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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

☆ バイデン大統領が日本は「外国憎悪」と批判

2024年05月11日 | 平和憲法

  =たんぽぽ舎です。【TMM:No5018】「メディア改革」連載第151回=
 ☆ 岸田首相と「価値観共有」謳った3週間後

浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

◎ バイデン米合州国(本多勝一氏に倣い合衆国ではなく合州国とする)大統領は1日、首都ワシントンで行われた選挙資金集めイベントでのスピーチで、自身が「ゼノフォビア」(xenophobic、偏見・憎悪に基づく外国人嫌い)と呼ぶ国のリストに中国ロシアとともに軍事同盟国の日本を加えた。

 バイデン氏はアジア系や太平洋諸島出身の献金者に対し、「米国経済が成長している一因は、あなた方にある。我々が移民を歓迎しているからだ。中国の経済がひどく失速しているのはなぜか。日本が問題を抱えているのはなぜか。ロシアの場合はなぜか。インドの場合はなぜか。彼らがゼノフォビアだからだ。彼らは移民の受け入れを望んでいない」と力説した。

 また、「移民こそ、我々を強くしている。ジョークではなく、誇張でもない。ここにいたい、貢献したいと願う労働者が流入しているからなのだ」と述べた。
 Bloomberg通信は<米国の2大ライバル国と並べて日本に言及したことは、日本政府の反発を招くかもしれない>と論評した。
 Bloombergの原文記事の見出しは Biden Now Calls Ally Japan‘Xenophobic’ Along With China, Russia だった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e69d131f08103c6bb220d77f31622232d7525c50

◎ バイデン氏が「ゼノフォビア」という言葉を使って日本を批判したことに驚いた。岸田首相は4月の国賓訪米で、「日米は法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を、先頭に立ってリードする」などと謳い上げていたが、米政府は日本を閉鎖的な国と見ていることが明らかになった。

 国際政治学者の六辻彰二氏はヤフーニュース記事でこう解説している。
 <日本メディアでは「排外主義」と翻訳しているところが目についたが、この訳語はやや生ぬるい。現代世界で「xenophobia」という語は、単なる恐怖や警戒ではなく憎悪や軽蔑の感情を強く含んだものとして用いられる。だからうかつに用いれば、相手に向かって「お前は差別主義者だ」と言っているのと同じくらい強い非難の意味になる>
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/9ad9201bcf22552eae4732b0deb3d3ed98cd6510

 ☆ 「移民受け入れ望まない国」発言の謝罪なし

◎ カービー広報補佐官(国家安全保障担当)は2日の会見で「大統領が主張したのは、米国は移民の国であるということだ」と説明。ホワイトハウスのジャンピエール報道官も「移民がいかに米国を強くしているかについて話した」と記者団に釈明。今後も同様の発言を続ける可能性について「大統領次第だ」と説明し、謝罪にも応じていない。
 その後、米CNNは、バイデン氏が今年3月にも、スペイン語放送のラジオ局のインタビューで「日本人や中国人は外国人嫌いだ。ロシア人もそうだ。彼らはロシア人、中国人、日本人以外の人々に(自国内に)いてほしくないのだ」などと発言していたと報じた。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/7a8090b68ae4fd4cf3ce1766ef9b6a0b10a28ae4

◎ 軍事同盟を結ぶ“宗主国”ともいうべき米国のリーダーが日本を外国憎悪の移民拒否の国と非難したのだから、大ニュースだ。ところが、新聞各紙は総合面などで地味に報じた。テレビも特集を組まない。
 日本政府から公式のコメントはなく、報道各社が「日本の政策に対する正確な理解に基づかない発言があったことは残念だ」と米側に申し入れた4日報じただけだった。
 情報源は「日本政府関係者」と曖昧で仮名だ。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240504/k10014440261000.html

 ☆ 日本は6日後に林長官が「残念」表明だけ

◎ バイデン発言から6日後の7日、林芳正官房長官が記者会見で、「正確な理解に基づかない発言であったことは残念」と述べただけで、抗議もしなかった。林氏は、バイデン氏の発言が不正確だという点を明確にすべきだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/22483f25b03c1942123a7fa2d0ccbd3c405c6d06


◎ バイデン氏は2023年6月20日、カリフォルニア州で開いた支持者集会で、「日本は軍事費を増やしてこなかったが、私は日本の指導者に3回会い、彼を説得した。彼もそうすべきだと確信し、日本は急激に軍事費を増やした」とアピールした。日本政府は慌てて23日、「バイデン氏発言は誤解を招き得る」と米側に公式に申し入れ、バイデン氏は27日、「彼(岸田氏)は既に軍事費増を決めていた」と訂正した。

◎ 今回、日本政府が訂正を求めないのは、バイデン氏の指摘が正しいからだろう。日本は移民受け入れ政策は取らないと明言し、難民認定者数も「先進民主主義国」では桁違いに少ない。今年4月、入管庁が発表した23年における難民申請者数は13,823人で、難民認定者数は303人。「過去最多」というが、認定数の大幅な改善はみられなかった。
https://www.refugee.or.jp/report/refugee/2024/03/post-15031/

◎ 日本に20年以上住む英語教師の米国人の友人は「日本で日本人女性と結婚し、子どももいるが、日本社会は私が同化することを拒むことが多い。日本の植民地時代の朝鮮半島から渡日した人々の末裔である在日朝鮮人は、未だに日本に共生する仲間とみなされない。あと、何年住めば同じ日本社会の一員として正当に扱われるのかと思う」と話している。

『たんぽぽ舎』メルマガ【TMM:No5018】2024年5月8日

 


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