京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の空っぽ時間」

2019-07-04 09:23:26 | 時計修理

7月4日木曜日。阪神タイガースが勝った翌日は晴れた。
つかの間の晴れ間です。これから巨人、広島戦が控えているのでつかの間の晴れ間、連日の雨降り予想。

昨日水曜日は3時までの臨時営業。不思議とお客さまが多い一日でした。
やはり京都は非正規雇用ワーストトップクラスなので時計修理にはピンスポットの休日利用になるのでしょう。

水曜日の売上はお酒に替わる。テーブルワインなど家族のアルコールは私の役目。
夏の季節は嫁さんもビール愛用者に参加するので財布の中は見事に空っぽになります。
私がエビスで嫁さんがプレミアムモルツなので銘柄二つグラスも二つ。
ナイトキャップにレミー・マルタン。
以前のお気に入りはマーテルから格落ちですが貧乏時計師なのでしょうがない。
時計業界は冬の時代。
精度を追及しても売り上げにつながらない。むしろ安い時計ほど正確で長持ちするのだ。

「神の仕事」から「株主のための仕事」に替わりました。
昭和時代、時計業界は経済的な成功より社会貢献を優先させていたのが今では悪いことのようです。
陸上競技、水泳などボランティアという名前もなかったころから計測に参画していました。
「サイトウ記念」松本の音楽祭でも諏訪のセイコー・エプソンがサポートしていましたね~。

私が目指した時計は「神様の仕事」。それを有志達が支えている雰囲気でした。
今ではブラック企業と呼ばれるでしょうね~。残業、残業、出来るまで残業!
休日出勤の出張の連続で私の6か月間ホテル暮らしなど普通の出来事です。
「運動会屋さん」と呼ばれる計測チームを見ろ!あれだけ環境の悪いところで頑張っているのじゃ~。
特に昭和時代のウインタースポーツ・アルペンスキー競技の残酷物語は酒の肴にちょうどいい。

 お客様の中に企業から頂いた永年勤続記念の副賞時計の電池交換依頼があります。
中にはなんと大手商社の社長賞を3年連続で獲得した記念時計が来る。このお客様昔はスーパーマンだったのだ。びっくりして見直します。
裏蓋にしっかり受賞した年の刻印がありました。しっかり頑張って努力した人なのだ。
子々孫々までこの時計をガラスケースなどに入れて飾っていただきたいものですね~。オリンピックのメダルより価値があると思う。

近年永年勤続の価値が薄くなって終身雇用が悪いイメージになってしまいました。
私たち「神の仕事」にかかわっている業種は長い時間が必要なのでなんとなく肩身が狭い時代です。
せめて工房にやってくる記念時計の価値を次の世代に伝えるように気合を入れています。

写真はお客様から寄贈された時計の再利用品。中のムーブメント、針を利用した残りのケースは捨てるしかない。
もったいないので文字盤にお気に入りのポストカードを入れてキーボックスができました。
安っぽい針が見えるより良くなった。
今のかけ時計の中は空っぽなのでいろいろと遊べます。
むかし、七匹の子ヤギが入ってオオカミから守ったこともあるのだ。

今日は晴れ!
阪神タイガースの棚ぼた勝利を祈って早く帰ります。柳の下の泥鰌の二匹目を願う時計師なのじゃ~。
大山の奇跡のポテンヒットをまた見たいね~。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする