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湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

グリンカ:ルスランとリュドミラ序曲

2007年08月15日 | ロシア・ソヴィエト
○テンシュテット指揮ミネアポリス管弦楽団(MO)1981/1/16LIVE・CD

緊張感の漲るしっかりした演奏で、いささか現代ふうの前に流れない客観性が気にはなるが、おおむねスタンダードに聴ける無難な演奏に仕上がっている。ミネアポリス管弦楽団の自主制作ボックスより。
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リャードフ:交響詩「魔法にかけられた湖」

2007年06月27日 | ロシア・ソヴィエト
○バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(Guild)1953/12/23・CD

ロシア国民楽派の前衛を張った隠れた立役者であるリャードフの、とくに驚異的な曲で和声的にもディーリアスらの現代的なひびきを先取りしている。そしてバルビはなかなか巧くその音響とハーモニーの特有さを引き出していて、世紀末的なロマンチシズムとともに妖しくしかし感傷的に紡ぎあげている。
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タネーエフ:カンタータ「ダマスカスのヨハネ」

2007年06月22日 | ロシア・ソヴィエト
○ゴロワノフ指揮ソヴィエト国立放送管弦楽団・合唱団(MELODIYA)1947

エイコーラーの主題の変化形のような旋律からはじまり、悲劇的な音楽から崇高な宗教的世界に昇華されてゆくドラマ的音楽。オーパス1番。オペラティックで鈍重だが合唱が重厚にうねりだすとゴロワノフならではの劇性がうまいこと働いてきてしっくりくるようになる、ただ極端に音が悪い。

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リャードフ:交響詩「キキモラ」

2007年06月20日 | ロシア・ソヴィエト
○アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団(DECCA)1954/5/14-28・CD

ステレオ。コテコテのロシア国民楽派のそれも典型的なバラキレフ・クーチカ一派の音楽なのだが、ボロディンのように整理された単純さに対して響きと動きの非論理的な展開が幻想的な音響世界を呼び込み、リムスキーよりも更に現代的な、かなりフランス派に近い世界に音楽を持っていっている。案外トリッキーなリズム処理をアンセルメが鮮やかに民族的な荒さすら持ち込んで表現しているさまは、これが最初こそロシアのアマチュアリズムの延長上の民族音楽であるものの、最後にはルーセルなどフランス派の民族という枠を越えた純粋に音楽的進化を目指した世界に近づいているように聞こえる。妖怪を主題としたメルヒェンの、生々しい描写性はラヴェルにもストラヴィンスキーにもつながるところである。録音がやや古い。○。
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カリンニコフ:交響曲第2番

2007年05月24日 | ロシア・ソヴィエト
○ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル(russian disc/melodiya他)1953

録音が古びて遠い。細部が聞こえてこないのは辛い。また、比較的ムラヴィンスキーの若い時期を彷彿とさせる、未だロシア様式といってもいいような派手めの演奏で、オケもレニフィルにしては拡散傾向をとくにブラスあたりに感じるから少し異色だ。円熟ムラヴィンファンにはそれほどアピールしないのではないか。曲がやや構成的に弱いところもあってどこを焦点にきいたらいいのか、3楽章で終わっておけばよかったんじゃないかとか考えさせられるが、この演奏もやはり3楽章をまるでスヴェトラのチャイ5のように盛り上げている。交響組曲ふうの内容はバレエ的ではあるがムラヴィンはそこまでロシア式におもねってもいず、小粒な印象もあるが精度はこの曲のディスコグラフィの中ではなかなか上のほうだろう。
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ボリス・チャイコフスキー:主題と8つの変奏曲

2007年03月23日 | ロシア・ソヴィエト
○コンドラシン指揮ドレスデン・シュタッツカペッレ(KARNA:CD-R/profil)1974/1/23ドレスデン文化宮殿LIVE

特殊奏法バリバリだったりするがとてもロマンティックでダイナミックで美しい曲。古典的均整美と旋律的感傷のあざとすぎるくらいのせめぎあいがドラマチックに展開される。少し70年代テレビドラマ的かもしれないが、破滅的表現もそれほど外れた方向にはいかない。録音きわめて優秀。コンドラシンここにありといった激しく斬り込むリズムにドイツ的な厳しい音響が乗り、ライヴなりの精度にせよ盛り上げる。骨だけになってメシアンチックに派手に事切れる曲に客は戸惑い気味だが、ワイルドでこれはこれでいい。○。ショスタコ15番とのカップリングでprofilより正規盤化予定(6月)。但しKARNAにはプロコのヴァイコン2番も収録されている。
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リャードフ:キキモラ

2007年03月02日 | ロシア・ソヴィエト
○トスカニーニ指揮NBC交響楽団(DA:CD-R)1946/1/13live

ヘンゼルとグレーテル及びプロコの古典の中プロとして挿入された演奏。恐らく既出盤と同じ。楽曲は「中央アジアの平原にて」かリムスキーかといった旋律表現がいつしか鉄琴のかもすリリシズムの中に完全に旋律性をうしないまさに「印象派的な描写音楽」と化していくさまが独自性をはなっている。五人組の中でも先鋭性においてかつてはかなり人気のあった人で、こういった新しい音を提供したという意味でフランスのラヴェル世代には人気を博していた。トスカニーニはやや渋く引き締まった表現をするものの音響的には非常に繊細な配慮も忘れない。すっと聞けてしまう爽やかさはデロデロのド演歌になりがちなロシア国民楽派音楽の演奏様式としてけっこう必要な要素だと思う。録音が少し悪いが○。
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イッポリトフ・イワーノフ:コーカサスの風景

2007年02月18日 | ロシア・ソヴィエト
○シュヒター指揮LPO(MGM他)LP

日本盤でも出ていたもの。さすがオケが違う、ドイツのなんとも渋く重い音と違い爽やかな透明感と繊細なオケ操作のわざが聴いてとれる。リムスキーの影響色濃くも表現内容はボロディン、しかしもっとローカル色の薄められた描写音楽で、同じ表題組曲であってもリムスキーのシェヘラザードのような体臭は無い。これはさらにシュヒターにより薄められて聴きやすくなっているのだろう。終楽章の舞曲旋律などあきらかにオリエンタルな民族音楽だがシュヒターはきわめて精緻で重心低く、しかしスピードと勢いを損なわずにまるで中欧ロマン派の古風な作品のようにしっかり描いている。全体設計がまずかなりきっちりなされていて、おしなべてのっぺりした作品中に時折織り込まれる舞曲のリズム処理のうまさ、効果的な切り替えはすばらしい。あまり押しの強い曲ではないがそれでもロシア国民楽派の典型であるだけに、このように慎重に純管弦楽的に繊細に取り組んだ演奏のほうが一般には入りやすいだろう。いつもの手堅さは余り感じず、勢いと美しさが加わっていつもと違う魅力を発揮したものとして○にしておく。
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グリンカ:ルスランとリュドミラ序曲

2007年02月01日 | ロシア・ソヴィエト
○ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル(DREAMLIFE)1965/2/28live・CD

ルスラン聴くならムラヴィンは後回しにしろ、とは古い言い伝えだが(ウソ)ここまで物凄い速さで一糸乱れぬ演奏をなしえたのはこのコンビをおいて他にはないだろう。異常なテンションで駆け抜けるわざはオケとは思えないほどだ。この演奏はムラヴィンの記録の中でもかなり素晴らしいほうだと思うがいかんせん録音が茫洋と古い。○。同日のアンコール曲。
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ムソルグスキー:はげ山の一夜(リムスキー・コルサコフ編)

2007年01月11日 | ロシア・ソヴィエト
ユルゲン・ワルター指揮ハンブルグ・プロムジカ交響楽団(MUSIQUE POUR TOUS)LP

正直物足りない。もっと激しさが欲しいのだ。リムスキーの音楽には派手さが必要であり、ムソルグスキーの音楽には邪が必要である。そのどちらもない。無印。
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ボリス・チャイコフスキー:交響曲第2番

2006年09月20日 | ロシア・ソヴィエト
○コンドラシン指揮モスクワ放送交響楽団(melodiya他)

線的に紡がれてゆく民族的現代音楽。まさにそういったイメージを冷たく静謐な世界の上に時に世俗的な素材を使って展開していっている、50分に及ぶかという大作である。ルトスワフスキとかそのへんを思い浮かべたが、この長さの中には古典からショスタコまでいろんな要素が昇華されているのでいちがいには言えない。ただ、非常に細かなフレーズを非構造的に線で繋いでいく(しかしそれでいて非常に聞き応えがありカッコイイのは特筆すべきだろう)さまは同時代のいろいろな作曲家に見られるやり方であり、ミャスコフスキーからショスタコを経たロシア交響曲の姿としては典型的な部分もあり、その中では極度に洗練されているとは言えるだろう。コンドラシンの緊張感に満ちた張り詰めた表現だと純粋な音の饗宴という意味ではとても満足いくものになりうる。ロマン派はイヤだ、でも「交響曲らしい交響曲」がききたい、という向きには格好のものだろう。元々金属質の音響を巧く使う人ならではの静謐な世界がききもの。

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チェレプニン:エクスプレッションOP.81-9

2005年02月23日 | ロシア・ソヴィエト
◎作曲家(P)(EMI/HMV)1935

モンポウ的?ドビュッシー的?メシアン的?そう、鳥の声。でも、もっと単純だ。まさにエクスプレッション、即興的な響きの交錯はしかし抒情性を失わない。ある冬の日の日常の出来事を切片に切り取った、そんなような音楽である。とても好き。ロシア的ではない。完全にフランス的現代。驚くほどいい音である。他にも自作自演多数。 ◎。
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