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2013年度作品。アメリカ映画。
ヒュー・ジャックマンが愛する娘を誘拐され、危険を顧みずに自ら救出に挑む父親に扮するクライム・サスペンス。
監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ。
出演はヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホールら。
ツッコミどころは多いが楽しめる。
「プリズナーズ」を評するならそんなところだろう。
醒めてしまう部分もあったが、トータルで見るなら興味深い作品だった。
誘拐事件を扱っているわけで、ジャンルはミステリである。
そのためラストには意外な真相が待っている。
実際僕も見ていてビックリしたが、無理がある点は否定できない。
特に動機の弱さは致命的だ。
多くは語らないが、矛盾もあるし、説明された理由にもいろいろ納得がいかない。
あと神父の家の死体も説明不足だし、模倣犯も行動の必然性が理解できない。
またアレックスも十歳程度のIQなら自分のしたことの説明くらいはできるのではと思える。
どうもおもしろくしようとして、ストーリーが破綻してしまった感が強い。
しかし真相解明の逆転劇は想定外だったのでドキドキはしたことだけは強調しておこう。
またストーリー以外では、ヒュー・ジャックマン演じる父親が良かった。
娘の誘拐で視野狭窄になり、犯罪と言い切れる乱暴な行動に走るところはゾクゾクする。
人間の業の深さと愚かしさを感じさせ、嫌いでない。
そのように全体的に暗鬱なトーンで貫かれていて引き込まれた。
出来の瑕疵について挙げればキリがない。
しかし美点もまた目立つ作品と思った次第である。
評価:★★★(満点は★★★★★)
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