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2009年度作品。アメリカ映画。
かつて一世を風靡していたカントリーシンガー、バッド・ブレイクだが、今ではドサ周りの日々を送っていた。弟子であり、バックバンドの一員だったトミーは今や大スター。しかしバッドの生活は対照的。結婚生活は何度も破綻し、アルコールに溺れ、落ち目の日々を送っていた。しかし、そんな彼の生活もジーンの登場により変化が訪れる。2人は愛し合うようになり、バッドにも新曲の依頼が来るなど、事態は少しずつ好転していくが…。(クレイジー・ハート - goo 映画より)
監督はスコット・クーパー。
出演はジェフ・ブリッジス、マギー・ギレンホール ら。
「Ray」「ウォーク・ザ・ライン」など、これまで男性ミュージシャンを主人公にした映画をいくつか見てきた。
そしてそれらの映画に共通して言えることは、主人公は才能があるけれど、プライベートでは生活破綻者だという点である。
どのミュージシャンも大概、麻薬やらで身を持ち崩すパターンが多い。
僕は一般人であり、ミュージシャンの実態をまったくもって知らない。だからこういう人が多いんですよ、と言われると、ああ、そうなの、としか言いようがない。
けれど、ここまで生活破綻者ばかり、ステロタイプに描かれると、少しばかりうんざりしてしまう。
「クレイジー・ハート」もそういう意味では、よくあるパターンの映画と言えるのかもしれない。
ジェフ・ブリッジスはアル中のミュージシャンを自然体で演じていたけれど、よくあるキャラだよな、と感じてしまったため、あんまり引き込まれなかった。
個人的には、もうちょっと、何かあるのかな、と思って見ただけに、ちょっとがっかりだ。
だが、人間関係の描き方は非情に丁寧だ。
旅先で親しくなった女性と子どもに、親密な情を抱いていく様子や、別れた息子とやり直したい、と思い立つ経緯など、なかなか印象的である。
更正施設に入ろうと決めるところも、主人公の痛みが伝わってきて、なかなか悪くない。
そして、安直なハッピーエンドにしなかったところは、個人的には好印象である。
ミュージシャンの映画だけあり、音楽もすてきだ。
カントリー・ミュージックはほとんど聴かないけれど、心地よい曲調で、映画を見ている間、その音楽に聞き惚れてしまった。
絶賛するポイントには乏しい映画と思うのだけど、非常に丁寧に、物語と人間と音楽を描いた映画だと思う。
気に入らない部分もあるが、悪い印象を持たない作品である。
評価:★★★(満点は★★★★★)
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・マギー・ギレンホール出演作
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