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「放射能からあなたや子どもたちを守るために、この本を推薦します」

2014年05月13日 | スクラップ







 超長期連載漫画「美味しんぼ」による福島取材がバッシングされている。鼻血と放射能には関連はないと、鬼の首を取ったかのように主張されている。被害を過小評価しようと国民ぐるみで必死になってわめいている。そういう人どものうち関東在住の連中は5年後10年後、あるいはそれ以降に天罰を食らうことになる。自業自得だ。



たしかに被ばくの影響については十分に分かっていないことが多い。それは広島・長崎の時のように、人体を使った研究実験ができないからだ。



こういう状況では人間性の程度によって大まかに二つの態度が見られる。ひとつは、低線量被ばくと今観察されている健康問題との因果関係は分からない→被害が証明されていない→影響はないと考える態度。もうひとつは、低線量被ばくと今観察されている健康問題との因果関係はよく分からない→だから低線量とはいえ放射能を危険なものとみなして、被ばくから住民を遠ざけよう→もっと研究を重ねてより正確な判断を、と考える態度だ。



 弱い者いじめが好きなネトウヨどもは前者の態度を思い切り発揮している。どうすればえらい人間に見てもらえるかということを第一に考えるネット左翼も、間違ったことを言うと自分のキャラが傷つくからという理由で、鼻血は無関係「かもしれない」などとぼやけさせて、基本的にノータッチ。でも、がんや白血病で死ぬことをひたすら恐怖するわたしら低学歴の一般庶民は、事故以前にも同じ頻度で鼻血が出たり、白血病にかかったり、甲状腺がんにかかったりしていたのかっ、と詰め寄って、「うちらは高みの見物をしているネトウヨどもの酒場談義の肴にされたくないんや」と叫ぶ。健康被害との因果関係が証明されていなくても、安全も証明されていないんだから、そんな危ないものは日本から取り除け、と言い続けるのだ。


 低線量被ばくの健康被害が隠ぺいされてきた経緯を述べた文章を紹介しよう。

 




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2011年9月11日、あの大震災と同時に発生したイチエフ原発事故の惨事が起こった日からきっかり半年を経たこの日、福島の地で「国際専門家会議・放射線と健康リスク」という会議が持たれました。この会議は原発事故からわずか6か月しかたっていない時点で事故を総括してしまうこと、つまり「フクシマはチェルノブイリに比べてずっと軽微な事故だった。事故直後の対応も適切であったので、住民への健康被害は極めて少ないと考えてよい」と結論づけることを目的としたものでした。

 


 世界中から放射能の専門家が集まったというものの、中心となったのはアメリカ、イギリス、ロシア等の専門家たちであって、結局は核保有国が「放射能安全神話」を大衆に広めるための会議だったのです。

 


 原発安全神話が3月11日をもって完全に崩れた後、今度は放射能安全神話に衣替えして、大衆を丸めこもうとしているわけですが、こういうことが世界規模で行われる理由を考えてみなければなりません。

 


 歴史をたどってみれば、そもそもの始まりは1945年8月、広島と長崎での原爆投下に行きつきます。これはアメリカが、将来核兵器を使用していくことを予定したうえで、その威力を試した悲惨な人体実験でした。ウランとプルトニウムそれぞれの威力を試すため、広島にはウラン型原子爆弾、長崎にはプルトニウム型原子爆弾を落としており、このことからみても原爆投下の「実験的性格」を示すものとなっています。

 


 原爆は甚大な被害を及ぼし、アメリカにとって実験は成功でしたが、しかし以後、原子力を戦争の実戦で使ってゆくためには、大衆に「放射能は怖い」という意識を持たせずにすることが必要でした。それにはまず、広島・長崎における被ばくをなるべく小さく見せることから始まり、具体的には、原爆被害者は爆心地2キロメートル以内直接被ばくした人に限られる、ということに決められました。その時期には、低線量被ばく、内部被ばくによる被害は切り捨てられ、晩発性障害を起こした大勢の人々は被ばく者と認定すらされなかったのです。「低線量被ばく、内部被ばくによる健康被害はない」とする言説はこの時点で作られ、以後、低線量被ばくや内部被ばくの危険性を訴える専門家は弾圧されるという状況が今日まで続いてきています。

 


しかしそのような状況下でも、たとえばアメリカで、原子力は危険だから使うべきでない、とする声が市民や科学者の間から上がるようになりました。こうした声を抑え込むために登場したのが、「原子力の平和利用」という宣伝用のスローガンでした。そしてその「平和利用」の目玉商品とされたのが原子力発電で、「安全で安価な電力供給源。資源は枯渇しない」と大々的に宣伝されました。実際には「安全」という宣伝とは裏腹に、事故は絶え間なく起きてきました。スリーマイル島で、チェルノブイリで、東海村で大事故は起きてきました。しかもそれ以外に、公に報道されなかった(=ほぼ「隠ぺい」と言い換えてもいいくらいに報道統制された)たくさんの事故が起きているのですが、それらの事故については被害隠しが施されてきたのです。

 


 原発は怖いという認識が市民の間に広がれば、それが反原子力・反核へとつながっていく怖れがあり、それは核兵器を保有し続けようとする国々にとっては、迷惑千万なことなのです。そこでアメリカ、ロシアをはじめとする核保有国は総力を挙げて、「放射能は怖くない」という神話を市民の間に根づかせることにしました。その神話の一つが、「低線量被ばく・内部被ばくは健康に影響しない」というもので、その神話をゆるぎないものにするために、実際に起こっている健康被害を隠すことが必要となったのです。

 


アメリカ本土での核実験によって起こった低線量被ばくや内部被ばくによる健康被害を報告した学者は研究費を打ち切られるなどの弾圧を受け、チェルノブイリに関して「人体への放射性セシウムの影響」という論文を書いたバンダジェフスキー博士は、でっち上げの冤罪で禁固刑に処される、というすさまじいい弾圧を受けました。

 


こんなふうにして隠されてきた低線量被ばく・内部被ばくについての真実を、わたしたち市民は目をそらすことなく直視しなければならないのです。


 

 

 


 (「低線量・内部被ばくの危険性~その医学的根拠」/ 医療問題研究会・編/ 山田真・八王子中央診療所所長・内科医・著「はじめに」を転載)

 

 



 

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