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石碑の拓本採取

2022年05月24日 | 日記
5月22日(日)、午前中には鳴門市大麻町の堀江郵便局前の石碑の拓本採取に行きました。これは本家松浦酒造場の所有物で、郵便局の開設の経緯が書かれています。松浦家の先祖がこの郵便局を開設し戦前まで運営していました。この碑は昭和21年に松浦家によって建設されました。一昨年から松浦酒造場の所蔵書画について調べていますが、この石碑を書いているのが、徳島の書家の岡本対南です。拓本採取は管理者代表である松浦素子さんに事前に許可を得ました。この石碑の内容を論文に使う目的と、ゼミ学生の木田鮎花さんの卒業論文の資料集めを兼ねています。現在、木田さんは拓本について研究しています。
8時に大学を出発し、途中のレンコン畑ではコウノトリを初めて見て感激しました。4羽のコウノトリが泥の中で餌を探していました。20分間程度で会場に到着しました。
早速、真鍮ブラシで苔を落とし始めました。この作業をしっかりしておかないと精密な拓本はできません。これに20分間ほどかけました。


楮の画仙紙を当てて霧吹きをした後に濡れ手拭いで貼りつけます。この時にしわをつけないようにするのに技術が要ります。


叩き刷毛で、碑の文字を一字ずつ叩いて紙を凹みに埋め込んでいきます。この時に一か所も落ちなく叩くことが大切です。


叩き作業が終わると、拓本用の墨をタンポに付けて少しずつ叩いていきます。最初は薄く、何度も叩きながら徐々に濃くしていきます。


1時間ほどで完成しました。このあと、新聞紙を当てて一緒に巻き取って終わりです。



この日は、もう一枚採取しました。松浦家に差し上げる分です。木田さんは、石碑の採拓は初めてでしたが、たいへん上手にできました。墨の濃淡のバランスを一定にすることは結構難しいし、根気の要る作業ですが、今回は天候もちょうど良くて、うまくいきました。簡単なように見えますが、独特のコツが必要です。木田さんには私の知っている技術を伝えます。初心者の練習用には、陰刻・暘刻が両方あるし、大きさ的にもちょうど良い石碑でした。

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