新採・若手教員へのパワハラ・イジメにストップを！

　　《教育労働者全国通信 第63号から》
　◆ 新採教員への退職強要を許さない／職場の団結で不当解雇をうち破ろう
　２０１４年度条件付採用の新採教員に対する退職攻撃が始まっています。校長や教育委員会の権限によるまったく不当な解雇を許してはなりません。条件付教員採用制度・初任者研修制度の核心は「解雇自由」であり、それを通しての団結破壊・労働組合解体攻撃です。
　今、新採教員が次々と勇気を持って「退職強要」拒否、解雇撤回に立ち上がっています。絶対に孤立させてはなりません。「一人の首切りも許さない」で闘うのが労働組合です。職場の団結があれば不当解雇は打ち破れます。
　◆ ８８年に「条件付」期間が一年に延長
　条件付教員採用制度は、１９８６年中曽根政権の「戦後政治の総決算」に対応する、「戦後教育体系の総決算」を図るものとして設置された臨時教育審議会「第二次答申」で提言されたものです。
　「教育の荒廃」「教員の資質低下」があおられ、初任者研修の義務づけとそれに伴う教育労働者への条件付採用期間の一年延長が、８８年教育公務員特例法改悪で導入となりました。それは、国鉄分割・民営化と一体の労働組合解体をねらう新自由主義攻撃の開始だったのです。
　◆ 「厳格な運用」で退職強要・解雇が急増
　動労千葉の国鉄分割・民営化絶対反対の闘いは階級的力関係を根底において守り抜き、教育労働者は日教組指導部の制動をのりこえて現場での闘いで臨教審攻撃を跳ね返してきました。条件付採用での免職を阻んできました。
　しかし、９０年に日教組が「参加・提言・改革」路線に変質し、２０００年に教育改革国民会議が発足するや新自由主義攻撃が本格化します。地方教育行政法改悪で「教員免許更新制の検討」「不適格教員」の排除、校長の人事権、教員採用権の強化、東京都の人事考課制度導入などです。
　そして０６年第１次安倍内閣の教育基本法改悪に先立つ「条件付採用制度の厳格な運用」を画期に、新採の退職強要、分限免職が急増したのです。
　◆ 「裁量権」でクビにされてたまるか
　地方公務員法２２条１項が規定する条件付採用制度は、その趣旨・目的を「試験により採用された職員中に適格性を欠く者があるときは、その排除を容易にし、採用における成績主義の原則を貫徹することにある」とされ、「条件付採用期間中の職員は、いまだに正式採用に至る過程にあるもの」ということで「職員の分限処分については任命権者に相応の裁量権が認められる」とされています。（最高裁判示）。
　この「趣旨・目的」を根拠に、任命権者である教育委員会と校長による「自由裁量権」が横行し、管理職に意見や疑問を出す新採は疎まれ、「指導力不足」「不適格」と決めつけられて「自主退職」、拒否すれば分限免職に追いやられるようになっていったのです。
　◆ 職場の闘いでクビ切り阻止を
　しかし、組合が闘いを放棄している中でも近年、何人もの新採教員が「退職強要」を拒否して解雇撤回に立ち上がり、裁判で「免職取消」をかちとっています。
　勇気を持って解雇撤回に立ち上がった青年教育労働者と連帯するとともに、「条件付採用制度・初任者研修制度」そのものを廃止させる闘いが決定的に求められています。
　この制度は、新採にだけかけられたものではなく、業績評価制度や改悪地方公務員法の分限処分と一体のもので、すべての労働者の問題です。退職強要、嫌がらせやパワハラは、過重労働と職場の分断で新採が孤立させられている中で横行している職場全体の問題なのです。職場が団結して闘えば必ず打ち破れる攻撃です。
　◆ 労働組合の問題だ
　すべての教育労働者が競争ではなく団結を、教員同士の協働を熱望しているはずです。条件付採用制度廃止の闘いは、団結を奪い返す闘いそのものです。初任者研修が、子どもと触れあう時間を奪い、研修報告などで過重労働に追い立て、精神的にも肉体的にも追いつめ自死にまで追いやっているのです。
　労働組合がこれとどう闘うか、まさに「労働組合とはいかにあるべきか」が問われる決定的な問題です。職場から闘う労働組合を甦らせる！　いよいよその時が来ています。
※「新採教員の免職取り消し判決」
http://wind.ap.teacup.com/people/9176.html
　免職取り消しをかちとる
　闘えば勝てる！
　声を上げ、団結を取り戻そう！

『教育労働者全国通信 第63号』（2015.1.26）