ:ローマの松~Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ

2012年02月20日 | その他ラテン諸国
○クラウス指揮VPO(M&A他)1942/8/27ザルツブルク音楽祭live・CD

アッピア街道の松が欠損しているという信じられない状態ではあるのだが、シャンデリアを揺らすような一楽章の冒頭よりゴージャスな(やや違和感もあり)響きの音楽が展開されてゆく。重いテンポで噛み締めるように進むのと、ソロ楽器の音にどうにもラテンの風は吹かないものの、ジャニコロの松はとても美しい。いかにも往年のウィーン・フィルの演奏であり、こってりねっとりと、でもあくまで明るく透明で、壮麗壮大であり、クラウスの腕が光る。いやこの指揮者は近現代に向いていたと思うのだが録音は少ない。ドイツ語によるフィガロの録音のおまけ。ファリャも収録されている。録音状態も環境雑音もひどい。melodiyaのLPに収録されている音源と同一と思われる。
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レスピーギ:リュートのための古い歌と舞曲弟3集~アリア他

2012年01月18日 | その他ラテン諸国
○バルビローリ指揮NYP(DOCUMENTS,artone)1938/2/7・CD

まったくバルビ向きの曲で、パーセルとかRVWの室内合奏とかやっている感じで軽く、僅か感傷的に聴くことができる。編成をしぼっているのかNYPにしては統制もとてもよく行き届き、壮年期の溌剌とした演奏振りは才気煥発といったふうだ。チェロパートソロのフレージングなど後年のどろどろしたうねりは無いものの、さすがチェリストという特有の巧みさを感じさせる。これは私はCD復刻を見たおぼえはないのだが、ひょっとすると協会盤(DUTTON)で復刻されていたかもしれない。
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レスピーギ:ローマの松

2011年12月27日 | その他ラテン諸国
○シュヒター指揮NHK交響楽団(king,NHK)1959/11/8放送・CD

完璧主義者として知られたシュヒターの記録である。私は「日本だから」というようなレッテルをプラスにせよマイナスにせよ貼りつけて評価するのがキライで、これはシュヒターの松であること、たまたま日本の楽団であること、という前提で聴くわけだが、なかなかによく鍛え上げられた演奏、という印象に尽きる。シュヒターの燻し銀の演奏は時にロマンティックな方向にも振れ、そこがチャイコなどでは魅力になるわけだが、ここでもヴィブラートすらかけさせないような(まドイツ式といえばそれまでだけどソリストの「棒吹き」「棒弾き」はちょっと気を削ぐ)厳しい統制があるからこそ、リリカルで透明感漂うセンスに富んだ演奏がなしえているわけである。とくに聴き所は3楽章であろう。逆に、もっと破壊的に、突進する迫力が欲しかったのは4楽章だ。数々の即興的名演が産まれている「アッピア街道」だけに、相対的には「普通」という感じ。シュヒターらしい中庸さと言うこともできるだろう。オケは決してドイツ的な雰囲気が濃いわけではない。ただ、記譜外での音色変化に乏しく、無個性な感が否めない。解釈のせいでもあろう。総じて○。
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レスピーギ:ローマの祭り

2011年11月17日 | その他ラテン諸国
○トスカニーニ指揮NBC交響楽団(RCA他)1949/12/12・CD

初演者による演奏というのは言わずもがな、主顕祭の瑞々しい表現といったら。トスカニーニの悪い録音からは伝わらない色彩性がぴしぴしと伝わってくる。ただこの録音、モノラルではありけっして万全なものではない。ただ主顕祭。弦の艶やかさ。この音楽の強さと美しさがトスカニーニNBCの「音が悪い」「篭る」という印象を覆してくれた。それだけである。今の復刻でもかなり音は改善されているというが、それほど原音から手を加えなくてもここまでリムスキー的派手さを再現できるというのは価値がある。○。原盤によってもかなり改善されるようで、そこも確認したうえで購入されるべし。
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