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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

9・4東京「君が代」裁判 傍聴者の声

2008年09月08日 | 日の丸・君が代関連ニュース
「被処分の会」星野です。

 ★ 東京「君が代」裁判(第一次訴訟)9・4第8回口頭弁論 傍聴者の声 【2008・9・4】
 ◎ 闘うことの大変さと素晴らしさを実感させられた



「報告集会」 《撮影:平田 泉》

 原告証人尋問:都立高校原告4名、障害児学校原告1名

5人の原告の証言、素晴らしかったと思います。一人一人の持ち時間がとても短かったにもかかわらず、それぞれの方の個性が表れ、5人全体を通して聞くと、10.23通達による「日の丸・君が代」の強制が、如何に教育現場を歪め、良心的な教員が如何に苦しんでいるのかということが浮かび上がるような構成だったと思います。
 YUさんの証言では、強制ではなく、本当の教育を目指して、日々地道に努力している良識的な先生像が浮かび上がっていました。
 IOさんの証言では、沖縄で生まれ育った経験から、「日の丸」が本土復帰の象徴であった時もあったが、核も基地もない平和な沖縄となる本土復帰の願いが裏切られ、「日の丸」が沖縄を地獄に落とした過去の侵略戦争の負の部分を象徴するようになったことが語られました。「『日の丸』が悪いのでのはなく、『日の丸』の使われ方が悪いのだ」という彼の言葉には説得力がありました。私は気が付かなかったのですが、ここで裁判長がメモを取っていたのを見ていた傍聴人がいました。
 HAさんの証言では、10.23通達以前の障がい児学校の温かな卒業式の様子が語られ、私の長女が養護学校に通っていた頃のことが思い出されました。そのような養護学校の温かな空間を壊していく10.23通達に象徴される都教委の政策に対して、保護者としての怒りと悲しみを再確認するようなHAさんの証言でした。

 YOさんの素朴な人柄は、国歌斉唱時の不起立者に対する偏見を取り除く効果を持っていたと思いました。彼の純粋さにつけ込んで、都教委側の弁護士が、都教委のストーリーにのせて、『教員達が校長の言うことに従わずに、国歌斉唱を強行に抵抗し続けていた』という印象を持たせるような証言を引き出そうと必死に迫っているのを感じました。でも、国歌斉唱が強制されない状態で、生徒の意見を聞きながら、生徒と共に卒業式を作ってきたことが、ごく普通の常識的な学校の姿なのだということを自然体で彼が語っていたことが、素晴らしいと思いました。彼が1回不起立をした後、処分による苦痛のなかで立ったり座ったりしたこと、もう教員をやっていけないと悩みながらも、立たざるを得なくなって起立した苦痛を語っている時、都教委側の弁護士や後ろの役人の顔を見たら、『成果が上がったぞ』とか『よしよし』とかいう満足げな顔をしている人は誰もいませんでした。みんな本心では教育現場でのこのような残酷な状況がよいと思っているわけではないのだなと感じました。
 Oさんの証言の時には、泣き虫の私は涙が止まらないまま聞いていました。人事委員会審理の時も、傍聴して泣いていたのですが、何度聞いても涙が出てきてしまいます。戦前のような国家神道の強制で良妻賢母教育なるものを行っていた私立女子校に彼女が勤めていた時のこと、暴力的に生徒に強制せざるを得ない状況に追い込まれ彼女が行った行為への悔恨を彼女が語る時、彼女は過呼吸を起こしそうになります。いつも溌剌としていて、頭の回転が速く、議論には負けない彼女を知っている教員仲間でも、彼女の苦しみの過去を知っている人はあまり多くなかったのではないかと思います。あんなにシャンとしている彼女でさえ、異常な状況の中で、そんな体験をしたのかという驚きは、今の都立高校の危険な事態を鮮明にみんなに印象づけたように思いました。戦犯が自らの罪を告白しているかのような彼女の姿には、圧倒されるものがありました。そんな酷い女子校に勤務せざるを得ず、精神的なストレスで病気にまでなったことで、自分は被害者だと思っていたが、10.23通達後の都立高校の入学式で、生徒が立っている姿を見た時に、自分は加害者であると気が付いたという彼女の深い洞察を、都教委側の弁護士は全く理解できないという素振りを見せていましたが、中西裁判長は彼女の証言で鼻を押さえ、表情が変わったそうです。その様子を観察していた傍聴人がいました。
 中西裁判長のさらなる飛躍を期待しています。次の弁論の5人の原告証人の方と弁護士さん、期待しています。頑張って下さい。(MK 被処分者原告)

*学校現場で理不尽に苦しめながら奮闘されている先生の思いを通じて、教育とは何かを深く学ばせて頂きました。特にO先生の辛い証言、涙が出ました。闘うことの大変さと素晴らしさを実感させられた法廷と報告集会でした。地域から応援を広げたいと思います。   (YK  三多摩高校問題連絡会)

反対尋問がひどいものとは聞いていましたが、こんなにひどいものと始めて知りました。各証人は、よく耐えて答弁していたと思います。御苦労さまでした。    (YK 被処分者原告)

*7月17日の学者証言に続き、本当に素晴らしい法廷でした。特に、反対尋問をこちらに手綴り込んで、こちらの主張を更に補強する恐るべき法廷術、只々感服の極みです。
 私も訳あって、これまでいろいろと法廷闘争も含む闘いを経験し、その中には真向から対立しる事実認識で鮮かに『一本』を取ったりしたこともありますが、7月17日と本日の法廷で、プロとアマのレベルの差を見せつけられた思いがした。  (TM 市民)

*5人の人選が見事で、いつもながら弁護士さんの誘導とあいまって、多角的のこの問題にかかわる学校・教師・生徒の状況を明らかにし、都側の尋問のえげつなさをも含めて、裁判官の事態認識を一定深めることができたのではないか。
 Yさんの教育における指導と強制の問題、ひとりひとりの成育史にかかわって…沖縄での復帰とその後の日の丸のもつ意味や、養護学校、農業学校、Oさんの私立高校でのすさまじい体験…問題を深めたと思う。
 報告集会でのOさん『教育は強制を伴うの』では、行政のやる強制とは別の面も?という点は掘り下げて次回に向けてもう一段深めることが必要と思いました。私も考えてみます。一度、討議の機会をつくっては。梅原さんは、『強い指導』と言い方をしたが、もう一度教育学者にも考えさせて、もう一段深めてみては。      (MK 都立高校に自由をとりもどす会)

*今日の裁判を実況放送してくれるといいなあと思いました。報道関係者が傍聴していて、よくよく報道してくれることを願います。事務局の方も、どうぞ上手に記事にして、生徒、保護者、一般市民に知らせてください。せっかく来ていただいたのに傍聴できなかった方たちのためにも・・・。   (MI 被処分者原告)

<ヒゲメモ>
 反対尋問の都教委側弁護士5人は「原告教師はいずれも、上司から出された命令に素直に従わず、静粛であるべき式で反抗的態度(40秒間もの不起立!)をとった、お上に歯向かう不埒な連中であり、打ち首(懲戒処分・嘱託解雇・嘱託不採用)も当然」とばかり、不服申し立てした、人事委員会審理での発言、式前後の校長との話し合いでの細かな発言も用意しての、執拗に、えげつない尋問。前回(7月17日)梅原・茂木証人に対する同様、尋問するたびに、5人の先生たちから、原告側尋問の際に話ができなかった補強主張を堂々と展開していました。詳細は傍聴者の声からお読み取ください。
 10・23通達から5年目。「学校に自由を!」取り戻すために、人事委員会不服申し立て、地裁提訴とたたかいを継続してきましたが、「日の丸・君が代」強制を突破口に、教育現場はますます窒息状況が強まっています。「教員評価制度」・「免許更新制度導入」等上から言われるままの教師・生徒づくり・・・だからこそ私たちは黙っていることはできません。
 老人は後期高齢者医療制度で怒り爆発。若者は「使い捨て安上がりな派遣労働」で多くが労組づくりで怒り爆発。教師は今、声を上げずにいつ出すのだ。「教え子を再び戦場に送るな!」の決意をあらたに。
 本日も多くの皆さんが傍聴に駆けつけてくださりありがとうございました。入れ替えもうまくいかずお帰りになられた方も出てしまいました。この場をおかえりしてお詫び申し上げます。
 次回も原告証人 10月23日(木)第9回口頭弁論 12時40分傍聴抽選 東京地裁
(原告・代理人30名 傍聴参加者170名 心から感謝   被処分者の会 星野)

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