ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

The Tombs of Atuan 読書 (8)

2006-05-23 23:28:41 | ゲド戦記・Le Guin
The Anger of the Dark
実はこの章を最初読んでから2日経っていたのでもう1回読みました。すると章の冒頭,彼女が前の章で「一緒に行きます」と言ったその時,
She looked up startled, and saw him flushed with life and triumph.
という一文があるのに気付きました。1巻はGedの影との闘いだったのですが,この巻はArha,改めTenarが闇すなわち影から解放される話だったんだ。(そんな大事な事を見逃すとは‥,その程度の英語力では,やっぱり全体を読み返す必要あるなあ(笑))

TenarがGedから取り上げた片割れ,Gedが宝部屋から見つけた片割れ,2つの破片はぴったり腕環になりました。

Tenarは,Gedと一緒に,宝部屋を脱出。深い穴のある場所で,MananがGedを襲おうとして失敗,奈落の底へ転落。(ひぇ~;最近ちょっと気に入り始めてきた所だったのになあ。。)既にKossilが手を回している模様。しかしこのショックでTenarはやや怖気づいたようです。

彼らはようやく迷宮の出口に来ますが,trap doorが開きません。Tenarは入口は他にあるけれど出口はここだけ,と言いますが,Gedは,他の開くはずのない入口の方へ。実は彼は道が崩れないよう魔法で守っていたのでした。強大なパワーで地震を起こすGed。ドアが開くと星空。Tenarは躊躇しますが,Gedは,「信じて」。2人が脱出すると,Atuanの墓は崩れてしまいまいます。(他の巫女さん達はどうなってしまったんだろう?(汗))

The Western Mountains
Tenarが起きるともう夕方。隣ではまだGedがぐっすり寝ていました。彼の手にはアザミが。魔法使いとアザミという組み合わせが不思議でしょうがないTenar。やがて彼は起き出し,食事を摂ります。TenarはGedに,食べ物は呼び出せないの?と聞きますが,彼はウサギの名を呼んで呼び出す事はできるが,そのウサギを殺して食べられるか?と訊きます。食べ物を直接呼び出す事も可能だが,それはillusionだと。するとTenarは,あなたの魔法は大掛かりな事にしか役立たないのね(汗;)と言います。

墓は破壊され,KossilとMananは死んでしまったけれども,他は助かったとの事。(ほっ)Tenarは,PentheがGodkingを守る巫女にならなくてはいけないのかと,一瞬心配に思いますが,「彼女ならきっと逃げるわ」 でもMananは唯一彼女を心配し,彼なりに愛情を注いでくれたという事が悲しいTenar。

彼らは山岳地帯に入ります。GedはTenarに,これから君はArchipelagoの言葉を覚えて,いろいろな人と会って生きていかなくてはならない,と言います。腕環を持ってHavnorに行けば,プリンセスとして迎えられるだろうと。

そして2人は海に近い町に出ます。Gedは(何故か)青い目の白人に化けます。そして誰か親切な人に施しをもらってお腹が一杯になると,またTenarは不思議に思って,魔法使いは人に乞う事に慣れているの?と訊きます。Gedは,実は魔法使いはそうやって生きている,でも,その代わり恵みをくれた人にはお返ししているのだ,と言います。実は彼はこっそりと前日お世話になった人のヤギの病気を治していたそうです。これを聞いたTenarは,前言(大掛かりな事しか役立たない)を撤回しました。(笑)

赤い兜の見張り兵を見て,Tenarが見た事があると言うと,Gedも見た事がある,と。彼の故郷を襲ったのはその人達だったのですね。(あ~そうか。それで白人に化けているんですね。)この先の暮らしに不安を感じるTenar,Gedに,あなたと一緒にいられるのですか?と聞くと,Gedは,私は呼ばれたらいつも1人で行かねばならない,でも,もしあなたが私を必要なら呼んでくれればたとえ墓からでも行くよ,と言って笑います。

あと1章です。1巻の時は,あと1章に辿り着くのに随分時間かかりましたけどね。(笑)


HoME8 1-VI The Palantir (1)

2006-05-23 00:23:42 | Tolkien・HoME
この章の最初の下書きは難しいのだそうですが,とりあえず書き出しの部分の最初の版を。
<本文>
皆が出発したのは夕方。エント達はアイゼンガルドの出口に並んで手を挙げて見送っていました。しばらく歩いて丘からメリーとピピンが振り返ると,まだ木の鬚だけが長い影を落として立っていました。

Eodorasまで48リーグの道を,2日後の夜中には王の家に着く事を目指し,隠れるように向かいます。ガンダルフは「アイゼンガルドとの戦いには勝ったが,今は危険じゃ。やつらとモルドールの間にはわしの知らない方法でつながりがある。モルドールの目はやがてこちらを向くじゃろう。」と言います。「おそらく我々の側のメンバーの名前や行いは皆サウロンに知れておるじゃろう。準備が整うまでは秘密裏に行動しなくてはならぬ。」
</本文>

なるほど~。最初の版では,ガンダルフがわざわざ説明しちゃってますね。
ここでどのようにヘルム峡谷に戻るかという話を,トールキンさんはフオルンと会う事にしては取り消し,南へ向かうの向かわないの,とか,かなり迷っているようです。

原作正式版の記述としては,間にフロドルートの話が入って離れていますが,実はここは,直後に,ガンダルフやアラゴルンやセオデン,他の旅の仲間達にとっても,次にどういう行動を取るべきかを決断する大変重要な場面なんですよね。誰がどこから行くか,どうやって情報が伝わるのか,それらを組み合わせ,話をどうつなぐのかを,トールキンさん自身も苦しんだのでしょうか。映画でも,エルロンド様本人が登場したり,と,苦心の後が見えますね。

先ほどの下書きの裏には,その続きのアウトラインとなるべき文章が書かれていたのだそうですが,これがまた(慌てて書かれた汚い字で(笑))解読が難しかったのだそうです。

<アウトライン>
これはオルサンクの石で,近隣で起きている事を見る事ができる。ただし,その範囲は100リーグ以内に限定される。それはまたよそからオルサンクを見られるのを防ぐ事もできる。

夜。川が干上がっている。星空の下で,彼らは黒い影=ナズグルが通り過ぎるのを見る。ガンダルフは黒い球体を取って見ている。「これはよい」と彼は言う。彼らが見たのは星と少しばかりの蝙蝠のような影が飛んでいる姿だ。端には月に照らされる川が見える。「オスギリアスではもう月が見えるのじゃの。」

一行がヘルム峡谷に近づくと,道の両脇から囁きのような声。フオルンだ。
次の日彼らは馬鍬砦に到着。アラゴルンはエオウィンと一緒に馬に乗って行く。
ガンダルフは王の間のテラスで球体を見ている。オルサンクがはっきり見える。エントと水。西や北から駆け抜ける騎士達。いろいろな形の不思議な物。ミナス・ティリスからは人々と光だけしか見えない。
</アウトライン>

何か意味がよくわかりませんが(汗)正式版のパランティアの話と全然違うようですね。ピピンの悪戯どころか,正式版のような「テレビ電話」ですらもなく,「webcam」(笑)だったみたいですね。この巻に入って初めての,びっくりエピソードでしょうかね。

当時,エオウィンは,アラゴルンの嫁になるか戦いで死んでしまうかという予定なので,その点に関してはびっくりされませんよう。(笑)

Run!Run!Run!