ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME8 1-V The Voice of Saruman (2)

2006-05-16 23:36:54 | Tolkien・HoME
オヤジギャグにはまだ続きがありました。(笑)
<本文>
「自分の意思に反して家のてっぺんに閉じ込められた客は,ノックして謝って頂く権利があるじゃろう。何と答えるかね?」
「別に。特に今お前と一緒にいる連中には何も言う事はない。いずれにしても,あの会見に付け加える事はほとんどない。」
「何も言わずに撤退するというかの?」
サルマンは固まります。「撤退?!」彼はゆっくりと言います。「もし私の熱意と失望に於いて,お前に好意的でない事を言ったとしたら,それを撤退と考えるか。もっと前に整理しておくべきだった。お前は友好的でなく,私の意図を誤解してきた,もしくはそういうフリをしてきた。しかし,繰り返すが,私はお前には敵意を持ってはおらぬ。今でも,‥お前の仲間が私を傷付けても,お前を許す用意はある。こやつらと手を切るならな。今は以前ほど力はないが,私との友好を保つ方が彼らとそうするより利益があるとわかるだろう。我々は共に古来からの高貴な知的職業に就いている者だ。我々は互いを理解するべきだろう。("We should understand one another.") もし私の助言を求めるなら喜んで受け入れよう。こちらへ来るか?」
</本文>

トールキンさんがニヤニヤしながらここらを書いていた様子が思い浮かぶようです。ったく,口の減らんじじぃ達だわ。(笑) でも,ガンダルフにしたって,根っこではサルマンは仲間と思っていたのですね。彼は決して自らの手でサルマンを殺さず,チャンスを与えて,立ち直って欲しいと思っていたように見えます。

ところで,ここでまたトールキンさんは「お互いを理解する」を意味するunderstand one anotherを使っております。結局トールキンさんはeach otherよりone anotherが好きだったのか?というようにも見えますが,ここでもやっぱり第三者(ラダガストなど)を含めているようなニュアンスがありますね。(トールキンさんとunderstand one anotherについての記事はこちら

この後,ガンダルフは笑って,"Understand one another?"と言ったそうです。という事で,続きを見てみましょう。

<本文>
ガンダルフは笑って「互いを理解するじゃと!? わしは知らん! じゃが,サルマン,あんたの事は理解したぞ。‥よくわかった。いや!そちらには行かん!あんたはよきアドバイザーじゃ。あんた自身のじゃがな! 蛇の舌も十分ずる賢い。しかしアイゼンガルドはちょっとグラグラしておる。古いから修理が必要じゃよ。そちらから降りて来てはどうじゃ?」

一瞬,サルマンの顔に,隠す前に,ずる賢さが見えましたが,それは恐れと安堵を含んでいました。彼はためらいを見せ「残虐な木の悪魔に切り裂かれるか? それはいやだ!」するとガンダルフは,「あ~,皮膚の心配をする事はない。O do not fear for your skin.(笑) あんたを殺すつもりはない。わかっておるじゃろう。それにわしがNoと言えば誰も傷付けたりせぬ。最後のチャンスじゃ。フリーでオルサンクを離れるか,‥」「ふむ,ガンダルフらしい。しかし何故私がオルサンクを離れなくてはならぬのだ? それに『フリー』とは何だ?」

「理由はいくらでもあるがのう。『フリー』とは罪人ではない,という意味じゃ。ただし,担保として,オルサンクの鍵と杖はわしが頂く。もしよければ,後で返す。」

サルマンの顔は一瞬怒りで曇ります。しかし彼は笑い,「後で,か。それはお前はバラド=ドゥアの鍵も手に入れてから,という事だな。そして7つの冠と,5人の魔法使いの杖,今お前が持っている物より大きな靴だ。慎ましいプランだな。

(何だ?大きな靴って?(汗))

‥しかし私はそろそろここを去るぞ。私と取引したかったら,私と取引しろ! 道理をわきまえて話せ。残酷で馬鹿な奴らとは一緒に来るな。」
</本文>

どうもこの辺のガンダルフのセリフを日本語にすると,なんだかダンブルドア校長入っているなあ~(汗) どうも言葉遣いが同じになってしまうんですよね。(汗) でも,ひょっとして,ここのガンダルフって,白のガンダルフだし,昔の,大人気ないすぐ怒るガンダルフとは違うって事なのでしょうか。。

Run!Run!Run!