誰ひとり、この詩を素晴らしいと言った詩人は居なかった。
だから僕はこの詩にこだわり続けてるのかもしれない。
国会議事堂に車で激突したと、いつだったか記事で読んだ女性のように・・
まったく情けない奴隷と嘘つきばかりの日本の男どもよと思う
反対 金子光晴
僕は少年の頃
学校に反対だった。
僕は、いままた
働くことに反対だ。
ぼくは第一、健康とか
正義とかがきらひなのだ。
健康で正しいほど
人間を無精にするものはない
むろん、やまと魂は反対だ
義理人情もへどが出る。
いつの政府にも反対であり、
文壇画壇にも尻を向けてゐる。
なにしに生まれてきたと問はるれば、
躊躇なく答えよう。反対しにと。
ぼくは、東にゐるときは、
西にゆきたいと思ひ、
きもの左前、靴は右左、
袴はうしろ前、馬には尻をむいて乗る。
人のいやがるものこそ、僕の好物。
とりわけ嫌ひは、気の揃ふといふことだ。
僕は信じる。反対こそ、人生で
唯一つ立派なことだと。
反対こそ、生きていることだ。
反対こそ、じぶんをつかむことだ。
(金子光晴詩集『赤土の家』1919年発行より)
いつかこの詩以上の詩、それを作れたらというのが・・ずっと昔からの僕の人生の目的なんだ。それ以外には人生なんかどうでもいいことだ。
だから僕はこの詩にこだわり続けてるのかもしれない。
国会議事堂に車で激突したと、いつだったか記事で読んだ女性のように・・
まったく情けない奴隷と嘘つきばかりの日本の男どもよと思う
反対 金子光晴
僕は少年の頃
学校に反対だった。
僕は、いままた
働くことに反対だ。
ぼくは第一、健康とか
正義とかがきらひなのだ。
健康で正しいほど
人間を無精にするものはない
むろん、やまと魂は反対だ
義理人情もへどが出る。
いつの政府にも反対であり、
文壇画壇にも尻を向けてゐる。
なにしに生まれてきたと問はるれば、
躊躇なく答えよう。反対しにと。
ぼくは、東にゐるときは、
西にゆきたいと思ひ、
きもの左前、靴は右左、
袴はうしろ前、馬には尻をむいて乗る。
人のいやがるものこそ、僕の好物。
とりわけ嫌ひは、気の揃ふといふことだ。
僕は信じる。反対こそ、人生で
唯一つ立派なことだと。
反対こそ、生きていることだ。
反対こそ、じぶんをつかむことだ。
(金子光晴詩集『赤土の家』1919年発行より)
いつかこの詩以上の詩、それを作れたらというのが・・ずっと昔からの僕の人生の目的なんだ。それ以外には人生なんかどうでもいいことだ。
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