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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

根津公子の都教委傍聴記(2017年5月25日)

2017年05月29日 | 暴走する都教委
  =5月25日都教委定例会傍聴報告=
 ◆ 教職員のわいせつ・体罰はどうしたら根絶できる?


 議題は公開議案が①「東京都教育委員会行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用並びに特定個人の利用及び提供に関する条例施行規則の改正について」、報告が②「教職員の服務に関するガイドラインについて」、③「都民の声(教育・文化)について[平成28年度下半期(10~3月)]」。
 非公開議題は議案が「校長の任命について」及び「教員の懲戒処分」、懲戒処分は報告にもある。前回の定例会でも「校長の任命」が議案になっていた。新年度が始まってすでに複数の校長が働けない状態にあるということだろう。
 ②教職員の服務に関するガイドラインについて
 ■2015年度のわいせつ行為等により処分を受けた者は23人。処分者数の教職員数に対する割合は全国平均の0、02%に比べ東京は0、04%(文科省2016年12月調査)と高い
 ■2015年度に体罰を行った者は62人(停職2 減給8 戒告20 訓告等32)、不適切な行為(児童・生徒への不適切な指導等、公費等の不正執行または手当等の不正受給他)を行った者は303人。2年前と比べると半数以下になったものの、少ない数とはいえない。 
 こうした現実に、「都教委は服務研修の実施や服務の厳正にかかる通知の発出により、服務規律の徹底を図るよう努めてきたところであるが、教職員による服務事故は後を絶たず」「教職員の服務に関するガイドライン」(全31ページ)を作成したという。
 このガイドラインを全教職員が精読し、学校では研修や服務事故防止月間等で活用し服務事故の根絶を図るのだと言う。
 1年前の3月3日の定例会においても、服務事故が減らないからと厳罰化するために「処分量定の改正」をした。
 現実を見れば、厳罰化したり、ガイドラインを精読させたりすることで犯罪というべき服務事故を根絶することはできないと私は思うのだが、都教委には有効策と思えるのか。あるいは、他に策がないということか
 事務方の説明を受けて教育委員から出された意見は、
 「精読したかをチェックしたらいい。試験をするのもいい」(宮崎教育委員)、
 「コミュニケーションの中で注意し合える職場にしていくことが大事」(秋山、大杉教育委員)、
 「ストレスの中での行為とは必ずしも言えないが、リフレッシュする機会を持つとか相談機関を設けるとかが必要なのでは」(山口教育委員)。
 後ろ2つの意見はそうだと思う。
 しかし、コミュニケーションができ、それによってみんなで作ってきた学校職場、教育活動をぶち壊したのは都教委、という認識が教育委員にはない。宮崎教育委員の案では教職員のストレスがさらに増してしまうだろう。
 都教委が教育課程の編成権を各学校に任せ、学校はそれを職員会議で論議し決定していた時代(2000年頃まで)と、教育委員会が学校を支配してきたその後とで服務事故の発生に違いがないかを調べることを、私は都教委に勧めたい。
 行為には多くの場合、背景があるのだから、それを見るのは当たり前のこと。

 ③都民の声(教育・文化)について[平成28年度下半期(10~3月)]
 半年間に寄せられた「都民の声」は1786件。そのうち、「苦情」が1221件、「要望」が192件。
 「苦情」のうち、「教職員の服務・接遇に関するもの」は251件、事例として、「都立高生が公園で広がってランニングをしており迷惑を受けた。引率教員に注意したところ、ランニングの許可を受けていると言い、対応が不十分だった。生徒、教員への指導を要望する」の苦情に対する都教委の対応として、「当該校の副校長には申し出者に対し、教員の対応について謝罪するとともに、管理職からその教員を指導していくこと、・・・生徒への指導を徹底していくことを伝え、ご理解をいただいた」等が挙げられている。
 「都民の声」とは分別して「陳情等(団体要請)」が40件、このうち、「日の丸・君が代と教員処分について」が12件。私が所属する団体も毎年「日の丸・君が代」に関する要請書を提出してきたが、上記した苦情申出者への対応のように、都教委が誠意をもって私たちに対応したことは一度たりともない
 「開かれた都教委」の施策に反対する者を都教委は都民とは思っていないようだ。

『レイバーネット日本』(2017-05-26)
http://www.labornetjp.org/news/2017/0525nezu
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