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[陸上案反対決議]もはや「県内」は無理だ

2010年03月11日 | スクラップ

 名護市議会は、米軍普天間飛行場移設問題で政府が検討しているキャンプ・シュワブ陸上案に反対する意見書を全会一致で可決した。同案を政府・与党の沖縄基地問題検討委員会に提出した国民新党に対する抗議決議も全会一致で可決した。

 自民党政権が進めようとした辺野古沿岸部への移設を断念したと思ったら、今度はシュワブ陸上案の浮上である。陸上案はかつて名護市が拒否したいきさつがあり、市議会の怒りは当然である。稲嶺進市長は、可決直後の施政方針演説で「辺野古の海、陸上にも新たな基地を造らせない」とあらためて不退転の決意を表明した。

 県議会も県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書を初めて与野党全会一致で可決している。シュワブ陸上案については県議会、名護市議会だけでなく、仲井真弘多知事も反対の意向である。政府の強行は許されない状況だ。

 鳩山由紀夫首相は、自民党政権を念頭に「以前の内閣は、公約を守らなくても大したことはないと言った。国民はそういう政治に鉄ついを下した」と政権交代の意義を強調している。民主党政権が公約に反し、民意を軽んじるのなら政権交代の意義を自ら否定することになる。

 日米安保条約のコストとしての米軍基地は、各県が応分に負担すべきなのは言うまでもない。本土と、これまで過重負担してきた沖縄との差別的な関係を変える機会でもあるのだ。

 8日の検討委で社民党は米領グアムへの国外移設を中心に、訓練を九州など県外で行うなどとする3案、国民新党はシュワブ陸上案など県内移設2案を委員長の平野博文官房長官に提示した。社民党は案を平野氏には伝えたが、公表しなかった。平野氏も自身の案を公表していない。

 政府はこれらの案を基に3月中に政府案をまとめる予定だ。政府案は水面下で進められる。おかしいのは、政府はすでにシュワブ陸上案を米側に打診していることだ。検討委はアリバイづくりの場にしかすぎなかったのか。そもそも3党連立政権下の検討委とは何だったのか。性格付けがあやふやで、政府案を決めるにあたってどこまで権限があるのか、当初からはっきりしなかった。平野氏は社民党の意向を受け、これからも随時、検討委を開くとしているが、これが「政治主導」の内実ならばお寒い限りだ。

 国民新党案は県選出の下地幹郎国対委員長が主導した。政府が検討しているシュワブ陸上案は下地氏の案を下敷きにしている。

 県外移設をまともに検討していないのになぜ、県内移設になるのか。社民党も、県外自治体に対し負担を要請する作業をせず、逆に反発を恐れ、案を公表しなかったという意味では責任逃れに映る。

 下地氏は「本土に受け入れる素地がない」と言う。シュワブ陸上案については県議会、名護市議会とも足並みをそろえて反対しており、沖縄こそ、受け入れる素地はないというべきである。




2010年3月10日 沖縄タイムス

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