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満州移民:「戦後も過酷な開拓」 神大教授が調査--あさって終戦の日 /神奈川

2009年08月14日 | スクラップ

 
若い人、悲惨さ知って


 命からがら帰国した満蒙開拓団員たちは、戦後どのように暮らしたか。64回目の「終戦の日」を前に、「満州移民の戦後史」を研究する森武麿神奈川大教授(63)は「戦前も戦後も過酷な開拓に追われた」と指摘する。

 旧満州(現中国東北部)などに入植した開拓団は約27万人で、終戦前後の混乱で約8万人が犠牲になり、残留孤児も発生した。大陸からの引き揚げ者のうち、約7万5000人が1945~64年に北海道や九州などの開拓地に入植した。開拓団出身者は、入植者全体の約16%を占めた。

 森教授は「国内の貧しい余剰農民は、国策で満蒙開拓団となった。逃避行で家族を失い、命からがら帰国しても故郷には家財もなく、戦後の混乱期を生き抜くには再び開拓に出ざるをえなかった」と分析する。

 長野や山形県の入植体験者に聞き取り調査を続けた。「戦後の開拓はゼロからの出発で、満州より厳しかった」との体験談が多い。満蒙開拓団が全国最多だった長野県飯田下伊那地区の場合、戦後の開拓は北海道から宮崎県まで38カ所に及んだ。

 森教授は「酪農で成功した例もあるが、多くは寒冷地やへき地への『棄民』のような冷酷な状況であった。高度成長期には離農し、出稼ぎに出た人も多い。戦争の悲惨さを知らない若い人に、開拓団の悲史を知ってほしい」と呼びかける。【網谷利一郎】

 

毎日新聞 2009年8月13日 地方版

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