◆ いまからでも遅くはない (東京新聞【本音のコラム】)
それでも菅政権、東京五輪に突進しそうだ。「人類がコロナに打ち勝った証(あかし)」と大言壮語。
橋本聖子大会組織委員会会長は「レガシーとして残す」というがコロナウイルスの下、だれもが無事に済むとは思っていない。
菅首相得意の「安全安心」の強弁は、原発政策とおなじ「危険不安」の言い換えである。
多少の犠牲があっても既定方針は変えない。商機拡大を狙う、大スポンサーの期待がこめられているからだが、国民のいのちの保証はまったくない。
「東京五輪本土決戦」とわたしは書いてきた。
NHKのトップニュースは、毎日、自衛隊が設営した大会場に行列する、ワクチン注射風景。一億総動員。
子どもの頃に見た、婦人会のバケツリレーの防空訓練や長兄が庭に防空壕(ぽうくうごう)を掘っていたのを思い出した。
といいながらわたしもワクチン注射第一回を受けた。
防空頭巾よりは効きそうだ。
政府分科会の尾身茂会長が「開催は普通ではない」というのは「尋常の沙汰ではない」の婉曲(えんきょく)話法。
急降下した支持率を五輪の喝采で高めようとする、首相の邪念の犠牲にはなりたくない。
いま五輪中止、延期を望む声はまだまだ多い。
この際、急転、中止宣言。
人気挽回のウルトラ戦法がある。
もしも「本土決戦」で死者が発生したなら戦犯はバッハ会長か、ウソで誘致した安倍前首相か。
やはり菅首相であろう。(ルポライター)
『東京新聞』(2021年1月1日【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)
それでも菅政権、東京五輪に突進しそうだ。「人類がコロナに打ち勝った証(あかし)」と大言壮語。
橋本聖子大会組織委員会会長は「レガシーとして残す」というがコロナウイルスの下、だれもが無事に済むとは思っていない。
菅首相得意の「安全安心」の強弁は、原発政策とおなじ「危険不安」の言い換えである。
多少の犠牲があっても既定方針は変えない。商機拡大を狙う、大スポンサーの期待がこめられているからだが、国民のいのちの保証はまったくない。
「東京五輪本土決戦」とわたしは書いてきた。
NHKのトップニュースは、毎日、自衛隊が設営した大会場に行列する、ワクチン注射風景。一億総動員。
子どもの頃に見た、婦人会のバケツリレーの防空訓練や長兄が庭に防空壕(ぽうくうごう)を掘っていたのを思い出した。
といいながらわたしもワクチン注射第一回を受けた。
防空頭巾よりは効きそうだ。
政府分科会の尾身茂会長が「開催は普通ではない」というのは「尋常の沙汰ではない」の婉曲(えんきょく)話法。
急降下した支持率を五輪の喝采で高めようとする、首相の邪念の犠牲にはなりたくない。
いま五輪中止、延期を望む声はまだまだ多い。
この際、急転、中止宣言。
人気挽回のウルトラ戦法がある。
もしも「本土決戦」で死者が発生したなら戦犯はバッハ会長か、ウソで誘致した安倍前首相か。
やはり菅首相であろう。(ルポライター)
『東京新聞』(2021年1月1日【本音のコラム】)
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