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ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

木工会館 春の展覧

2016年02月01日 | 日記

2月1日(月)、今日は午前中に休みをもらっていましたので、徳島市内で雑務を済ませて、木工会館に少しだけ立ち寄りました。春の展覧会が始まって、さまざまなものが飾られていましたので少し紹介します。

まずは、昔の看板を展示していましたので、写真を撮らせて頂きました。「実用書法」の授業では毎年この時期に4年生が表札を彫ります。木に彫刻刀で彫るのですが、実はいろいろな彫り方があります。このような昔の木彫りの看板が良いお手本になります。これは文字も右から左に書かれています。「ドクヌキ丸」です。この部分は「かまぼこ彫り」を使っています。周りの篆隷書は「溝彫り」です。地に銀箔を貼っています。よく見ると、文字の部分に箔を貼っている部分と、地に箔を貼っている部分があります。様々な技法を使って複雑でお洒落な作品になっています。

周囲の彫刻が素晴らしい。文字は右から「阿淡御両国御免」と書いてあります。江戸時代は、阿波・淡路が両方とも徳島藩で、そこで商売できる資格が有る事を宣伝するための看板です。かまぼこ彫りの頂上部の金箔がこすれて少し落ちて、線の中心が黒く見え、立体的です。長い期間に掃除などで拭いているうちに落ちたのでしょうが、却って味になっています。

工芸品のひな人形展も開催されていました。陶芸の「八寸」先生の展示販売ブースです。かわいい陶器製のひな人形が飾られています。狭い住宅事情から、最近はこんなかわいいサイズのひな人形が流行っています。

2点拡大します。お皿にひな人形を載せてあるだけですので、祭りが終われば、お皿として利用できます。

猫が流行っていますので、猫のひな人形もあります。おびなは酒の徳利を持っているのでしょうか?先生に聞いてみないとわかりませんね。めびなはお魚です。お皿は桜のはなびらの形です。

その他、木や竹の小物製品の展示では珍しい商品がありました。徳島県南部の山中、木頭村で有名な「木頭柚子」の鋭いとげを利用したピンです。この柚子は鋭く堅いトゲが付いている種類で、危ないのでたいへん収穫しにくいのですが、そのお蔭で深い山中でもサルによる被害を受けません。収穫後に枝を剪定したりした時の不要になった枝のトゲの再利用です。こんな利用法があるのに驚きました。コルクボードなどの柔らかいところでしたら、しっかり刺せてしかもお洒落です。価格は、12本入りで税込み324円。ダンボール板の横の隙間に差し込んで、危なくないようにして売っています。「NATURAL PIN 木頭ゆずのとげピン」のネーミングが抜群です。センスの良い商品ですね。

徳島らしい、楽しい展示品が多かったです。皆様もお立ち寄り下さい。

なお、徳島科学史研究会の重鎮だった石原侑先生が亡くなられました。徳島の「辞典」的存在の知識人でした。時間の都合でご葬儀には行けませんでしたが、心からご冥福をお祈りします。生前に、ある石碑の拓本を依頼されていましたので、遺言と思って今月中には採拓したいと考えています。