効果的な言語活動を瞥見。東証不具合時の会見。
たいていこのコラムでは、日本人のプレゼンテーションの問題点などを指摘することが多いのですが、珍しく、好評だった記者会見があったので、メモ程度に記しておきましょう。またどこかで触れる機会があるかもしれません。
10月1日に生じた東京証券取引所の不具合、一日取引停止に際してのCIO、情報担当責任者の会見が産経新聞の「謝罪会見」についての記事中に見つかりました。「好評」だというと「事件性」がないかもしれませんが、「好評」なのはとてもまれなので、やはり、「事件」と言っていいかもしれません。
会見自体はとても地味なもので、アローヘッドとかフォールオーヴァーとかカタカナの専門用語が多く、どこまで適切なのかちょっと分からない面がありましたが、証券関連の人ならすぐよしあしが分かるのでしょう。論理の飛躍がなく、ひな壇の数人のなかでこのCIOが全体をリードしていたことが分かります。
面白いのは、この件に触れる記事のいくつかに、CIOが早稲田大学の落語研究会出身だということが書かれているということです。ただ、それだけで、落語と記者会見の関係については触れていません。願わくば、記者たちが「口頭の言語伝達共通の問題点について考えているということ。落語と記者会見という一見関係ないことに、実は何か関連があるのでは、と気づいているのなら、それはよいことだと思います。
じつは、子供科学相談室で中心的役割を担っていたFアナウンサーの夫君は落語家だとか。これまた無理やり関連させているように見えるかもしれませんが。