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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

東京「君が代」第3次訴訟第15回口頭弁論学者証言報告

2013年12月29日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ※ 東京「君が代」第3次訴訟いよいよ結審
   2月7日(金)15:00~ 東京地裁527号法廷→103号法廷に変更
 →さらに2日前に、異例の期日延期の通知、2月7日は中止になりました。

  「日の丸・君が代」処分取消(第3次)訴訟公判報告(第15回12月6日)
 ◆ 憲法学者 巻美矢紀氏、証人尋問に立つ!!


 12月6日、傍聴に駆けつけた原告・支援者は、傍聴席を大きく上回る100人余り。70人近い人が抽選にもれ外で待機、法廷は熱気に包まれた。「何とか学者証人を!」という原告側弁護団の熱意が裁判官を動かし、この日実現したからである(原告団は3名の証人を求めたが、当初の裁判所の回答はゼロだった)。
 巻美矢紀氏(千葉大大学院教授)の主張の核心である“①この訴訟を憲法19条(「思想・良心の自由」)のみに焦点化すると問題が矮小化されてしまう、公教育への公権力の行使の限界を問うべき②公教育における国家の介入の限界即ち“反全体主義原理の問題として問うべき”という視点での陳述書の主張に、“今までと違う!”と率直に感じたから、多くの傍聴希望者がかけつけたのだと思う。
 13時30分、いよいよ巻氏が証人席に。原告側の主尋問が始まった。弁護士の質問に答えつつ巻氏の陳述はこの間の「日の丸・君が代」裁判の最高裁判決と旭川学テ判決に踏まえながら、判決(憲法解釈)の矛盾をつく形で展開された。
 難解な部分もあったがその論理のラディカルさと新鮮さに(であろう)傍聴席から思わず拍手がおきる場面が何度かあった。
 巻氏の陳述の中で、印象に残ったことを紹介しよう。

 【第1】 この間の最高裁判決が「職務命令が思想・良心の自由を間接的に制約する」ことを認めた意味が浮き彫りになったこと。
 すなわち、都教委は、職務命令の目的は「式典を円滑に進行するため」としているが、実際は不起立者が出ても進行に支障をきたした例はない、むしろ職務命令は「立てない教員」に少なからぬ心理的矛盾・葛藤を生じさせ、結果として重い負担を課した(これを最高裁は「間接的制約」と表現した)、これこそが「10・23通達」にもとづく起立斉唱、伴奏職務命令の真の目的であり、それが妥り出されたのだ。最高裁が「間接的制約」と認めたということはそういうことを意味するのだ、ということ。
 【第2】 最高裁判決は、職務命令の根拠を「学習指導要領」(「国旗・国歌条項」)に謳われている「指導するものとする」に求めているが、起立強制は“指導”とはいえない
 通常の学校生活とは異なる「卒・入学式」において教員に一律に起立・斉唱を命じることは、生徒に強制していないとしても生徒に対して同調圧力を高めるものであり、明らかに“指導”ではなく、もはや生徒の判断を介在させない“刷り込み”でしかない、ということ。
 【第3】 上記のことからすれば、職務命令の目的は“円滑な式の進行”ではなく、「生徒への刷り込み」であることが明らかとなる。
 と同時に「刷り込み式愛国心教育」ともいうべき教育を「阻害」する教員を炙り出す「踏み絵」であり、これらの教員を教育現場から排除することを意図するシステムをつくることである。「刷り込み式愛国心教育」は「明らかに公教育における公権力の行使の権限を逸脱している、憲法違反である」と締めくくった。
 「最後に」と、「不起立という形で信念を貫いた原告の先生方に敬意を表します」という言葉で原告側尋問を終えた巻氏。学者証言でこんな言葉も初めて、驚きであった。
 これに比して都教委側弁護団の反対尋問はお粗末だった。最高裁判決や学習指導要領、国旗・国歌法の事実関係しか質問しない。
 この証言を聞いて改めて思う。これでこの裁判に負けたら、司法の腐敗は明々白々。暗黒時代の到来を予想させる特定秘密法案はろくな審議もしないまま強行採決成立、しかし今、ここからが正念場だ、と。
(第3次原告 高槻)

『「日の丸・君が代」の強制者を告訴・告発する会ニュース』(49号 2013/12/17)

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