2010年度作品。日本映画。
内気な高校生の幸雄(通称コユキ)は、ある日、ニューヨーク帰りで天才的なギターテクニックを持つ竜介と運命的な出会いをし、音楽の道にのめり込んでいく。ボーカルの千葉、ベースの平、そしてコユキの親友サクがドラムに加わり、バンドBECKが結成された。ライブハウスでの活躍、自主制作CDの作成、そして大型ロックフェスへの出演が決まり、順調に見えたかの船出。しかし、ライバルバンドの大物プロデューサーが罠を仕掛けてくる。(BECK - goo 映画より)
監督は「トリック」の堤幸彦。
出演は水嶋ヒロ、佐藤健 ら。
原作にわりに忠実につくられた映画だと個人的には思った。
もちろん原作付き映画だからと言って、原作に忠実である必要はない。
だが、少なくともこれなら、原作ファンも納得できるだろう、という気がする。
もちろん原作を知らない人にも、楽しめるつくりになっている。
原作のイメージ通りだな、と感じたのはやはりキャラクターだ。
コユキや竜介を始め、BECKのメンツは、かっこよすぎるが、ほぼ原作のイメージ通りである。
つくり手が原作を尊重しようとしている様子がそれだけでもよく伝わってくる。
また音楽の方向性も、ほぼ原作のイメージ通りだった。
オルタナ風?なのかくわしくないので知らないけれど、洋楽っぽいバンドサウンドになっていて、聴いていてとっても心地よい。
こういうゴツゴツした音楽って僕は好きだ。
プロットも、原作を単純化しているものの流れは忠実だ。
ただマンガを読んでいる間はまったく気にしなかったけれど、いくつかのエピソードは、やややりすぎな感じはする。
いかにもハロルド作石な演出を再現する必要もないと思うし、主人公たちの危機も極端すぎて嘘っぽい。
だが盛り上がるようにつくられているのがわかり、見ていて充分に楽しめるのは確かだ。
そしてバンド映画ということもあってか、音楽にはずいぶん力が入っているのが伝わってくる。
ギターソロの部分にはしびれてしまったし、ラストのライブシーンはすなおにかっこいい、と思った。
「EVOLUTION」は初めて聴く曲だけど、見ている間はノリノリになる。
ただ惜しむらくは、コユキの歌を映画の中で聴けなかったことだろうか。
コユキのボーカルがすごい、というのを伝えるために、あえてあのような演出を取ったことはわかる。
でも、あそこは失敗してでもいいから、生の歌声を聴かせるべきだったと僕は思う。
あれはこの映画で一番大事なシーンなだっただけに、見ていて少し醒めてしまった。
たとえそのボーカルがすごい、というのが伝えられなくても、一所懸命練習して撮影されたシーンなら、必ず観客の胸に響くと思うのだが、どうだろう。
と、欠点もそれなりにある映画ではある。だが非常に楽しい作品になっているし、音楽も心地よい。
個人的には満足そのものの一品である。
評価:★★★★(満点は★★★★★)
製作者・出演者の関連作品感想
・堤幸彦監督作
「20世紀少年」
私はゴリラーマンが
好きなんですが
ご存じですか?
「ゴリラーマン」、知ってますよ。もっともむかしにパラ見した程度で、どんな内容か忘れましたが。
まとめて読んでみようかな。
個人的に、同じ作者のなら、「ストッパー毒島」が好きです。
でもさー、やっぱコユキのボーカルが削られてたのが残念だね。一番重要なシーンなのになぁ。。最初は、「佐藤健、おまえ、そんなにオンチなのか?」って思ったけど(笑)、声を消すのは原作者の意向らしいね。でも、映画とマンガは別者だし、こいういう肝になるシーンで口出しせんでほしかったなぁ。。まぁ、コユキの代わりに千葉が頑張ってたので許すけどさ(笑)。
しっかし、いろんなマンガを読んでるねー。私も『BECK』の原作を読みたくなったけど、なんせ34巻もあるもんなぁ。。まずは本棚を買ってこないと…(汗)。
青春って感じが出ていて、かなり熱いです。音楽は人を変えられるんだって見ていると感じます。断言してもいいような気になってきます。
コユキのボーカルは原作者の意向なんですか。そりゃ、知らなかった。つうかそれはなしですよね。あそこのシーンが一番大事なのにな。原作者は変に思い入れが強いからだろうか、残念です。
千葉はかっこいいですね。歌い方がワイルドで、正直しびれました。
マンガは言うほどは読んでないですよ。基本的に読んでるのは偏ってるし。
とは言え、『BECK』の原作はおもしろいです。ああ、これぞ少年マンガだよ、って思えるところが結構好きです。時間とスペースがあるときにはぜひとも。