京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の侘び寂び時間」

2019-07-25 09:15:43 | 時計修理

7月25日木曜日。梅雨明けだそうです。
祇園祭後祭りの巡行も済んで侘び寂び幽玄の世界が戻ってきた気分です。

昨日の定休日は臨時営業。
祇園祭でお里帰り客の依頼品を引き取り待ちの一日。
何となく自動販売機化している時計師。結局5時まで首を長くして待つがお客は来ない。

無機質化してゾルからゲルに固まってそのうち忘れ去られた挙句、空気中に紛れ込んで消えるジジイを想像します。
電池はゾル上の液体からゲルの個体に変わった時が危ない。ゴミが固まって時計の歯車に挟まって時計は止まる。
その状態の時計を何度も見てきました。電池と同じジジイの心も固まる。

時計師の心が固定化時代が来たのでしょう。芸術品分野が壊れていきます。
外装だけ立派な掛時計だが中を見ると機械を文字盤に両面テープで張り付けているモデルが増えた。
これでは機械交換も無理。使い捨てです。

昨日は「アメオトコ」の不運を発揮。お客を待ちくたびれて仕方なく雨の中を出発。
工房から北大路駅まで歩く途中で集中豪雨に遭う。泣きっ面に蜂状態で傘なんて役に立たない。
久しぶりのバケツをひっくり返したような雨でした。
ところが四条駅に降りた時には青空でピーカン、待ち合わせ場所に私だけがずぶぬれオヤジです。
おまけにお座敷に通されて座布団まで濡れてしまいます。
「人の不幸は蜜の味」さんざん笑われてしまった。

「時計師」は次第に無機質化してくるという。「医師」「弁護士」はとっくに無機質化している時代だという。
そんな固まりにならないために潤滑油の媒体のお酒と楽器が必要なのだ。

最近特に時計修理のお客さんは時計師を機械と勘違いしているように思えてきた。
止まった時計を工房へ放り込むと自動的に完成する。自分の空いた時間に引取りに来ればいい。
修理内容は私の説明より紙媒体の文章にしてくれという。

中には電話で修理内容、方法をしつこく聞いてくるのでその間修理作業は止まる。電話相談は迷惑なのだ。
ウイキペディア信者が多く回答がネットと違う内容やそっけない返事をすると電話先で怒って来るのでややこしい。
「認知症とゆとり」世代の客には気をつけろ!なのだ。この集団の電話相談の人は常識がない。

ちなみにこの一週間だけでもうんざりする客が来る。
自分で電池交換を試みて安物電池を購入。ふたを開けたが結局閉まらなくなって飛び込んで来る。
当然ふたを閉めるだけなので無料だと決めてこんでいるので料金が1000円と伝えると怒って帰る。

「待っている時間がないので来年引き取りに来てもいいか?」呆れる。
「電池交換は大阪では500円、ネットでも500円、この工房は高すぎ~!」大阪職人に壊されろ!
「時計バンド替えて~!」バンドは販売していないのでお断りすると突然キレた!これは怖い。

こんな時に無機質化してくる。石に替わる気分です。
結局こんな人が増えてしまうと機械式掛時計のように一般客はお断りになる時代が来るでしょう。
最近時計屋さんで電池交換すらお断りの店が増えました。
「昔は親切な時計屋さんだったのにね~!」と時計屋が悪いように言う人がいる。

「ヘイトスピーチ」は小学生までで卒業するのが長崎人。大人が言うと恥ずかしいのだ。
「時計同業者」など同業者の悪口は中学生で卒業するのが京都人。京都ではお店の悪口は絶対にご法度なのだ。
私は長崎・京都のミックスジジイ。毒を吐くときは直接言う。
名古屋のバイヤー時代では私の体を借りて悪口を言う人がいたが貸し出しはして居ませんので直接ご来店くだされ~!

今日は6時半受け付け、19時までの通常営業に戻りました。お持ちしております。












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時計師の京都時間「京のサウナ時間」

2019-07-23 09:34:48 | 時計修理

7月23日火曜日。大暑蒸し暑い日になりました!

「夏の京都にサウナはいらぬ御所を一回りすればいい」
賀茂川を北上している間にぐっしょり汗まみれになりました。
今日は祇園祭後祭りの宵山。いいよいよ暑い夏本番を迎えます。

私は赤道近くの長崎育ち、夏には強いと自信があったが京都の夏にはげんなりしています。
普通のサウナなら砂時計3分計で十分ですが北大路駅から工房まで徒歩20分かかります。
それでもペットのワンコのお散歩姿を見られるのが楽しみ、ワンコみんなが笑っているように見える。
この環境で散歩ができるのは世界一幸せなワンコたちでしょう。

私は日本人の京都人と長崎人とのミックスジジイです。ミックス犬大好き!

 京都人から長崎人と行くほど認定ハードルが高くなります。
京都人なら祇園祭のお囃子を聞くと「鱧・鯖寿司・加茂ナス」
長崎人はおくんち!「チャンポン・皿うどん・カステラ」
甘いカステラとエビスビールは似合います。江戸時代から長崎は砂糖の一括独占輸入で潤った都市です。
料理にも砂糖をふんだんに使うのが特徴です。
甘いカステラにさらにその上に練乳を固めた桃カステラというものがあるほど。
当然人気の「石だたみチョコ」が生まれる素材があったのです。

また長崎ではヘイトスピーチはご法度!
昔、長崎から京都へ進学で上洛した際にヘイトスピーチの多さに呆れた。
いい例が長崎原爆投下の8月9日。子供たちは夏休みでもこの日登校日。
日本人も中国人も朝鮮人も被爆しました。爆心地松山町や浦上以外にも市内のあちこちに慰霊碑が立っています。
歴史的な国際都市なので差別意識はない。みんなで一緒に悲劇を乗り越えてきた人たちなのだ。

原爆投下後郊外の救護所のわきの畑に戸板に乗せられた二人の女の子がいました。
通りがかったのちに画家になる松添博少年はその晴れ着を着せてもらって薄化粧を施された美しさが忘れられません。
8月の暑い日。お正月のふりそで姿が美しく悲しい。
のちに一枚の絵を描いたのが「悲しき別れー荼毘」です。この絵をモチーフに「ふりそでの少女像」ができました。
ふりそで姿で空を楽しそうに舞っている像。
その一人が京都の女の子です。福留美奈子ちゃん(当時9歳)

終戦直前、原爆投下予定地が急遽京都から長崎へ変更された。
犠牲になった美奈子ちゃんたちの像を訪ねるたびに京都のお話をしてくる。
今日はあと祭りの宵山。お話ができるように私の眼でしっかりと鯉山を見てきますね。鷹山も会所ができたそうです。

永久に軍艦が入港できない長崎港。
あえて「ヘイトスピーチ」で騒ぐなら対象はアメリカ人になってしまいます。
長崎プライドのハードルは高い。
今日は後祭り宵山、明日は巡行、悲しみに耐えて一歩進む京都プライドを見せてもらいましょうかね~。




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時計師の京都時間「京のカンバン倒れ時間」

2019-07-22 09:16:22 | 時計修理

7月22日月曜日は雨に決まっています。
先日カレン・カーペンターを知らない人がいました。
「雨の日と月曜日」はもはやブルーな月曜日の気分を和らげる国民音楽ではなくなったのでしょうか?

参院選挙が終わりました。
京都の投票率46,42%半分以上の人が棄権。
特に住まいの下京区は44,28%と低いこれでは愚民の町といわれてもしょうがない。
そのうち来年のゲストハウスブームも去って本格的にスラム化が進むでしょう。

戦後二番目の低い投票率。阪神大山はホームラン11本ヤクルト新人村上の半分と同じくらい低い。
メディアは本当の目的である「戦争に行ける改憲」隠し作戦は見事に当たった。
選挙が終わったとたん「憲法改正」改憲勢力の分析に終始しています。
「2000万円必要な老後の年金」問題は台風と一緒に一瞬で消えたようです。

新聞各社は三分の二切れで騒いでいますがこれも時間の問題でしょう。
 国民民主党さんはもともと民主党時代のドジョー、岡田コンビの伝統でお金に弱い。
4~5億もあればすぐに4~5名は自民党に転ぶので改憲一直線になる怖い予想。
あちこちで「看板倒れ」が続きます。
公明党さんは命が大事の政党なのに改憲派?

「京の看板倒れ」
「世界一安心安全の町」のコピーは降ろしたほうがいい。
まず政治家は人の命より選挙が優先順位が上なのが分かった。応戦演説をなによりも優先させた門川氏の問題というより政治屋の形態のでしょう。
お金を最優先させる生き物です。
次に放火犯コンビニ強盗の重罪でも実刑たった3年程度で出所できる。これが京都の住民には怖い。
コンビニ強盗では10年くらいの刑だと思い込んでいました。また重犯なのに更生施設が全く無駄なものだったことも分かった。
この人たちが京都へやってくるのだ!

治安の悪い地域や海外貧困層の観光客を誘致している京都市政では犯罪者の流入は防げない。
「富裕層」観光客を呼び込むという話はどこへ行ったのか?計画も手法も明らかにされていないし街を歩けば浮浪者だらけだ。
今年も祭礼・祇園祭の最中に町中を外人がパンツ一枚で歩き回っているではないか?あの浮浪者のような情けない姿が見えんのか!
祇園祭の会所で仕事柄客の左手を見ています。腕に着けている時計は毎年貧相になっていくのが寂しい。
「京都アニメ」大惨事の教訓は生かされないまま風化するのでしょう。

「京都は歩く街」これも怖い。
四条通りから一本南の通り綾小路通りでは白いチョークの人型の名所。なぜか路地を走るベンツのクラクション暴走が止まらない。
運転席を見るとヤクザではなく免許証返納世代の高齢のお年寄りでした。
室町綾小路の交差点周辺では違法駐車が危ない。納品トラックの違法駐車は許されている。
それをいいことに乗用車もそれに続くので横着車両が道をふさぐので危ない!
「焼肉はやし」の前は危険だよ~!
「どこが楽しく歩く街」なのか理解不能でこんな簡単な取り締まりもない。
京都市が勝手に歩く街のコピーを作っただけなのだと警察官の皆さんは思っているのでしょう。
これに騙されて事故に遭う人が絶えないのがつらい。
なんと?夏の交通安全週間が始まりました。「あなたの真後ろに高齢暴走車が迫っていますよ~」

「京の学びの町」
誰もが認めるカンバンです。これが危ない!
京都は非正規雇用全国ワーストトップクラス、大企業もない街なので学んだ結果がこの非正規雇用、未来のない地獄行き。
特にサービス業に多いのでスーパー・コンビニでは100%非正規雇用者です。

私の講師時代でも契約を派遣会社と交わすのが条件でした。今や大学の講師までも非正規雇用者。
京都の駅前で石を投げると派遣さんに当たります。
田舎の図書館で夏休み返上で猛勉強した挙句卒業後は派遣さんでは悲しすぎます。

選挙の終わり普通の静けさが戻った。
工房は「のこり1%希望の店」愛用した腕時計あきらめないでお越しくだされ~。
掛時計、目覚まし時計は専門外ですよ~ごめんなさいね。
今日は宵々山です。受け付けは6時30分までなのでお早めにお越しください。










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時計師の京都時間「京の選挙時間」

2019-07-21 09:22:41 | 時計修理

7月21日 またまた雨が降りそうな曇りの日曜日。弘法市と選挙が重なった日になりました。
京都の小売業は「選挙とマラソン」日は閑散日になります。
一日暇つぶしの日。
最近投票率が40%台に落ちてくるとその都市伝説も変わってきて百貨店は普段通りの集客数になったようです。

今朝早々、出勤前の8時台にも関わらず投票所は私と若い人二名だけで閑散としていました。
10名以上の監視委員さんたちに囲まれるとなんとなくおろおろしてしまいます。
投票所のある下京区は自民党の地盤なのか?以前住んでいた上京区とは雰囲気が違う。
上京区の場合は町内会の大事な行事に出席できたよ~!と晴やかな気分でした。重い下京区の息苦しさにびっくり。

特に下京区で働いている皆さんは派遣、非正規社員比率が全国ワーストクラスなので選挙どころでなくお疲れの様子です。
今回の選挙は大切なメディアも伏せる「憲法9条を守る」選挙です。投票に行くか?戦場に行くか?の選択選挙。

ところが途中から年金問題にする替えた電通、博報堂の争点を隠す手法は見事にはまって棄権率が高くなりました。
「その日暮らし」の20~30歳代の人が老後の年金を当てにするはずがないのだ。
また年金は逃げ水のように消えていくものだと覚悟を決めている人がほとんどで家業が収入が固定化されている政治屋に期待をしていない。

「北方領土が戻るためには戦争しか手段がない」当たり前のように言う維新の政治家がいました。
そんな政党は維新の本音を慌てて隠したかったようですが本人はけろっと議員を続けています。
「いつも政党内では普通に主張して来たことをいきなり否定されるのか?」今一つ理解不足なので議員を辞めない。

「憲法改正」の目的は9条を変えて戦争ができる国にしたいのでしょう。
自衛隊を公認してドイツ並みの徴兵制を導入するのが目的か?そのためにまずアリのひと穴を開けることだ。

京都市長さんが京都アニメの大火災の最中に必死に選挙応援するほど優先順位の感覚が私たちと違う。
間違いなく人の命より選挙で勝つことを優先する人たちであることが解ります。
普通の人なら梯子をもって現場へ駆け出したくなるのが当たり前でしょう。
所詮「ごまめの歯ぎしりだ」
それでも一票を投票してきた。牛車に向かってカマを振り上げる蟷螂山町の縁者なのだ!

写真はセイコー・クレドール。特別で大事な日にはこれを忘れない。
今日は選挙の日。自分が持っている最高の時計をつけて投票に行きましょう。
時間が後戻りしないように歯を食いしばってでも前へ進めましょう!








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時計師の京都時間「京の会」

2019-07-20 09:45:00 | 時計修理

7月20日土曜日。雨。
今にも降り出しそうな曇り空の中で後祭りの山鉾の組み立てが始まりました。
「会」時間。
弓道の会。梓弓をきりきりと引き絞って矢を放すまでの時間が「会」。
この会、永遠にも感じるし一瞬とも思う弓道の不思議さがあります。
祇園祭も同じ。
毎年ひと月間のお祭りが永遠の様に長くかかりそうですが実際は一瞬で終わるような気分の今日は20日。早くも三分の二が終わりました。

京都は弓道の本場?三十三間堂の通し矢の歴史もあって全国の大学から京都へ合宿に来てくれます。
やはり本場は万葉集の奈良だと思う。
「梓弓」は梓で作った弓ですが今では材質にかかわらず梓弓と呼ぶようです。

 「通し矢」「伊勢物語」中の梓弓が悲し過ぎて弓道は柔道、剣道と比較してもどこか悲しげに感じます。
弓道では的にあててポイントを稼げばいいという競技ではない。
的に当てるのは結果であって目的ではない。
「弓手で離れを誘う」
私は左利きなので弓を押す力は強いが右手の会がうまくできなかった。どうしても溜ができずにすぐに離れてしまう。
また弓を持たないでも弓道の練習はできるのが特徴でもある。
京都の大学に進学するメリットはこんなところにもある。
その後弓道をやめ時計師になって極意が解り始めたころにはおじいになってしまう。なんちゃって練士。
先日神戸大学弓道部の凛々しい女性の集団を見た。
はて~?なんの競技かなぁ~と思ってしまう。「名人伝」というよりもぼけてきたかなぁ~と焦ります。

京の「会」まさに弓から飛び出す瞬間のような若い人たちがまぶしい朝でした。
「梓弓 引きて緩へぬ丈夫や 恋というものを 忍びかねてむ」
今日ものんびり営業中です。

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