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趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME8 1-VI The Palantir (1)

2006-05-23 00:23:42 | Tolkien・HoME
この章の最初の下書きは難しいのだそうですが,とりあえず書き出しの部分の最初の版を。
<本文>
皆が出発したのは夕方。エント達はアイゼンガルドの出口に並んで手を挙げて見送っていました。しばらく歩いて丘からメリーとピピンが振り返ると,まだ木の鬚だけが長い影を落として立っていました。

Eodorasまで48リーグの道を,2日後の夜中には王の家に着く事を目指し,隠れるように向かいます。ガンダルフは「アイゼンガルドとの戦いには勝ったが,今は危険じゃ。やつらとモルドールの間にはわしの知らない方法でつながりがある。モルドールの目はやがてこちらを向くじゃろう。」と言います。「おそらく我々の側のメンバーの名前や行いは皆サウロンに知れておるじゃろう。準備が整うまでは秘密裏に行動しなくてはならぬ。」
</本文>

なるほど~。最初の版では,ガンダルフがわざわざ説明しちゃってますね。
ここでどのようにヘルム峡谷に戻るかという話を,トールキンさんはフオルンと会う事にしては取り消し,南へ向かうの向かわないの,とか,かなり迷っているようです。

原作正式版の記述としては,間にフロドルートの話が入って離れていますが,実はここは,直後に,ガンダルフやアラゴルンやセオデン,他の旅の仲間達にとっても,次にどういう行動を取るべきかを決断する大変重要な場面なんですよね。誰がどこから行くか,どうやって情報が伝わるのか,それらを組み合わせ,話をどうつなぐのかを,トールキンさん自身も苦しんだのでしょうか。映画でも,エルロンド様本人が登場したり,と,苦心の後が見えますね。

先ほどの下書きの裏には,その続きのアウトラインとなるべき文章が書かれていたのだそうですが,これがまた(慌てて書かれた汚い字で(笑))解読が難しかったのだそうです。

<アウトライン>
これはオルサンクの石で,近隣で起きている事を見る事ができる。ただし,その範囲は100リーグ以内に限定される。それはまたよそからオルサンクを見られるのを防ぐ事もできる。

夜。川が干上がっている。星空の下で,彼らは黒い影=ナズグルが通り過ぎるのを見る。ガンダルフは黒い球体を取って見ている。「これはよい」と彼は言う。彼らが見たのは星と少しばかりの蝙蝠のような影が飛んでいる姿だ。端には月に照らされる川が見える。「オスギリアスではもう月が見えるのじゃの。」

一行がヘルム峡谷に近づくと,道の両脇から囁きのような声。フオルンだ。
次の日彼らは馬鍬砦に到着。アラゴルンはエオウィンと一緒に馬に乗って行く。
ガンダルフは王の間のテラスで球体を見ている。オルサンクがはっきり見える。エントと水。西や北から駆け抜ける騎士達。いろいろな形の不思議な物。ミナス・ティリスからは人々と光だけしか見えない。
</アウトライン>

何か意味がよくわかりませんが(汗)正式版のパランティアの話と全然違うようですね。ピピンの悪戯どころか,正式版のような「テレビ電話」ですらもなく,「webcam」(笑)だったみたいですね。この巻に入って初めての,びっくりエピソードでしょうかね。

当時,エオウィンは,アラゴルンの嫁になるか戦いで死んでしまうかという予定なので,その点に関してはびっくりされませんよう。(笑)


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