ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

The Tombs of Atuan 読書 (5)

2006-05-18 23:17:49 | ゲド戦記・Le Guin
The Man Trap
物語は中盤。よかった,今度は半月で半分を読めて。(笑)

次の日Arhaは仕事を終えてから,覗き穴を見に行きます。彼はそこにはいません。彼女は何故か彼の存在が気になり,Kossilに報告。Kossilは,侵入者が死んだ頃に召使に引き取りに行かせましょう,と冷たく答えただけ。何を期待してたんだ?‥と,Arhaはまた捜し始めます。やがて彼を発見。だいぶ弱っている様子。彼女は思わず,声をかけ,Painting Roomへの道順を教えます。次の日,果たして,彼はそこへやってきました。彼女は水のある場所を知ってましたが,そこは教えず,自分も行った事のない宝の部屋への道を教えます。

思わずこの文章に目が留まりました。
The powers that ruled in the dark places were on her side, not his.


その後,Arhaは今度はManonと一緒に,倒れていた彼を引き取りに来ます。Manonのいぶかしがる目をよそに,この男は生かしておきたいの,と,自分のマントを敷き,その上に彼を横たえます。さらに食事と水を供給。‥そしてついに,

ご対面。

「名前は?」
「多くの場合,Sparrowhawkと呼ばれています。」
「本当の名前ですか?」
「いいえ,違います」
「では本当の名前は?」
「それは言えません。あなたは何と呼ばれているのですか?」
「Arhaと呼ばれています。」
「では本当の名前は?」
「名前はありません。。私に質問をしてはなりません! ‥‥」

‥会話の内容とか全然違うのに,何故か,LOTRでのFとEの出会いを思い出すなあ。でも,お水はあげないよ~,なArha。女の子らしい意地悪。こういうヒロインはトールキンには描けませんね。(笑)

Gedは,何か,この墓の主ではなく,自分が持つべき物を探しに来たと言います。
The Man Trappedではなくて,Trapという所が,trapされたのは実はGedの方ではないんだよ,と言っているようで,‥‥やはりファンタジー作家は,皆さん言葉遊びがお好きですね。(笑)


FOTR CD: 2-4: A Journey In the Dark (2)

2006-05-18 23:10:17 | Tolkien・LOTR
今日はワーグ襲撃からモリア到着までの聞き取りに挑戦したいと思います。普段,ここは読んでも記憶に残らないし,映画にもほとんど出てこない所なので,忘れているんですよね。(汗)

一行がワーグに襲われた場所からモリアまでは,1日行程です。天気もよかったようで。ジョン・ハウ氏が,そのシーンの絵を描いていますね。カナダ大使館での展覧会の時,観ました。ハウ氏があのように鋭い峰々を描いたのは,おそらく,彼がカナダ西部の出身という事に関係あると思います。バンクーバー周辺には,ピラミッド型にスッパリ切れた,頂上に氷河を持つ山々が連なっているんですよ。アレに比べたら,日本の山ってホントに丸くて穏やかな形をしているんだなあと思いました。

さて,トールキンさんは,実際山歩きをした事があるんでしょうかね? ‥というか,LOTRには山に関する細かい描写,それも近所の雑木林風な所から,雪の山,火山まで,本当にいろいろな山道について描かれているので,全く経験がないとは思えないのですが,イギリスには,日本ほどたくさんハイキングコースがあるわけではないので,ちょっと不思議です。

モリアに上がっていくのは,平たく言えば,シランノンの沢筋の道なき道。実は私は山歩きしますので,ひぇ~これは,ヤマケイの地図で言えば,実線じゃなくて点線で描かれた道。剣客,じゃなくて,健脚向け,

(ここで,「点線の道は剣客向け」に,にわかにウケる私(笑))

で,‥(廃道)とかカッコ付きで書いてあるやつではありませんか。‥でもビルも一緒に上がっているので,さすがにザイルが必要というほどの道ではないでしょうね。

何故川の流れが小さくなったのかと思ったら,上流に湖ができていた,というのは,かなり芸が細かいです。そして「壁」。ガンダルフは,ビルをモリアの坑道に連れていくわけにはいかないと言い出します。サムはとても悲しがって抵抗しますが「主人を選ぶか,ビルを選ぶかという事になるぞ!」

皆は坑道の入り口を探し始めます。ここでギムリが斧で壁を叩いているという一文が。こんな短い一文が,しっかり映像化され,ちゃんと印象に残ってますね。(アレは斧で壁を叩く音がとてもよかったので(笑))

モリア入り口付近に植えられていたという柊の事は,HoMEで読まなければ,一生認識しなかったかもしれません。(汗) それにしても,アレは初期の下書きですが,いきなり完成度が高かったんですね。トールキンさんはこの辺りには最初からはっきりしたビジョンを持っていたのですね。

親子共演

2006-05-18 01:40:28 | ハリポタ4巻
昨日は,待ちに待ったポタ6巻翻訳版発売日でしたが,あの章,‥よい子の皆さんも読んでいるのでしょうか。。感想が上がってくるのが楽しみですねぇ。

で,今日はポタ関連ネタです。
BBCで,現在「Doctor Who」というSF系ドラマをやっております。主演すなわちタイトルロールのドクターは,何とGOFでクラウチJr.を演じたDavid Tennant。しかも13日に放映された「Rise Of The Cybermen」には,パパクラウチを演じたRoger Lloyd Packも出演しております。考えてみれば,LOTRで執政家親子を演じた俳優さん達が共演したという話も聞いた事もないのに,DVD発売直後に,大変なぜいたくでございますよ~。

こちらに詳しいお話がありますが,パパはGOFでの清廉潔白なイメージから一転,"sinister"な役柄を楽しんでおられるようです。(でハリポタは予算が一杯で,キャラクタはいい人で,打ち込んだよ,というような事も仰ってますね) 一方,Jr.は主役という事で,爽やかに活躍。GOFとまるで立場が入れ違ってしまうわけですね。(笑)

ところで,この「Doctor Who」,公式ページを見ると,これがまた,エピソード毎にトレーラーが付いていたり,細かい所でいろいろサービス付き。ドラマ自体も面白そうで,是非,NHKなどで放映して頂きたいなあ~と思ってしまいます。


HoME8 1-V The Voice of Saruman (3)

2006-05-18 00:02:01 | Tolkien・HoME
<本文>
さて,サルマンが後ろを向いた途端,丸い物体が落ちてきますが,ガンダルフをすんでの所でかわし,階段の脇の石の上で粉々に砕けます。splintered on the rock beside the stair. エオメルはそれを見て「不実な悪漢め!」しかしガンダルフは動かず「これはサルマンではない。蛇の舌が上の窓から投げたのじゃ。しかし狙いをはずしたのう。わしを狙ったのか,サルマンを狙ったのか,どちらじゃと思うかの? おそらく,あやつはどちらをより嫌いか決められなくて,狙いを定められなかったのじゃろうの。」ギムリが「私もそう思う。」「我々が行く頃には楽しい事が起きているであろうの。」エオメル「早く行きましょう。急いで(石の)射程距離から離れましょう。」「サルマンはまだ望みを諦めておらんのじゃのう。」
</本文>

ここでこの下書きは終わりです。この下書きには,ガンダルフがサルマンの杖を破壊するシーンはまだ付いていません。

ところで,この下書きでは蛇の舌が投げた石が砕けているように見えて,どうやらパランティアに関する特別な話もまだ考えられてないように思えるのですが,しかし実は,上の斜体部の文章,実は,一旦,splintered into the fragments on the rock beside the stair.と,「into the fragments」が入っています。すると,splinterが,自動詞「バラバラになる」の意味だったのが,他動詞「~をバラバラにする」に変り,バラバラになったのは,落ちてきた石ではなく,階段の方だという意味に変るのだとクリストファーさんは説明してます。

次の下書きはこんな感じです。ここではまだピピンがパランティアを拾うという話が入ってないそうですが。。
<本文>
ギムリ「他にも何か投げる物があるかもしれないぞ。もし今のが議論の終わりだという意味なら,急いで(石の)射程距離から離れよう。」するとガンダルフ「これで終わりじゃ。木の鬚に何が起きたかを話さねばならぬ。」メリーが「彼は後で考えるのでしょうか? 他の方法はないのでしょうか?」ガンダルフ「それはありそうもないのう。少なくてもあやつはわしらからは引き下がる事を選んだのじゃ。しかし物事は悪い方向には行っておらんぞ。盗賊を妨害するには盗賊を使え,じゃ。Set a thief to hinder a thief.(これは,Set a thief to catch a thief. 盗賊を捕らえるのには盗賊を使え。=その道のことはその人に任せた方が良い。という諺のモジリのようです(笑))(削除→そして悪意は機知を眩ませる,じゃな。And malice blinds the wits.)オルサンクに入ってみれば,馬鹿な蛇の舌が投げた物よりずっと良い物がみつかるぞ。」その時鋭い叫び声が上から聞こえてきました。「‥と,思うがの。」とガンダルフ。「さあ,行こう」
</本文>

木の鬚は最後に,「やつが我々を7回苦しめても,まだ見飽きないだろう。」と言いました。

Run!Run!Run!