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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「君が代強制に警鐘」大阪府の元教員梅原さんの勝訴最高裁で確定

2022年06月24日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 「君が代」強制最高裁で大阪府敗訴確定 (東京新聞【こちら特報部】)
 君が代斉唱で起立せず、戒告処分を受けたことなどを理由に再任用を拒まれたとして、大阪府立高の元教諭が府に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁が府側の上告を退けた。府に支払いを命じた二審判決が確定。原告側は「君が代強制に警鐘」「希望が見えた」と評価している。(中沢佳子)
 ◆ 元教諭「希望が見えた」

 「ほっとしました」。十六日付の最高裁決定に、原告の梅原聡さん(66)は胸をなで下ろす。
 「君が代強制がいけないとまでは踏み込んでないが、再任用拒否は違法と認められた。希望が少し見えた」
 現役時代、勤務校の式典で君が代の起立斉唱をせず、戒告処分を二回受けた。
 初任地で人権教育を担当し、「日の丸・君が代」が日本が繰り広げた侵略戦争の象徴と知ったからだ。日本の軍国主義のもとで虐げられた在日韓国・朝鮮人の歴史を思うと、立って君が代を歌えなかった。
 「今も在日の人々が暮らし、たくさんの子どもが学校に通っている。日の丸や君が代を学校へ強制的に持ち込ませちゃいかんと思った」
 二〇一七年三月末の定年退職を前に再任用を望んだが、起立斉唱を含む職務命令に従うかという校長からの意向確認に答えず、任用されなかった。
 憲法で保障された思想や良心の自由を侵害されたとして提訴した。
 一審は訴えを退けたが、大阪高裁判決は、希望者の99%が再任用され、体罰でもっと重い懲戒処分をされた人も認められていると指摘。「合理性や相当性を欠き、裁量権の逸脱に当たる」と認め、府に約三百十五万円の賠償を命じた。
 ◆ 再任用拒否に「違法」府教委「残念」

 この判断が確定した最高裁決定。府教育委員会の担当者は「再任用するかは総合的に判断している。主張が認められず残念だ。今後の対応は検討しているところ」とする。
 梅原さんは「何が『残念』や。今んとこ反省の言葉もない。どう検討したんか、今後のこと尋ねんと」とため息をつく。
 最高裁は一八年、起立して君が代を歌わず退職後に再雇用されなかった東京都立高の元教諭らが都に損害賠償を求めた訴訟で、「再雇用の合否は任命権者の裁量に委ねられている」として請求を退けている。
 梅原さんの代理人の谷次郎弁護士は「その前例があっても、違法性を認めた。教委の裁量権行使に一定の縛りを与える。教員にとどまらず、公務員全体の再任用に影響するのでは」と語る。
 大阪では、式典などで教職員に起立斉唱を義務付けた条例が、橋下徹府政下の一一年に成立している。
 谷氏は「強権的な君が代強制に警鐘を与える。首長の関わり方や、窮屈な大阪の公教育を見直す一歩になる」と期待。
 同代理人の小谷成美弁護士も「意向確認の違憲性は認めないなど問題は残るが、不平等な扱いを認め、不起立の人を狙い撃ちして再任用を拒んではならないと判断した。良心に基づいて立たなかった教職員に、厳しい態度をとった府を断罪した」と話す。
 ◆ 東京訴訟でも「励みになる」

 君が代と言えば、東京都教委も石原慎太郎都政下の〇三年、起立斉唱に従わない場合は懲戒処分する「10・23通達」を出し、処分を連発。処分された教職員の提訴が続き、昨年三月にも処分取り消しを求める集団訴訟が起きている。
 原告側の平松真二郎弁護士は「処分そのものの撤回を求める東京訴訟に直接影響はないだろうが、処分された人の再雇用を巡ってくぎを刺した」とみる。
 処分を受けた教職員らでつくる「被処分者の会」の近藤徹事務局長も「励みになる。定年後も希望すれば基本的に六十五歳まで働けるのに、処分歴を理由に再雇用を打ち切られた入が東京の原告にいる。教委の度が過ぎた差別的な扱いを、裁判で明らかにしたい」と意気込む。
『東京新聞』(2022年6月22日【ニュースの追跡】)

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