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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

神奈川県立学校の卒業式に向けて申し入れ

2019年02月19日 | 日の丸・君が代関連ニュース
県立学校校長のみなさま
2019年月1日25日
個人情報保護条例を活かす会
共同代表 外山喜久男 中森圭子

◎ 卒業式・入学式において「内心の自由」の事前告知を要請します

 今年1月7日、ある出版社が新聞3紙に「嘘」をテーマにした2種の広告を出しました。そのうち朝日新聞に出されたものは「嘘つきは、戦争の始まり。」というものです。まさに嘘と隠蔽に満ちた今の政権への警告と読めるのではないでしょうか。
 その政権が憲法9条の改憲を行おうとしています。
 安倍首相は「従来の9条1、2項をそのままにして自衛隊の存在を書き込むだけだから何も変わらない」といいます。これも「嘘」と言えます。
 国会、内閣、裁判所、会計検査院と並んで5番目の国家機関として憲法に書き込まれるのは、防衛省や各省庁などではなく実力部隊である自衛隊です。
 もし、本当に改憲となれば日本の社会は自衛隊を軸にガラッと変化することになることでしょう。学校も戦争を可能とする教育が強まり、自衛官募集に苦しんでいる現在の状況を考えると徴兵制さえ導入する可能性は十分にあり得ると思います。
 「日の丸・君が代」を国旗・国歌と定める法案が成立したのが1999年でした。そのとき、同時に成立した法案は、通信傍受法、住民基本台帳法、周辺事態法などでした。
 これらは、その後共謀罪やマイナンバー制度(国民総背番号制度)、重要影響事態法(新安保法制のひとつ)と強く結びついたり、さらに強化される土台となったものです。
 「日の丸・君が代」が単に「国旗・国歌」の定義だけで済まず、強制に突き進んでいる理由も、軍事化、監視化する国家と極めて密接に結びついているためであり、その総仕上げが「憲法改正」にあることはもはや明らかです。
 「君が代」斉唱時の不起立教職員の氏名収集は、対象者がひとりとなった今も続けられています。一人の例外も許さない、この異様な徹底ぶりこそ学校が新たなる戦前に入りつつあることを物語っているように思えます。
 昨年(2018年)12月、私たちは毎年行っている県教委との話し合いを行いました。
 その席で行政課の担当者は「子どもの人権を大切なものとして考えていない新採用教員が想像以上にいる。これが教員になろうとしている人の人権意識のスタートだということにショックを受けている。5年後に再調査を行うとその割合はさらに多くなっている」と語っていました。
 疑うことを知らず、上意下達に慣れてしまった教職員の姿を物語っているように見えます。
 このようなところから戦争に送り出す教職員がつくられていくのではないかと危惧せざるを得ません。この事態がまずいと本当に理解できる力があるのかどうか教育関係者全体に問われていると思います。
 私たちは「日の丸・君が代」の強制を会の発足以来一貫して問題にしています。それにこだわる理由は前述の文章から察していただけるものと思います。
 国旗・国歌の法制化に当たって、当時の政府は「今回の法制化に当たり,国旗の掲揚等に関し義務づけを行うことは考えていない」(小渕首相1999.6.29)、学校行事において「起立する自由しない自由、斉唱する自由しない自由があり画一的にしようとするものではない」(野中官房長官1999.7.21)と発言しています。
 最低限この政府回答は実現してもらいたいと思っています。

 式に際して一同起立の呼びかけは行動を求める非常に強いメッセージです。それ以外何も言わなければ生徒にとっては、選択の余地なしの強制にしかなりません。
 しかし、「主体的にものを考えられる生徒」をつくることが学校の役割であるなら、「起立斉唱しなくてもよい自由」も権利としてあることを伝えて初めて考える契機が与えられ、「思想・良心の自由」を体験的に学ぶことができます。そのような学校であってほしいと願っています。
 また、教職員については生徒と立場が異なるとはいえ、「思想・良心の自由」の問題であるにもかかわらず、これを「服務規律」の問題にすりかえるようなことを行えぱ、人権感覚が劣化してくるのは当然と言わざるを得ません。
 国連・自由権規約委員会でも日本の「日の丸・君が代」強制は問題にされ始めています。日本が人権の国際標準から大きく後退していることは、「人質司法」などと呼ばれ、世界からひんしゅくをかっていることにも表れているのではないでしょうか。
 今年は天皇の代替わりが行われます。それに伴って新元号が公布されますが、その使用に関して生徒・保護者はもちろん、教職員にも強制がなされないよう要請いたします。
 高校教育課は、元号を使用しなければならない文書規定はないし、元号を使わないことによる処分もないと明確に答えています。
 加えて、「慣例」という名のもとに元号が強制されることのないよう、重ねてお願いいたします。
 今年も以下の諸点を要請いたします。
1.「日の丸・看が代」の強制をしないこと
2.卒業式・入学式に際しては事前に「起立・斉唱」は強制するものではないことを参加者に伝えること
3.2014年の国連・自由権規約委員会勧告22を教職員に周知するとともに、それが活かされた学校運営を行うこと。
4.君が代斉唱時における不起立教職員の氏名収集・報告を行わないこと。

5,元号の使用を生徒保護者・教職員に強制しないこと。
 以上


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