パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ちょっと、待って!主任教諭制度

2008年12月19日 | 暴走する都教委
  ★ ちょっと、待って!
 主任教諭制度は、あなたをどこにつれていく?


 本質は、どこまでも強いられる従属化と、終わりなき競争の差別賃金制。あなたが乗ろうとしている列車は超危険。列車はみんなで止めなくっちゃ。

 ★ 主任教諭制度

 ストライキもうてずに妥結した主任教諭制。賃金ダウンはさせず、等級で調整する、として手がうたれたが、とうとう6階級の格差賃金体系が教育労働の現場に入りこんでくる始末となった。
 30才の教員が「主任教諭」にならずに60才定年をむかえたとすると1600万円程の格差がっく。40才の人が「教諭」のまま定年になると1250万円程、50才でも350万円程、なった場合との間でひらきがでてくる。(あくまで概算。退職金の職務加算ポイントが大きい。)
 これだけを見れば、誰だって"なった方が得!"と思うに決まっている。しかし、誰もが"?""これって本当になっていいの?"とも思うだろう。明確に管理職への階段を上がろうと思っている人以外は。そう、これは駆け込んではいけない、危険な列車だ。
 ★これだけ格差をつけるのに、財源はどこから?決まっている。下から削って上へもっていっているだけ。つまり、もらう人はもらえない人の賃金を削っている。

 ★ 主任教諭選考とは

 都教委は、本人の申し出により「職務レポート及び勤務実績」を「総合的に判断して」合格者を決定する、と言っている。しかし、有資格者すべてが主任教諭に任用されるわけではない」「2年間はハードルを低くするが、若い教員には主任教諭になるために、充分な努力をしていただくっもりだ」とも言っている。
 あれ?。「総合的判断」などとは、どこかで聞いた灰色ジャッジだ。これまでの人事考課の開示請求から明らかなのは、勤務ぶりや職場や保護者の信頼が厚くても「反対意見を言った」ということが大きな評定要素になっていることだ。最近、「反対意見を2回以上言った」教員全員が人事構想外の異動を命じられるという事態もおきた。(反対意見の回数を書きとめている)
 昨年、C評価がついた人も多いだろう。一昨年はB評価だったのに、と思った人も多いはず。これは都教委がC,D評価を20%つけろ、と校長に評価表をつっかえし、「指導」した結果だ。
 三鷹高校の土肥校長に暴露され、明るみに出た。西部と中部の支援センターの担当者も認めたそうだ。
 絶対評価である、と公言しているこの業績評価ですらこれほど恣意的である。(ちなみに都庁職などはC,Dが5%、これまで教員も同様だった)
 まして、どこから出たか、根拠のない数字の13,500人の主任教諭を誕生させるのに、「総合判断」とは、つまりは反対しない人を選ぶということだ。
 給料に1000万円単位の差がつく"選考"が、校長や都教委のさじ加減とはとんでもないし、主任教諭制度が目的にしているのが、従順な教員づくりにあることは明らかである。

 ★ 給料表はすぐフラットへ

 人事委員会勧告では、毎年のように昇級カーブのフラット化と言われている。2級職の給料表の終わりの方を平らにする、ある年齢以降はほとんど昇級しなくなる(1号あたり500円前後)ということだ。そこで削った原資を管理職に上乗せしている。毎年これが行われているから、現在で50才をこえるとほとんど横ばい状態である。
 新2級職ではこれが45才くらいにやってくる。新3級(主任教諭)ですら、現在の2級と変わらない早さで横ばいがやってくる。
 主任教諭も一時的なステップで、主幹、副校長、校長(統括校長)へと上がっていかない限り、充分な給料を手に入れることはできなくなった。まさしく格差賃金体系へ転換しようというのが、今回の主任教諭制度だ。(やってる仕事は同じなのに)

 ★ 職階給制が自明である、と刷り込まれた教育現場とは

 階段を上るように、職階を上ることが当たり前の職場とは、単に給料格差の問題ではなく、教員の生き方、教育実践のあり方そのものが変えられるということだ。
 ステップを上らないと"普通"ではなくなり、出世競争の激化は関係性の断裂と服従を生む。これで教育に創造的情熱がかたむけられる?
 新自由主義(①人為的に競争を作り出し、労働者を競争に駆り立てる、②市場原理を本来なじまない医療や教育、福祉、運輸などに浸透させる、そして利潤をあげる)という、とんでもない経済政策の下で、民間にはいち早く導入されたが格差賃金体制は破綻。結局、やる気も協力もわいてこず、収益が落ちていったという結果が世界規模で証明されているのに、20年遅れでやろうとする。
 ことは会社の収益ではなく、教育、子どもの人間性、人格の発達。列車にとびのり、この体制を支えるのはちょっと待った。とにかく、よく考えよう。よく見てみよう。よく知ろう。また、これを機会に講師等の人たちのしんどさにも目を向けてね。

08.12.1
発行:アイム’89北養分会(渡辺)


『ほっととーく 72』より
「良心・表現の自由を!」声をあげる市民の会
〒176-0012 練馬区豊玉北5-17-7-303 サポートねりまねりま全労協気付
郵便振替:00140-6-517545 加入者名:声をあげる市民の会

コメント    この記事についてブログを書く
« 嘱託採用拒否撤回裁判 11.... | トップ | 竹内行夫にバッテンを! »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

暴走する都教委」カテゴリの最新記事