Luna's “Tomorrow is another day”

生活情報、人間、生きること…。新聞記事から気になる情報をスクラップ!

足利事件 えん罪防止を徹底せよ

2009年06月13日 | スクラップ

2009年06月06日 社説 


 


 「間違ったではすまない。人生を返してもらいたい」

 17年半ぶりに自由の身となった菅家利和さん(62)は、釈放後の記者会見で、怒りに目を潤ませながら司法当局を厳しく批判した。

 なぜ、このようなことになってしまったのか。当時導入されたばかりのDNA鑑定に対する過信と、犯人でなければ犯行を認めるはずがないという安易な自白偏重捜査が背景にある。

 捜査当局も裁判所も、事ここに至る過程を丹念に検証し、問題点を明らかにしなければならない。市民参加の裁判員制度の下で、えん罪を生まないためにも、事件の徹底検証が不可欠だ。

 栃木県足利市で1990年、保育園に通う4歳の女児が殺害された。東京高検は、この事件で無期懲役が確定し、千葉刑務所に服役していた菅家さんの刑の執行を停止し、釈放した。

 再審請求を受けてDNA型を再鑑定したところ、菅家さんと女児の着衣に付着していた体液のDNA型が一致しなかったためだ。

 菅家さんは一審の途中から「虚偽の自白を迫られた」と犯行を否認した。だが、捜査段階の鑑定では、DNA型が一致していたため、一審の宇都宮地裁も二審の東京高裁も、自白とDNA鑑定を重視し、被告に無期懲役を言い渡した。最高裁もDNA鑑定の証拠能力を認め、上告を棄却した。

 どんでん返しが起きたのは、事件発生当時に比べ、DNA鑑定の精度が著しく向上したためである。

 DNA鑑定は結果として、有罪の決め手となり、釈放の決め手ともなった。

 旧式DNA鑑定の信頼性が揺らいでいる以上、旧式鑑定を採用した他の判決事例を洗い直し、再度検証する必要がある。実際、鑑定結果が裁判で証拠として採用されたケースは多い。

 米国では90年ごろから、有罪確定後のDNA鑑定で無実が相次いで発覚しているという。

 菅家さんは取り調べで「髪を引っ張られたり、け飛ばされたり、厳しく追及された」と語っている。

 「自白は最大の証拠」という考え方が自白重視の捜査手法を生み、その結果、安易に自白にもたれかかることはなかっただろうか。真犯人でなくても取り調べ次第では、自白することがあり得ることを忘れてはならない。

 えん罪防止のためにも、取り調べの可視化が必要だ。

 菅家さんは91年12月に逮捕され、45歳から62歳までの17年半、無期懲役囚として服役したことになる。父親も母親も、わが子の無罪の主張を見届けることなく、服役中に亡くなった。

 東京高裁は近く再審開始を決める見通しだ。無罪判決が言い渡される公算が大きい。

 再審が開始され無罪が確定した場合、刑事補償法に基づく補償金を請求することができる。だが、失われた時間の長さと、社会から真犯人と指弾され獄中生活を強いられてきた無惨な日々は、金銭であがなうことができない。




沖縄タイムス

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
^^ (おうじ)
2009-06-13 19:59:39
どもです^^
冤罪ですかぁ・・・・・
怖いですね!
僕も先ほど似たようなwww
保護という名で・・・・・
無くしたいですね、
冤罪を
宜しくでした!
返信する

コメントを投稿